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Wing Fighter Ν  作者: 屋久堂義尊
episode04 邂逅
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序幕

 深紅の身体を持つ、飛行型のプレデターMABIRESが、その姿を現さなくなってから幾日が経っただろうか? MABIRESは、六つの眼を持ち、空中を超音速で飛ぶ恐ろしいプレデターだった。破壊力も有り、性格は狂暴。人の肉を好物とし、これまで戦って来た幾多のプレデターの中で、最も残酷な物の一体だ。だがしかし、もう何週間も姿を隠している。MABIRESに関しては、うちの隊の戸ヶ崎伸司隊員が、最初に接触している。彼は行軍訓練中に、MABIRESと遭遇。片目を潰してダメージを与えている。戸ヶ崎隊員は、MABIRESの放った火球によって傷を負い、それを契機にメサイアへとスカウトされた。

 所がそのMABIRESは、戸ヶ崎隊員が遭遇してから一向に姿を見せない。たったあれだけのダメージで、簡単に引き下がるようなプレデターでは無いと思われる。MABIRESを追い続けて来た我々メサイアは、その高い飛行能力に翻弄され、大きなダメージは与えていない。ただし、ペトリオットミサイルを高射隊が命中させたと言う報告も有る。或いはそれで息絶えたのであろうか? ただ、死体は未だに見付かっていない。我々メサイアとしては、MABIRESの殲滅には失敗していると考えている。そういうスタンスで、これまで作戦を実行して来た。

 そして、Νの存在。あれも未だに保留状態と言ってもおかしく無いだろう。戸ヶ崎隊員は、Νの事を全面的に信頼しているようだが、それはいささか焦り過ぎているように思える。Νは確かに、プレデターしか攻撃しない。その様子は分かるのだ。問題は無いのかもしれない。だが、全てのプレデターが滅びた時、Νは誰の味方をして、誰の敵になるのかは分から無い。Νは単体でプレデターを葬るぐらいの戦闘力を持っている。それがこちらに牙を剥けば、我々に勝ち目は無い。今の内に倒してしまった方が得策ではなかろうか?

 そこで求められるのが新兵器の開発だ。振動ミサイルやエネルギー爆弾は決して効果的な兵器とは言えなくなっている。また、ハリアーMK9の後継機も欲しい所である。メサイアは軍強しなければならない所にまで追い詰められているのだ。その事はここに明記しておきたい。

 明日、何事も無い事を祈る日々が続く。そしてそれ等は簡単に裏切られる。それが、日常になってはいけないと私は思う。

 本郷玲子

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