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プロローグ

本当は出版社に送るためのネタだったのですが

あまりにも厨二すぎる設定だったため送るのをやめた作品です

ただせっかく考えた設定を無下にするのもなんだかなと思い

ここに掲載させていただきました


まあこんな堅苦しい挨拶は置いといて……

まだプロローグのみですが、お楽しみください

眠りから目覚めると、そこはトラックの中だった。エンジン音がやけに耳に残る。

 そんな音の中、彼は立ち上がった。

 「ここはどこだ?」

 ぐらつく足場で彼はそう言った。

 今度は頭の中で考える。ここは、どこだ?

 いや、そもそも。


    自分は、誰だ?


 まったく思い出せない。『ここ』になぜいるのかも、全くわからない。

 

頭に言葉が思い浮かぶ。

 『記憶喪失』

 この言葉の意味を理解することはできる。

 言葉の意味がわかるのに、自分のことがわからない。

 なぜ記憶がないのか? 


自分は何者なのか?

 どこから来たのか?

 わからない。そんな不安を感じながら、彼はトラックが止まるのを待った。

 止まる間に彼は心の中で自問自答を繰り返す。

 なぜここがトラックの中だとわかった?

 貨物自動車特有の大きなエンジン音と振動である程度の推測はできた。


 それがわかるほど記憶を失う前に専門的な知識を身に付けていたのだろうか?

 おそらくそうだ。でなければこんなことわからない……はず。


 ならば……自分は何者だったのか?

 ……わからない

 そう考えてるうちに、トラックは止まったようだった。

 人が近づいてくる気配がして、暗かったこの場所に光が射した。

 

「降りろ」


 逆光で顔は見えないが、恐らく男性であろう人間が、彼に短くそう告げた。

 

「あなたは、いったい……?」

 

この人なら少しくらい自分のことを知っているかもしれない。そんな淡い期待を込めて、男性に質問した。

 

「降りろ」

 

質問には答えず、男性はさっきと同じ言葉を彼に告げた。

 「わかりました」

 質問することを諦め、彼はトラックの中から外へでる。光に目が慣れていないのでぼんやりとしか見えないが、連れてこられた場所はどうやら大きな街のようだった。

 

「ここは……?」


 男性に質問しようとして後ろを振り向くと、トラックはもう出発する準備をしていた。

 

「ちょっと、待ってください!」

 

トラックを呼び止めたが、彼の言葉を無視してトラックはさっさと出発してしまった。

 

「話を聞いてくれても……」

 

 届かない言葉をつぶやき、とりあえず街に入ってみようと足を進めたとき、カサっと足元で紙を踏んだ音がした

 どうやら紙、正確には三枚の紙。にはなにか書かれているらしかった。

     


               ~(ゼロ)へ~

 一枚目の紙には、それだけ書いてあった。

 

 二枚目の紙には、びっしりと文字が並べてあった。そこに書いてあった内容を大きく二つにまとめると。

 記憶を失った自分の名前は零であること。

 

 この大きな街に記憶を失った原因がなんなのかわかるなにかが隠されていて、それを探せということ。

 随分と遠まわしに書かれていたので理解するまで少し時間がかかったが、要はこの二つということだ。

 

 三枚目には、どうにも胡散臭いことが書かれていた。

 零、すなわち自分が特殊な力を持っているということ。

 

 この街にいる、自分と同じように特殊な力をもつ人間とその力を使って『殺し合い』をしてもらうという内容。

 とてもじゃないが、理解しがたかった。

 本当だったとしても、あまりに唐突すぎる。

 記憶は無いが、こんなこと現実には起こらない。それは彼……零にも理解することができた。

 この胡散臭い文章はまだ少し残っているようだった。

 戦いの時間は夜二〇時から日がちょうど変わる零時まで。それ以外の時間に殺し合いをした場合、しかるべき処置を取らせてもらう。

 ……いったい、これはなんなのか?

 記憶喪失といい、さっきのトラックといい、わからないものだらけだ。

 あげくよくわからない紙がわざとらしく落ちている。

 これらに関連性はあるのだろうか?

 ないにしても、それらに何か意味はあったのだろうか?

 どちらにせよ、あの大きな街に行くほか、道はないのだ。零はそう感じ、大きな街へと歩き始めた。

感想等言っていただければ嬉しいです

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