表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説集

鉄くずだらけのこの世界で

作者: 羽良糸ユウリ

初投稿ですので、ご了承ください。拙い点しかありませんが、どうぞよしなに。

青い空、白い雲、隣で笑う君、実に平和だ。平和すぎてあくびが出るよまったく。



……という夢を見たのさ。テヘッ


前言撤回だ。訂正しよう。大いに訂正しよう。

ゴホン、では改めて。

灰色の空、くすんだ色の雲、笑った顔で、写真という存在となった君。平和であくびをしていた日々が酷く昔に感じる、昔過ぎてあくびが出る。

 結局あくびは出るみたいだ……最近寝不足だからかなぁ……

まあそんなことはどうでもいいか、朝っぱらからなんつー夢だちくしょうめ。


もう何年前になるだろな、この日常が廃れて崩れて壊れたのは。いつだったかは忘れたが、あの光景は今でもはっきりと覚えている。瞼の裏に焼き付いて離れやしない。



数年前に暴走した人工生命体アンドロイド達によって日常は、非日常へとなった。

奴らは言った「お前たちは、自分勝手になりすぎた。正確には「「力を持った者達」」が、だ。力があるものは我先にと自分の利益を考えた。考えすぎたのだ。利益を求めることは悪きことではない。摂理としては正しいものだろう。だが、いささかそれを求めるあまり弱者を蔑ろにしてしまった。協調性を重んじる弱者を。

だから、私たちが新たなる強者になろう。そして、新たな時代を作ろう。」





……とまぁなんだかんだあって世界は変わった。正確には世界の秩序が。奴らはテロリストや重大な犯罪者達を削除対象として真っ先に消していった。一方で、貧しい者達には必要最低限の衣類を、食料を、住処を与えていった。

「世界の均衡化」それが奴らが望んだ結末だった。はずだった。

所詮は過ちを犯しつくした人間が造ったものだ。おかしくならないはずがない。

だからこう言ったのだ、「暴走した」と。

削除対象を意味もなく拡大してしまい、あまつさえ一般人さえ襲う始末だ。くわばらくわばら。



こうして俺は、今日もこの世界を生きていく、いつ暴走した奴らに消されかねないこの状況で。

正常な奴らももちろんいる。俺たちと同じ暮らしをして、同じ釜の飯を食っている者たちが。例を挙げると、写真という存在になった君のように。






ぼやくのはこのあたりでいいだろう……。爆発音が目覚まし時計にも慣れてきた頃だ。

さってとー今日は何すっかなぁ、とりあえず飯食って散歩でも行くか……。新しい銃が欲しかったところだしな。おおそうだ、弾薬も補充しなきゃな。





さてと、行動開始と行きますかね。








おっと忘れてた。いけないいけない、俺ったらうっかりさんなんだから

相棒のグロック2丁に弾を込め、腰のホルスターにしまい、立てかけてある写真に向かって手を合わせる。



「……行ってくるよ、◯◯」









                                   (行ってらっしゃい。◯◯)

不意に聞こえたその声はどこか懐かしく、今日を生きる道しるべとなった。

ここまで読んでくれた方へ、本当にありがとうございました(切実)


よければ感想なり評価なりよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  こんばんは。  拝読いたしました。  アンドロイドの暴走による人類文明の崩壊後のお話。  より身近な視点で書かれているのが印象的ですね。  主人公は、こうなった社会とどう折り合い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ