思考少女は床の上 “親子”
生まれてこのかた育ててくれたのは両親だ。親というのは恐ろしい。人を決定付けると考えられている遺伝と環境、その二つを手にしているのが親だ。今の私の基礎は親に作られたといっても過言ではない、はずだ。何でもかんでも親のせいにしたくなる。自分が性格を恨むと、どうしても親を恨みたくなる。自分の特異なところを実感すると、どうしても親を憎みたくなる。
けど、そのあとそんな自分を殺したくなる。どんなに親の愛情を感じ、私がそれを嬉しく思っても、親との距離は縮まらない。いつからこうなのかわからない。親子の関係は家庭それぞれだろうけれど、居心地がよくない。
こんなことを考える私は、子を授かることなど無理だろう。殺すか逃げてしまいそうだ。今の私が親から逃げたいのだから。
以前母がふと漏らしていた。父は子を持つ気はなかった、と。聞いてみたい。なぜなのか。そしてどうしてその考えから変わり、今、私と兄がいるのか。聞いてみたい。聞けば何かしら私のなかで整理がつくかもしれない。でもその反面、親とはより大きな溝ができるかもしれない。聞けるはずがない。親は悲しむだろう。悲しいのかな。わかんない。
聞かなきゃわかんないけど、聞きたくない。
すぐそばなのにとっても遠いね。
壁一枚がとっても遠い。