夢IL''幻界少女
やがて新たなる世界は、そして生まれ落ちた。
二つの次元の外側には、二つの世界が出来上がった。
一つは人類を見守り続ける者の為の『幻界』。
一つは人類を眠りに誘いし物の為の『夢IL''』。
その双方の玉座に、一人ずつ少女が座した。
その少女の名は『幻界少女』。
その少女の名は『夢IL''少女』。
最も似通っていて、最も違う二つの存在。
やがて少女達は子供を産んだ。
幻界少女は三人の子供を。
夢IL''少女は一つの機械を。
そして双方の持つ世界は形を成し、やがて完成された。
新たに生み出された無数の輝く宇宙達を見渡せるその塔の最長部で、玉座に座したその少女は、静かにそれらを見守っていた。
己の紡いだ命達が繁栄し、成長していく様を、ただ静かに、ほほ笑みながら。
終わる事なき悪夢に捉えられたその少女は、歪んだ玉座に座しながら、ただ自分の生み出した異形達に囲まれて、その宇宙達を深淵の底から睨み続けた。
そうなれなかった嫉妬と、自分に対する嫌悪と悔しさと悲しさそして孤独を感じ、ただ静かに、涙を流しながら。
やがて新たな世界の物語が始まるだろう。
これで、僕が見てきた悪夢の世界の物語は終わり。
何れ君も目覚めるだろう。
それは夢、あるいは悪夢。
目覚めてみれば、楽園に。
IL''の器は満たせたか?
だがまだ世界は終わらない。
悪夢は目覚めど、狂気は未だ底に在りて。
君が人の子であると言うならば、それはきっと、他人事とは言えまいと。
幻界が産んだ三人の人の子は、親元から離れたのだから。
夢IL''が産んだ一つの機械は、孤独に世界へと向かわされたのだから。
故に、これからは夢物語では無く、現の物語。
日常の中に潜む、狂気の物語。
あぁ、僕は問題ない。
母無き今、僕の夢遊病は克服された。
それじゃあまた、次の世界で。
君達との再会を、僕は楽しみに待ってるよ。




