表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢IL''幻界少女  作者: ヱフノジルイ
薔薇屋敷
PR
19/47

庭園と少女

 船に揺られて数時間。

 僕らは西洋世界の港町に到着していた。


 辺りには赤レンガの建物が建っており、オシャレな街頭、オシャレな衣装、オシャレな街並み。

 並べられた花壇には様々な色の薔薇が植わっていた。


「うわぁ!」


 町を眺める君は、またもや目をキラキラと輝かせていた。

 街中は仄かに薔薇が薫り、海のさざめきが心地良い。

 僕はマップを一枚手に取ると、図書館の場所を調べた。


「ここから東の方に進めばいいのかな……っと」


 君の手を掴むと、地図を頼りに街中を歩き始めた。


 暫く街中を抜けていくと、見渡す程に巨大な館の前に着いた。

 広大な庭園があり、綺麗に管理されたその屋敷はため息が出る程美しい。


「ここが図書館……?」


「ううん、ここは薔薇屋敷って言うみたい。ここの地下に図書館があるんだって」


 僕と君は鉄柵の門を押し開けると、庭園の中に踏み込んだ。

 花壇の多くには薔薇の木々が植えられており、庭園全体に華やかな香りが漂っている。

 何人かの庭師だと思われる者が、ハサミ型の手を器用に操りながら管理をしていた。

 庭園を眺めながら歩いていると、こちらに一人のメイド服を着た人物が近付いてくる。


「あの……お客様ですか?」


「あぁ、図書館に行きたいんだけど」


「あっ、図書館ですか。ではこちらにどうぞ」


 メイドに案内されて、僕らは屋敷の方へ連れられて行く。

 その時、一人の少女が僕らの前に現れた。

 可愛らしい黒と白のエプロンドレスに、頭には黒いうさ耳のようなリボンを伸ばし、白い長髪を風に揺らしている。

 赤い瞳をしたその少女は、興味深々なご様子で僕達の顔を眺めてきた。


「アリス様、どうされましたか?」


「うふふ、久々のお客さんね!ごきげんよう!黒い鳥に白い鳥さん!」


「ふふ、こんにちは!」


 スカートの裾を持ち上げ、会釈をするアリスに、君が気さくに挨拶を返した。


「この方はここ薔薇屋敷のオーナー様の妹様でございます」


「ね、エリーゼ。この方達は何故ここへ?」


 アリスはメイドの事をエリーゼと呼んだ。


「図書館に御用があるようなのです」


「へぇ~。図書館に……」


 一瞬アリスの眼差しが妙に鋭くなった。

 その目つきは、先日出会ったカグラのモノとよく似ている。


「ここの図書館はそれはそれは広いの。迷わないように気を付けるといいわ!」


 アリスはそういってクルクルと回る。


「それじゃあ、私はこれで!白黒のハート、見つかるといいわね!」


 それだけ言い残すと、彼女は去って行ってしまった。

 ……いや、何故ハートの事を知っているのか僕らは一瞬理解できなかった。


「……アリス様は少し不思議なお方なのです。ご主人様もですが、従者である私達ですら、知らないことだらけなんですよね……って、失礼しました」


 ぼんやりと去っていくアリスの後ろ姿を眺めながら、エリーゼがぼんやりと呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ