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Wing Fighter Ν  作者: 屋久堂義尊
episode08 再会
23/69

第二幕

 プレデター検出の報せを受けたメサイアは、目標を駆逐するべく、出動した。

「こちら本郷。目標のコードネームはDANGARUZOA、岐阜県岐阜羽島を目指しています。目標を追撃せよ。新幹線に触れさせるな」

「了解」

 戸ヶ崎の通信が終ると同時に、二本足の牛のようなプレデターが、戸ヶ崎達の前に現れた。DANGARUZOAだ。

「目標と会敵。攻撃を開始する」

 木元機が、いきなりミサイルを発射する。DANGARUZOAはそのダメージを受けて、大きく後退する。

「攻撃が来るよ!」

 クロウ3がメーザーバルカンを発射しながら、DANGARUZOAの股の間をすり抜ける。その時、背後に爆発が起こった。

「何だ?」

「今分析に回します」

 藤木がキーボードを叩く。

「目標は口から熱線を吐く模様。また、両腕に電気エネルギーを溜めこむ器官有りです」

「奴の死角は背後だ。一気に攻めて倒す」

 宮本の命令で、三機のハリアーはDANGARUZOAの背後に周り込む。そのままメーザーバルカン、振動ミサイルの猛爆を始めた。。

 と、エメラルドグリーンの光が地面から湧き上がった。Νが現れたのだ。

「勝沼さん」

 戸ヶ崎が思わず漏らす。五藤も渋い顔をしながらもその登場に眼を向けた。

 Νは前のめりに倒れているDANGARUZOAを抱え上げると、思い切り投げ飛ばした。DANGARUZOAは山の稜線の向こう側に消えるのだった。

 その時、紫色の光が、空から降り注いだ。そしてそこにΞが現れた。

「二体一にする気か?」

 戸ヶ崎が呟く。

 ΝはゆっくりとΞに向かい直る。Ξが一気に地面を蹴ると、Νに飛び蹴りを食らわせた。Νは大きく後退する。

「Νを援護しないと」

 戸ヶ崎がクロウ3をΞの背後に着けた。しかしながら、Ξは回し蹴りでクロウ3の翼を攻撃した。クロウ3は一気に上昇し、そのまま避けてみせた。

「戸ヶ崎君、上達したね」

 木元の称賛を受けて、戸ヶ崎は満更でも無かった。

 DANGARUZOAが口から熱線をΝに向けて吐き出した。Νはそれをバリアーでしのいだ。だが、Ξが紫色の光弾をΝ目掛けて放った。火花を散らして転がるΝ。DANGARUZOAとΞは並ぶと、同時に光線を放った。Νが爆発に包まれる。

「ΞとDANGARUZOAは協力し合っているのか」

 宮本が呟く。

「その可能性が高いですね」

 藤木が応じた。

「直ちに攻撃目標をΝからΞに変更。DANGARUZOAはΝに任せなさい」

 本郷からの通信を受けて、戸ヶ崎はΞの背面にクロウ3を付けた。

「五藤隊員、全ミサイル発射を!」

「了解」

 戸ヶ崎の指示の元、五藤はミサイルパック全てのミサイルをΞに浴びせた。Ξが側転して回避する。だが、数発のミサイルは、Ξを捉えるのだった。爆発がΞを包み、オレンジの閃光が岐阜の大地に光った。それを見たΝは、深紅のカッター状の光弾を腕から発射した。それはDANGARUZOAを直撃した。

"GMOOOOOOOOOOOO!"

 DANGARUZOAは悲鳴を上げて、地面に倒れた。そこに追い討ちをかけるように、Νは馬乗りになり、殴りつけ出した。

 一方Ξは三機のハリアーを相手に空中戦を挑んでいた。

「戸ヶ崎隊員、後ろに付けて、メーザーバルカンを撃つ」

 戸ヶ崎は必死にΞを追った。

「目標が当機を凌駕する運動性を持っています。空中で背後を取るのは困難です」

「だったら前で構わないわ」

 クロウ3は、Ξの真正面に出た。メーザーバルカンが放たれる。Ξはそれを紫色のバリアーで防いだ。そしてそのまま、手から光弾を放った。それはクロウ3を直撃した。

「機関部損傷!」

「止むを得ない。戸ヶ崎隊員、不時着を」

 クロウ3は煙を棚引かせて森の方へ向かうのだった。

「仇は討つよ!」

 木元がミサイルを三段に分けて発射した。一段目、二段目はΞに防がれたが三段目は直撃を与えた。Ξが落下する。そこをトドメを刺すように、宮本と藤木のクロウ2がエネルギー爆弾を投下した。大爆発が起こり、木々を衝撃波が吹き飛ばした。

「やったか?」

 木元が誰とは無しに問う。

 一方Νは、DANGARUZOAを大地に叩き付けていた。DANGARUZOAは、叫び声を上げると、Νの腕を掴んだ。そこに電流が流れだした。苦しむΝ。それをDANGARUZOAは牛の蹄のような足で蹴り飛ばした。倒れ、転がるΝ。立ち上がったDANGARUZOAは、口から熱線を吐いた。薙ぎ払うように光が走った後、少し遅れて炎が燃え上がった。Νもその炎の中に沈んだ。DANGARUZOAが、その二つの眼でΝが燃え上がるのを確認したと思われた時、Νが炎の中から飛び出して来た。叩き伏せられるDANGARUZOA。Νは再度マウントポジションを取ると、両足でDANGARUZOAの腕を防いで顔面に紅い光を込めたパンチを連発した。それが当たるたび、火花が散るのだった。DANGARUZOAは、口を開けると、光線を放った。Νはそれを避け切れず、顔面に直撃した。DANGARUZOAは、怪力でΝの両足を撥ね退けると、電撃を込めたパンチを連発した。Νは一気に劣勢になった。

 戸ヶ崎と五藤はクロウ3から離れていた。イグニヴォマを構えると、Νを攻撃するDANGARUZOAを狙ってレーザーライフルを連射した。それはΝを殴り付けるDANGARUZOAの右肩を直撃した。DANGARUZOAは、それを受け、肩に僅かな炎を着けたまま、ゆっくりと向かう向きを戸ヶ崎達の方へ向けた。

「良いぞ、そのままこっちへ来い」

 戸ヶ崎は、シュツルムファウストを装備して放った。真っ直ぐにそれはDANGARUZOAを襲った。仰け反るDANGARUZOA。それを確認すると、五藤がバルカンを放って前進した。DANGARUZOAは唸り声を上げると、光線を口から発射した。それが、戸ヶ崎と五藤を直撃しようとしたその時、間にΝが入った。Νは胸元に光線を浴びて、吹き飛んだ。

「Νが!」

 戸ヶ崎が叫ぶ。

「今は眼の前の敵に集中しなさい!」

 五藤の檄が飛ぶ。戸ヶ崎は、レーザーライフルでDANGARUZOAの眼を狙った。直撃して血が飛び散る。後退するDANGARUZOA。

「逃がさない!!」

 五藤がイグニヴォマのバルカンを連射した。

 一方Ξは、クロウ2の爆撃を凌いでいた。

「こいつ、強いな」

 宮本が呟くと、一気に機体を前進させた。そこを狙うように紫色の光線が放たれた。クロウ2は間一髪の所で回避した。Ξは、両腕を高く上げて、エネルギーを集中、紫色の破壊光線を放った。空に飛ぶ二機のハリアーはそれを何とか避けるのだった。

 そんなΞに、Νはエネルギー光球を放った。紫色のバリアーでそれを防ぐΞ。Ξはジャンプすると、Νを飛び越えてDANGARUZOAの元へ向かった。Νは、抜刀するような形で拳を身体の側面から大きく上部へアーチ状に描いてみせた。そこから深紅の切断光線が放たれた。Ξはそれをバリアーで防ぐと、DANGARUZOAに光線を当てた。DANGARUZOAの身体が紫色の粒子になって消えた。同時にΞも、紫の光の粒子になり、大地へ散らばった。

 Νは立膝を突くと、エメラルドグリーンの光となって消えた。

「勝沼さん……」

 戸ヶ崎はエメラルドグリーンの光が消えた方へ向かおうとした。

「戸ヶ崎隊員、勝沼に会うつもりなの?」

「ええ」

「止しなさい。今貴方には監視が付いている。勝沼に会ったら勝沼の事は全てメサイアに知れ渡るわ」

「五藤隊員……」

「勝沼には私が会いに行く」

 戸ヶ崎は聞いて顔を硬くした。

「大丈夫よ、殺そうとか捕まえようとかは考えていないから」

「分かりました、信用します」

 戸ヶ崎の言葉を聞いて、五藤はゆっくり頷く。

「貴方はΞの方を何とかしなさい。もしもΝと同じならば、Ξにも人間が関わっているわ。それに、Ξは敵よ。危険な任務だけれども、今の貴方ならばこなせると信じている。何とかΞの情報を集めに行きなさい」

「了解しました」

 戸ヶ崎はそう述べると、イグニヴォマを抱えて森の奥へと向かった。


 勝沼は森の中で這うようにして進んでいた。その上空をメサイアのハリアーが飛んで行った。勝沼は、ペンダントを見た。エメラルドグリーンの光が僅かに点滅していた。

「あの黒い巨人さえ出なければ……」

 勝沼の眼に先程の戦いが蘇る。クァンタムバーストの必殺の一撃をいとも簡単に防いでみせたあの力。それは自分と同じ力――或いはそれ以上の力を持つ者の存在を意味していた。

「奴には、勝てないかもしれない」

 勝沼は、そのまま木に凭れるのだった。


 戸ヶ崎は森の中を慎重に進んでいた。少しでも物音がすれば、そちらへ銃口を向けた。どれも何とも無かったのだが。警戒心はマックスに達していた。ゆっくりゆっくりと前へ向かう。そのままどれくらい進んだのだろうか、戸ヶ崎は少し開けた所に出た。土管やフェンス、立て看板なんかが転がっていた。察するに、道路工事の跡だろう。成る程言われてみれば、かつて人がいた形跡が有る。戸ヶ崎は、チェーンソーで斬られた痕と思われる切り株に足を置いた。本当は、こんな所に来たく無かった。勝沼の元へ向かいたかった。しかし戸ヶ崎も気が付いていた。誰かが着けて来ている。きっとメサイアのエージェントだろう。だから彼が勝沼の元へ行かなかったのは正解だった。

 そう彼が感じたその時、戸ヶ崎の通信機が鳴った。

「五藤隊員かな?」

 戸ヶ崎が通信機のモニターを起動すると、砂嵐だった。

「え?」

 戸ヶ崎は、モニターをもう一度観ると、少し叩いてみた。

 そこに、文字が浮かび上がるのだった。

「ようこそ、メサイア」

 戸ヶ崎は背筋に冷たい物が走るのを感じた。自分の行動を、誰かが察知したのだ。そんな事が出来るのは……。

「出て来い!」

 戸ヶ崎が叫ぶと、周囲を紫色の霧が覆っていた。イグニヴォマのレーザーライフルを放つも、霧が拡散させてしまった。

「この!!」

 戸ヶ崎はイグニヴォマを構えつつ、霧へ突進した。紫色の淡い霧の中を突き進む戸ヶ崎。だがその先は、先程の開けた土地だった。戸ヶ崎は激しく動揺した。

「またここ?」

 再度通信機が鳴る。戸ヶ崎が画面を見るとまた文字が浮かび上がった。

「逃げる事無いじゃん、歓迎しているのにさ」

 戸ヶ崎は、もう一度問いを投げた。

「誰だ!?」

 無論返事は無い。戸ヶ崎は通信機のボタンを押すと、五藤を呼び出そうとした。

「五藤隊員、こちら戸ヶ崎です。五藤隊員、五藤隊員!」

 戸ヶ崎の叫びとは逆に、通信機のモニターにはまた文字が浮かび上がる。

「折角二人っきりになれたんだから邪魔を寄越さないでよ」

 戸ヶ崎はハッとした。先程まで追尾していたメサイアのエージェントの気配が無い。まさか――。

「戸ヶ崎伸司隊員ね」

 背後から声がしたので戸ヶ崎は、イグニヴォマを抱えて向きを変えた。


「戸ヶ崎隊員、戸ヶ崎隊員返事を。戸ヶ崎隊員!」

 五藤は腕の通信機に叫んでいた。戸ヶ崎だけ反応が消えている。故障か? 電源が落ちたのか? 理由は定かでは無い。だが五藤は最悪の事態も予想していた。まさか、殺されたのではないか……。

 五藤が向きを変えて、戸ヶ崎の向かった方へ行こうとしたその時、五藤は気が付いた。真っ黒い服を身に包んだ男が木に凭れていた。それが誰かはすぐに分かった。

「勝沼……勝沼竜!」

 五藤が大声を出しても、勝沼は動かなかった。死んでいるのだろうか――?

 五藤が近付いて行く。その時だった、勝沼の眼がカッと見開かれた。五藤は思わずイグニヴォマを構える。

「誰だ?」

 勝沼が問う。

「私は五藤遥、メサイアの戦闘員よ」

 五藤が答えると、勝沼は、自嘲気味に笑った。

「戸ヶ崎の仲間か。だったらついて来た方が良い」

 勝沼はよろよろと立ち上がると、森の奥の方へ足を引き摺りつつ歩き出した。そこは戸ヶ崎の向かった方向だった。

「どこへ行く?」

 五藤は勝沼の後を追った。

「あの黒い巨人が関わっている。今戸ヶ崎はピンチだ」

「黒い巨人、Ξの事ね」

「あんた達はそう呼んでいるのか。そのΞだ」

「勝沼竜。貴方、Ν――あの巨人なの?」

 勝沼はゆっくり頷いた。

「どこでその力を?」

「話せば長くなる。だが俺は何故この力を手にしたか分からない。何者がこれを俺に授けたのか分からないんだ」

「プレデターと戦う理由は?」

「俺はもう、大切な人を失いたくない」

 勝沼は菱形のペンダントを握り締めた。

「あんたは正義の為に戦っているのか?」

 勝沼が五藤に問いかけた。五藤は暫く迷った。

「正義か悪かなんか分からない。ただ私は、人々の暮らしを脅かす物が有るならば排除するまでよ」

「それで俺も攻撃されたという事か」

「ええ、作戦上はね」

 勝沼は再度笑った。

「この先は厄介だぞ。俺も何とかして戸ヶ崎を助けたい」

「私もよ」

 勝沼がペンダントをかざした。エメラルドグリーンの光が漏れて、眼の前に光線を走らせた。それはいつの間にか広がっていた紫色の霧を撥ね退けて行った。

「これは?」

「Ξの結界を破った。今ならば中に入れる」

 勝沼は多少苦しそうだったが、ペンダントをかざしつつ、前へと進んだ。五藤も後に続いた。

「その武器は置いて行け」

 勝沼がイグニヴォマを抱えている五藤に述べた。

「どうしてそんな事が言えるの?」

「あいつ相手にそんな子ども騙しが通用すると思うか?」

「これは私達の科学の結晶よ」

 勝沼は笑った。今度のは自嘲では無かった。

「俺があんた達の言う所のΝに変身すると言うのにか。それが科学で解決出来るのか?」

「それは……」

「この先、それが役立つとは思えない。捨てておくんだな」

 勝沼に言われて、五藤は渋々、それを放棄した。

「賢明な判断だ」

 勝沼はそう言うと、額の汗を拭って前へと進んで行った。五藤も後に続いた。

「ねえ」

「何だ?」

「黒い巨人、Ξは一体何なの?」

「俺よりもあんた達の方が情報を持っていると思うが?」

「矢張り、貴方みたいに変身する物なの?」

「恐らくな。だがそれが誰かは俺にも分からない」

「奴とプレデターの関係は?」

「それも分からない」

 五藤は思わず溜め息を漏らした。

「何にも知らないのね」

 勝沼は、苦笑した。

「悪かったな、あんた達の情報が欲しいくらいだ。だが、さすがにまだ、俺がΝだとは分かっていないのだろう?」

「戸ヶ崎隊員と私は知っている。上にはまだ報告していないわ」

「有難い事だ」

「でも巨人に人間が絡んでいる事は報告されたと思う。戸ヶ崎隊員が自白剤を使われたのならば貴方の事も話した可能性が有るわね」

「自白剤か。あんた達は手段を選ばないんだな」

「平和の為よ」

「平和ね」

 勝沼はペンダントから手を離した。

「結界に突入した。後は戸ヶ崎を探すだけだ。それに、感じる、戸ヶ崎の近くに何かいる」

「プレデターだったら承知しないわよ。貴方の言う通り私は丸腰で来たのだから」

「どの道あの武器で黒い巨人、Ξは倒せない。一気に向かうぞ」

「ええ」

 勝沼は最後の力を振り絞って前進した。五藤は辺りを覆う紫色の霧が、段々と狭まって来るのを確認すると、覚悟を決めたように、ファイティングポーズを取り、奥へと向かうのだった。


「戸ヶ崎隊員と五藤隊員の信号が消えたですって?」

 クロウ2を着陸させた宮本は、その本郷からの報せを受けて思わず声を出してしまった。それを聞いた藤木が急いでノートパソコンにパスワードを打ち込む。

「本当です。両隊員、ロストしました」

「まさか、プレデターに倒されたのでは?」

「分からない。先に戸ヶ崎隊員が消えて、その後に五藤隊員が消えたわ」

「隊長、消失ポイントは?」

「戸ヶ崎隊員はA4βよ。五藤隊員もその近く。何か有るわね」

「木元のハリアーに上空を偵察させてみます」

「頼むわ。私もそっちへ向かう。藤木隊員は続けてあのプレデターとΞの出現に注意して」

「了解しました」



 本郷はもう一つ気掛かりな事が有った。宮本や藤木には話さなかったが、戸ヶ崎をマークしていたエージェントの反応も消えていたのだ。何が起こったか定かでは無いが、本郷は悪い未来を予想していた。

 急いでヘルメットを被ると、イグニヴォマを担ぎ、他のエージェントの乗り込む車に同乗した。

「皆、無事でいなさいよ」

 本郷はそう呟くと、バトルスーツの全プロテクターを身に着けた。

 車は勢いよく発進すると、岐阜羽島の方へ向かい、進むのだった。


 木元は、宮本の指示の元、A4βを飛んだ。特別変わった様子は見えなかった。

「こちら木元、目標上空です、五藤隊員も戸ヶ崎君も、プレデターやΝやΞも何にも有りませんよ」

「了解。引き続き警戒頼む。補給部隊が到着したら、交代しよう」

「副隊長、地上から二人を捜索しないのですか?」

「本郷隊長の合流を待つ」

「隊長がいらっしゃるのですか!? おお、それは燃えますね!」

「何故燃える?」

「私と隊長のどちらがより優れたパイロットか競いたいからに決まっていますよ」

 宮本の溜め息が、インカムに響く。

「冗談です。捜索続けます」

 木元は多少不満気に、再度同じ地区を低空飛行するのだった。

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