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序幕
FANKRAを見失ってから二日が過ぎた。時空間を歪め、自由に移動出来るFANKRAに、真っ向勝負は不可能に近い。しかも、もし藤木の言う事が正しければ、FANKRAは驚異的な再生能力が有るという事だ。戦いにすらならない可能性が有る。何とか、FANKRAの弱点を突かないといけない。または、せめてあの空間移動を阻止出来る状態を確保したい。メサイアの全てのブレーンが、必死にFANKRAについて研究をしていた。FANKRAの検出未だされていなかった。頼みの綱は、預言者である金澤だった。
金澤は本郷の言うように、基礎体力作りをさせられていた。特に行軍訓練は彼女の肉体も精神も消耗させていた。金澤の預言は、未だ彼女の口から話されていなかった。恐らく、訓練の事で頭がいっぱいなのであろう。片桐は、金澤に取り付けた発信機から、電波を受信し、見張りを続けていた。この訓練を無事に済ませたら、最後のテストをする予定だった。異例の早さだった。




