二話目
あれから2年後。
私はとある大学の前に立っていた。
「ふっふっふ。
ついにこの日が来たわ!」
校門の前で拳を振り上げる。
周りの人がチラチラと見てる気がするけどそんなの気にしない。
だってだって、この国最高峰と言われている学校の大学院に合格し、今日はその入学式なのだから。
まあ、大学に入るよりは遥かに楽とも影では言われてはいるものの、そこそこのレベルの大学に通っていた私には相当な努力を要した事はおわかりいただきたい。
あの日からずっとこの日のために頑張ってきた。
聞いたわけじゃないけど、きっと春樹もここにいる。
だって彼は、この大学に通っていたんだから。
負けず嫌いの春樹の事。
きっとレベルの高い研究科にいるはず!!
まあ、この大学、院生だけでも軽く千人は越えてるから会えるかは微妙なんだけどね…。
入学式を終えた私は、家探しをはじめた。
四年間大学に通わせてもらった上に一人暮らしをさせてもらっていたので、私は既にかなりの金額を両親に出してもらっている。
これ以上親には負担をかけたくないと思い、なるべく安い家を探したい。
でも、安いからといって防犯面で不安があるようでは困る。
そんなわけで、入学式を迎えたというものの、家がまだ見つかっていないのである。
そんな私の目に、掲示板に張られていたチラシが飛び込んで来た。
「えっと…ルームメート募集。女性のみ。
家賃は折半で月四万…!!やすっ!」
私はチラシを食い入るように見つめた。
そして、すぐに連絡をして、トントン拍子に話が進んで、無事に家を確保することができた。
そうして迎えた引っ越しの日。
出迎えてくれたルームメートの姿を見てお互い絶句する。
そこには、オネエになってしまった私の幼馴染みである春樹がいた。