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異世界転生が決まりました!

 優良物件と書いたつもりが有料物件になっていました……。

 コメントで教えていただくまで全く気づかなかったです。誤字脱字酷いですね……。精進します。

「お!起きたね!」

「‥‥‥え?ここは?」


 白亜は目の前に立っているまるで中世ヨーロッパの騎士みたいな格好をした男性に話しかける。

 いや、色々とおかしいだろ。と思いつつ。


「じゃあ、簡潔に言うね!初めまして!最高神の《チカオラート》って言います!」

「チカオラート‥‥‥?」


 心の中でダサい。と付け足しながら白亜は訊ねる。


「ここはどこです‥‥‥?俺‥‥‥どうなってます?」


 チカオラートと名乗った最高神(?)に聞こうとし、


「あ、夢か‥‥‥」


 と、なんとなく現実逃避。何故なら白亜は死んだ筈なのだ。ここにいる筈がない。


「うん。現実だからね?君は死んだんだよ?判る?」

「そりゃまあ‥‥‥自爆したし」


「じゃあわかってるよね。この展開」

「あ‥‥‥‥ここ、天国?いや地獄?それともその真ん中?」

「全部違うよ?」

「あ‥‥‥‥違うんだ‥‥‥‥」


 白亜の顔をジーっと見つめるチカオラート。


「なに‥‥‥?」

「その目、なんとかならない?」

「‥‥‥目付き?」

「そう。それ」

「さぁ‥‥‥これがデフォルトだから」


 戦闘時と楽器を弾いているときのみは変わるのも白亜は気付いていない。


「そっか‥‥‥まぁいいや!」


 適当に話しを切り上げるチカオラート。


「君は異世界に転生が決まりました!ついでに神様にもなったよ!やったね!」

「いや‥‥‥どうでもいいんですけど‥‥‥‥」


 チカオラートは目を見開いて分かりやすく驚く。


「え?おっかしいな。ここの世界の人はこう言うと飛び付いて喜ぶって聞いたことあるんだけどな」

「それ結構一部の人だから‥‥‥」


 因みに白亜はサブカルチャーが結構好きだったりする。白亜が最初に手を出した理由が気力のイメージ作りに役立つかも、と考えてやってみたら意外と面白かった。と言うのが白亜らしいと言うかなんと言うか。


「君は一部の人なのかい?」

「さぁ‥‥‥」


 本人が自覚がないのもまた面白いところである。


「まぁ、いいや!君は異世界に転生するってことでいいね!はい、決定!」

「なんにも言ってない‥‥‥」


「それで、君の希望はある?」

「希望‥‥‥?」

「貴族がいい、とかもっとかっこよくなりたいとか」

「あ‥‥‥。顔はこのままでいい?」

「なんで?駄目だよ?」

「変えないって選択肢無いの?」


「あるけど‥‥‥ズルいじゃん‼」

「‥‥‥はい?」


「そんなかっこいい顔だからさぞかしモテただろうし、向こうでもハーレム築き上げたいからそんなこと言ってるんでしょ!?もういやだぁ‥‥‥‥リア充爆発しろぉ」


 完全に私情である。


「いや‥‥‥この顔の方が慣れてるからってだけなんだけど‥‥‥」


 白亜は相変わらずそんなことなど一ミリも考えていない。白亜は、機能性重視過ぎて見映えを全く考えない人なのだ。


「まぁ、いいよ‥‥‥そのままにするよ‥‥‥‥ただ、髪色とかはあっちに合うように変えるよ?」

「それは別にいいよ‥‥‥?」


 チカオラートが取り乱した意味を全くわかっていない白亜の超天然発言である。


「あ、後、目は良くして欲しいな。コンタクト無しでも生活できるくらい」


 白亜は視力が悪い。裸眼だと殆ど何も見えていないのでコンタクトレンズ愛用者である。


「判った。チートはどうする?」

「チート?」


 意外と早く復活したチカオラートはそんなことを聞く。


「チートだよ。一個付けてあげる」

「あ‥‥‥ありがとう。オススメある?」

「オススメはねーーーー」

「それで」

「なんにも言ってないよ!?」

「俺はそっちの世界を知らない‥‥‥知ってる人が勧めるやつの方が後々後悔しないと思うんだ」


 本当に機能性重視である。


「いいの?決めちゃうよ?」

「お願いします」


「それじゃあ、次の転生の時にね。バイバイ」

「バイバ‥‥‥え?次の転生ってなーーーー」


 白亜の意識は、そこで途絶えた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ふー。危なかった。彼、勘が良すぎだからさっさと話し終わらせたかったんだよね」

「意地汚いですね」


 チカオラートと白亜が居なくなってから突然現れた背から白い翼を生やした、ザ・天使の外見の女性が話し合う。


「そんなこと言わないでよー。だってあんなにクッソイケメンなんだよ?しかも目にやるきなんて全く見えないし。目があそこまで死んでいる人間見たこと無いよ」

「そこはどうでもいいのでは」

「クッソイケメンめ!滅びろ‼」

「チカオラート様はフツメンですからね」


「言っちゃったね!?しかも堂々と」

「そんなことはどうでもいいです。彼の監視はどうされますか?」

「大丈夫じゃない?天然だけど頭はとんでもないくらいにいいし」

「まさに優良物件ですね」

「ああーー‼なんて世の中は不条理なんだ‼」


 チカオラートはイケメンが嫌いらしい。


「え!?彼、女性に転生されたんですか!?」

「そうそう。それならハーレムは築けないでしょ?」

「なんてことを‥‥‥」

「それと、目が良くなりたいって言ってたから魔眼あげた」

「目が良くなりたいの意味合い間違えてません!?」


 チカオラートも天然らしい。


「いいじゃん。それと『創造者(クリエイター)』の能力あげたけど大丈夫?」

「あの使いづらいやつを!?‥‥‥大丈夫でしょうか、彼」

「大丈夫、大丈夫。そんなことより地球土産食べる?」

「あ、和菓子あります?」


 天使までもがいつか白亜の存在を忘れていそうだ。主に、お菓子の思い出に消されて。



ーーーーーーーーーーーーーーー




(あれ‥‥‥?体が動かない‥‥‥?って言うか眠い‥‥‥)


 近くに人が集まっているのが見えるが、なぜか視界が白く濁っていて顔が判別できない。それどころか、まるで他の人の横にカメラが置いてあってそこからホームビデオを観ているような、場違い感。それを白亜は感じた。


(どうなってる‥‥‥?転生したのか‥‥‥?声も聞こえない‥‥‥)


 白亜の意識は再び闇に沈んだ。



 そんな感じのが何度も何度も続いた。毎日毎日物凄い眠気の中でホームビデオを観ている。そんな感じが一番近いだろう。


(なんか言ってるけど‥‥‥何語?)


 辛うじて聞こえる声は日本語でも英語でも中国語でもフランス語でも‥‥‥兎に角、聞いたことのない言語だった。


(大抵の言語は判るけど‥‥‥判別がここまで出来ないとな‥‥‥どっかの言語の亜種であればなんとかなりそうな気もするけど)


 白亜の意識はいつも曖昧で何も判らない。それと、白亜は女だった。


(まじか‥‥‥ちょっとな‥‥‥抵抗って言うか、何て言うか)


 そんな状態が一年続いたあと、急激に状況は変わる。


(見える‥‥‥!聞こえる‥‥‥!動ける‥‥‥!)


 突然、動けるようになった。今までは自分であって自分でない体だったため、体が動かせず、何故か意識してないのに動く、と言った半分なにかに乗っ取られてんじゃないかと心配になるほどだったのに、ようやく動けるようになった。

 白亜はあまりバリエーションのない表情を喜びに歪ませた。


(やっとか‥‥‥。チカオラートって人も教えてくれればいいのに)


 白亜はまず、体をしっかり動かせるように練習するのと言葉を覚えるようにすることに重点を置いた。


(あれは‥‥‥洗濯板って単語かな‥‥‥?)


 教えてくれる人などいないので完全に独学である。


(それより‥‥‥チートってなんだろう。全然判んないや)


 説明一切なしだったためチートがあるのかどうかさえ疑問である。


(そのうち判るか‥‥‥)


 一旦その疑問は放っておくことに決めたらしい。




 それから、また二年。


 白亜はこの世界の言葉を完全にマスターした。もうだいぶ話せる。


 この二年で分かったのはこの家は普通の農民の家庭であること。一年が365日で四年に一度366日なこと。一時間は60分、一分は60秒、一日は24時間なこと。何故かこの辺は完全に日本と同じだ。また、白亜の名前は今のところは無い。この世界では子供がある一定の年齢にまで育ったら子供が自分で自分の名を決めると言う不思議な習慣がある。


 お金はエッタと言う単位で、1エッタ=100円位だ。あと、この世界は科学が発達していない代わりに魔法文明がある。これも定番。と、まさに創作物の世界だ。


「おかあさん、おそと、いっていい?」

「ええ、良いわよ。暗くならないうちに帰っておいで」

「はーい」


 子供っぽく振る舞うのも大変である。因みに、白亜の目はいつもと同じ、生気のない目である。


 白亜は森の中に入っていく。危険だと思うかもしれないが、この辺りでは結構普通に子供たちの遊び場になっている。

 奥地に行かなければ動物は殆どでないし、出ても兎とかの小動物だ。


「よし。‥‥‥練習するか」


 白亜は毎日ここで格闘技の特訓をしている。誰かに見られたらヤバイが、基本的にこの辺りに来る人はいないので問題はない。


 白亜は気力を固めて一振りの練習用の刀を作り、素振りを始める。少し息が乱れたところで中止し、刀を別のものに作り替える。この時点で化物である。


「ふっ‥‥‥っは!」


 出来上がった薙刀を(刃がある)近くの岩にとんでもないスピードで叩き込む。

 パスッと真平らに切断された。化物である。


 この世界と日本を比べてはいけない位この世界は人間の運動力の平均が高い。


 戦士などは100メートルを走るのに3秒掛からない。農民などでも5秒位だ。この世界では普通でも日本に来たらオリンピック優勝できるどころのレベルではない。


「次は‥‥‥気弾‥‥‥」


 日本に居た時よりは少し弱いが十分な威力の気弾が木にぶちこまれる。子供なので未だ気力がうまく使えない筈なのだがそんな常識が白亜に通用する筈もない。


 白亜は持ち前の天然ぶりで自分の力のレベルをあり得ないスピードで所得していく。

 それこそが一番面倒なこととは知らずに。

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