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白亜の配下は伝説の精霊!

「まず精霊が見えないしな‥‥‥‥」

「そこなんですよね」


『白亜様。何者かが近付いてきます』

『どっから?』

『実は先程の大地の癒しグランド・レズラクションで枯れていた湖が復活したようなのです』

『湖なんてあった?』

『この先の洞窟内です』


「師匠?」

「何か来る。これ持っとけ」


 白亜は気力で作ったクリスタルの様な盾を持たせる。


「は、はい」

「しっ‥‥‥‥来る」


 ザザ‥‥‥と音がした思ったら茂みの奥から水で出来た人間が現れた。


「なにあれ?」

「ウンディーネ!?」

「へー」

「師匠!」


 白亜が見るとそこでジュードが土下座をしていた。


「師匠も早く!」


 空気が読めない白亜でも流石にこの緊迫感は判る。急かされてジャンピング土下座っぽくはなってしまった。


「*********」

「え?」

「*********」


 ジュードが突然聞いたこともない言語で話し始める。ウンディーネに土下座したまま。


「******」

「***********!」

「********?」

「**!」


 白亜には理解不能である。


『翻訳いたしましょうか?』

『あ、頼む』


 流石は博識者エルディテと言うべきであろう。白亜の右の赤い目に字幕が表示される。


「つまりはその方が?」

「はい!」

「なるほど。良いでしょう」

「本当ですか!?ありがとうございます!」


 途中からの翻訳なので話の内容は意味不明である。


「師匠!」

「んぁ。ごめん。変なことに集中してた」

「ウンディーネ様が師匠の契約精霊になってくれるそうです!」

「ごめん。話が全然判らん」


「師匠の魔法でウンディーネ様の泉が回復したんですって。それで、師匠の契約精霊になっても良いと」

「話飛ばしすぎじゃないのそれ?」

「問題ありません!さぁ、契約しちゃいましょう!」

「今ここで!?」


 善は急げにも程がある。


博識者エルディテ!これ、大丈夫!?』

『はい。ウンディーネならば白亜様の足枷にはならないでしょう』

『なんの話!?』


 ジュードは完全に興奮していて白亜の事をガン無視している。ウンディーネとは、それほどまでに貴重な精霊なのだとジュードの反応で判る。


「契約ってどうやんの!?」

「ウンディーネ様がやってくれます!」


 気配がしたので後ろにバッ!と顔を向ける白亜。ウンディーネの超ドアップの顔がある。


「近い近い近い近い」


 白亜が一瞬本能からか飛び退こうとした瞬間、白亜の唇とウンディーネの唇が重なった。


「!???!!?!?」


 白亜はもう大パニックである。逃げ出そうとしたが、白亜の超人的な力を上回っているのか、水で出来た手でガッチリとホールドされて動けない。

 白亜が諦めた瞬間、口の中に水が入り込んできた。しかも白亜は驚いてそれを飲み込んでしまった。


 その後直ぐに白亜は解放されたが、メンタル的にも身体的にも大きくダメージを喰らっていてぐったりしている。それに、ウンディーネの身体は水なのでベッタベタである。


「契約ってこれ‥‥‥?」

「最も忠誠を誓う精霊が行う契約ですよ!流石は師匠!」


 本人は殆ど死んでいる。


「なんか力が入らない‥‥‥‥」

「そのうちなれます」

「キスに!?」

「初めてでした?」

「前世合わせて1回目だよ‥‥‥‥」


 白亜は前世ではその目でモテなかったし、今世でも毎日訓練に明け暮れていたので親しい人はいない。ましてや5歳だ。


「お前はあるのか?」

「はい、何度か」

「誰とだよ‥‥‥‥」


「ハクア様。貴方に一生ついていく所存です」

「‥‥‥‥喋れるの?」

「契約の時に記憶を共有させて戴きました」

「まじですか‥‥‥っていうか、さっき水っぽいものを飲んじゃったんだけど」

「私の一部です」

「ですよね‥‥‥‥」


 大体わかってはいたが白亜はウンディーネの身体を飲んでしまったらしい。


『ウンディーネって飲んでも大丈夫なの?』

『今のところは』

『なにその微妙な返答!?』

『前例がありませんので』


 日本でもそうだったが白亜はオンリーワンな能力が多い。殆ど運ではあるが。


「飲んじゃった場合どうなるの?」

「私と同化します」

「‥‥‥‥‥アウトゾーン越えただろ、それ」


 元々半分神みたいな存在なのにそこから精霊が加わったらしい。もう人間と言い張りづらい状況になってしまっている。


「もういいや‥‥‥精霊魔法、練習しようか」

「はい。ハクア様」

「ジュード。教えてくれ」

「あ、はい!勿論です師匠!」


 白亜に『ジュード』『博識者エルディテ』『ウンディーネ』が配下として追加された。因みに、ウンディーネは白亜の前世の名字からとってキキョウという名前になった。







「よ!」

『白亜様。上です』

「とりゃ!」


 現在白亜は魔法の練習をしていた。最近は対人系の魔法も覚え、魔眼のカンペなしで戦えるようになっている。

 今は地面から生えているツルで周辺から飛んでくる岩を砕いたり叩き返したりしている。

 因みに岩を投げているのはジュードとキキョウである。


「あっぶね!」


 白亜の足元に高速で岩が投げられる。普通なら避けるどころか視認も出来ない。完全にこの岩はキキョウである。


「っ!」


 最後の岩を砕いて一旦休憩である。


「ふー」

「お疲れさまです、師匠!」

「また腕を上げましたね」

「キキョウ、あれはないだろ。ビビった」


 白亜は6歳になった。今は冬の終わり。


「もうすぐ入学だからな。やれることはやっておきたい」


 白亜とジュードは今年度から入学が決まっている。


「久し振りの王都ですねー」

「私、楽しみです!」

『私も楽しみです』


 因みに今の博識者エルディテの声は三人全員に聞こえている。白亜が魔法で念話を使えるようになったからだ。

 なぜ自然の魔法で念話があるのかは微妙に不明である。


「エルディテさん。さっきのどうでした?」

『そうですね‥‥‥真上から来たのはよかったですがその後左から移動音がしてしまったのは残念でしたね』

「ありがとうございます」


 もう博識者エルディテは監督みたいな立ち位置になってきている。


「そろそろ時間だ。風呂に入って帰ろう」

「「はい」」


 日課の風呂は欠かさない。




「ただいま戻りました」

「たっだいまー‼」

「失礼いたします」


 白亜、ジュード、キキョウの順で家に入っていく。ジュードはもう家族の一員になってしまっているので、遠慮とかがない。白亜よりもこの家の子供らしい。


「今日のご飯は?」


 これを聞くのは勿論ジュードである。


「天麩羅よ」

「やったー!ご馳走だー!」

「手、洗ってらっしゃい」


 天麩羅を教えたのは勿論白亜である。


「師匠!手、洗って食べましょう!」

「判ってるよ」

「私、天麩羅大好きです!」


 ウンディーネも食べ物を食べれる。排泄物なんてものは無いので何処にいってるかは謎である。


 手を洗ってから食卓につき、白亜の両親含め5人で食べはじめる。


「「「「「いただきます」」」」」


 これを教えたのも勿論白亜である。この家が段々日本文化に染まりつつある。


「明日から王都に行って国王様に挨拶に行くけれど、それで良いわね?」

「「はい」」


 そう。明日からもう王都にいくのだ。父親は仕事があるので留守番である。


「いいなぁ」

「父様‥‥‥」


 大人げない父親である。


「ご馳走さま」

「あら?お代わりあるわよ?」

「もうお腹一杯です。明日の準備してきますね」


 一足先に白亜は自分の部屋に向かう。


「ふう。こんなもんかな」


 白亜は少し小さめのリュックサックに荷物を詰め込んでいた。その量は明かに少ないが最悪創造者(クリエイター)で物を作ってしまえば良いのでそんなに少なくはない。


「ハクア様」

「キキョウか」

「はい。入っても?」

「どうぞ」


 元々白亜の荷物は少ない。それが今一ヶ所に纏まっているので部屋が半分すっからかんだ。もう半分はジュードの物が散乱している。片付けが苦手らしい。


「私、ハクア様と契約ができて本当に良かったです」

「何で今?」

「ふふふ。何ででしょうか。ただ何となく今言わなければと思ってしまいました」

「これからも俺とお前は一緒に居るんだからいつでも言うタイミングなんてあるだろ」

「ふふ。そうですね。これからもよろしくお願いします、ハクア様」

「ああ。宜しく。キキョウ」


 そんなことを話していたら部屋の扉が開いた。


「今の完全に告白するとこでしょーが‼」

「あ、ジュード」

「師匠!今のは完全にフラグを落としましたよ!?」

「叩き折ったの間違いじゃないか?」

「あ、ほんとですか?じゃなくて!」


 独りコントをし始めるジュードを完全にスルーする二人。ジュードと一緒にいるとスルースキルのスキルレベルがどんどん上がる。


「まぁ、騒がしいけど。これはこれで面白いかな」

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