アニバーサリーリング
コチラは恐らく3年前に漫画用に書き下ろした脚本・プロットです!
↓本編どうぞ!
アニバーサリーリング
大きな建物
二人の男に挟まれる男
「ここ……なんだよ?」
男1「ゴミ箱だ」
「は?」
と入り口
男「入れ」
「……く、クッセ」
男1「……早くついてこい」
とゴミの山がたくさん
男1「働け〜働け〜!!
ちゃんと!分別すんだぞぉ!!」
「……」と周りを見ると倒れてる人
「お、おい人が倒れてるぞ」
男「飢えだ……働かないと食事は与えられん」
と近寄って
「……お、おい…ック臭いも相まって吐きそうだ」
男「トイレはない、吐くならそこら辺でしろ」
「お、おい衛生環境どうなんだよココ」
男「知ったものか、お前ら人殺しは此処で死ぬまで働けばいいのだ……」
「ははぁ?」
男「お前らゴミクズはゴミ箱でゴミを分別してればいいんだよ」
「っち!ゴミゴミゴミウルセェなぁ」
男「とっとと!働けっ!」
「ちょ、俺っ初日だぞ!右も左も……」
男「おい……そこ!新人に教えてやれ」
「……」
と近くにやってきた
太った人「ついて来な……」
「……」
太った「……此処ら一体のゴミはお前担当な」
「広くね?」
太った「文句言うな……
用があったら呼べ」
「へっ……わあったよ」
太った「口の聞き方がなってないねぇ〜」
「あぁ……分かりました」
太った「いいかい?此処にいる奴は全員…」
「それはさっき聞いた」
太った「人殺しだ」
「……」
太った「あまり舐め腐ってると痛い目合うぞ」
おじさん「そうかい」
太った「人殺しは変なとこでキレるその事を忘れるな」
「……その理論は俺にも効くぞ?」
とゴミを分別する
「……はぁ?コレなに?プラスチック?
おぉい?ばあさん?」
と辺りを見ると少女が働いてる
「……(あんな小さな女の子も此処に)」
と此処で婆さんが
婆さん「なんだい?早くしてくれ」
「なあ……あの子も人殺し?」
太った「あぁ……リンダか……」
「リンダ?」
と此処で看守「おい!!そこっ!!無駄口叩くな!!働けっ!」
と婆さんが去る
「厳しいねぇ〜」
とゴミを分別する
女の子を見ながら
夜
太った「新人はコレだ」
「あざぁす」
とパンを貰う
「……ってコレだけかよ」
太った
「お前は袋一枚程しか分別してないからな」
「……あぁそ」
っと帰っていく
とその変に座る
「(案外、秩序保ってんだな……
こんな不衛生なとこなら尚更、荒れててもおかしくないと思ったが……)」
と思い出す
「……(セレナ……)」
と此処で太った女
女「おい新人、食べねぇなら寄越しな」
「挙げねぇよ……」
と隣に座る
パンを食べる
「アイツらは夜いねぇのか?」
女「ゴミ箱に昼夜いる訳ないだろ……
此処は夜は監視が付かない
監視カメラも付けられてない」
「……ホェー脱獄するやつとかいねぇの?」
とパン食べる
女「……出入り口には頑丈に施錠されてる
誰も此処から出ようとはしない
もしそんな事する奴がいたら奴らは迷わず殺す」
「ホェー」
女「ふん、やっぱお前舐め腐ってんな」
「……そうか?」
女「態度だよ……初日はそんなもんか
日に日に丸くなってくものだ」
「償いの気持ちか何かでか?」
女「それが一番、2番は」
とパンを食べる
「……」
と歌声が聞こえる
とステージに立つ
周りの人達は手拍子
「昼間の女の子……」
女「リンダ……って言ってね9だ」
「人殺しか?」
女「いいや罪のない子さ此処で産まれただけ」
とリンダを映す
女「彼女が産まれて間も無く母親は死んで
父親は夜更けに自殺した……無責任なもんだ
ゴミに全てを託したんだぜ?」
とパンを食べる
「……お前らが育てたのか」
「ふっ、腐っても人間……
アタシら何十人かが彼女の面倒を見た
彼女を育てる場所の確保……食事諸々ね」
「アイツらは何もしなかったのかよ?」
「あぁ、子を孕んでいたことを黙認していたのは確か……まあ興味なんてないんだろう……
親の罪を子に引き継がせて
此処を死ぬまで働かせる気さ」
「酷い話だ……罪のない子を」
女「それもコレも自業自得って訳だ」
女「たがアタシ達もちゃんと人間だと知覚出来た
生ぬるく聞こえても仕方ないと思ってる
人殺しなんだからな
犯した瞬間から自分は人間じゃない気がしてどうしようもなかったんだ」
「……どうして人殺しを?」
女「……ある所に……子を孕んで
その子を捨てた友人がいてな」
「……なんで捨てたんだ……ソイツは」
女「……醜くて仕方なかったってな」
「イカれてる」
女「その子を私が拾って……
立派に綺麗に育てたんだ」
女「そしたら……ソイツは何十年も経ってやっと愛情を向けやがったんだよ」
「……」
「もう、どうしようもなかった……
行き場のない憤りが沸いて沸いて……
遂に手を掛けたんだ……」
「だとしても……殺すのは違うな」
女「あぁアタシもあの時はどうかしてたんだ
冷静な判断なんてなかった……」
女「……犯した事を悔やんでる……
間違ってるとずっと……悔やんでる
償いなんて出来やしないさ
償うなって許しを乞うなんて出来っこない」
「……その子とリンダ……似てるな」
女「…………あぁ……子に罪はない
産まれたことを恥じないで欲しい……」
女「アタシはあの子を外の世界に連れてってやりたい……こんな腐った場なんかよりずっと輝ける」
「……」
と男は立ち上がる
とステージへ
歌を歌ってる
近づく周りは男を見る
リンダ「……新人さんですか?」
男「あぁ、宜しく」
リンダ「あ、歌、うるさかったですかね」
男「いいや……この場にいる人達全員……
君の声を楽しみにしてるよ」
リンダ「ホントっ!」
とリンダは周りを見る
リンダ「もっと歌っていい?」
男「あぁ」
と男はその場に座って
リンダ「〜♫」
男「……(セレナ……)」
リンダ「♫」
男は顔を振り
男「(考えるなっ!大丈夫!いつか此処を出て!)」
と近くに転がってるゴミのウクレレを見つけ
男「っ……」
リンダ「♫」
と此処でウクレレの音
リンダ「♫?」
ウクレレを沢山引く
リンダ「それ?なに?」
男「ウクレレさ……」
リンダ「ウクレレ?」
男「あぁ、もう少し綺麗な音を出せるけど……
まあ!ウクレレだ」
と此処で女
女「……」
男「世界(外)にはっ!君が思っても想像し得ない音に溢れてる!!君は外に出て!それを確かめる権利がある!」
リンダ「おじさん……」ほわぁとする
男「いいかいっ!外にはこんな音楽がある!」
とウクレレをジャジャンと引く
リンダ「うわぁ〜!!」
女「ふっ……」
と手拍子する
男「さあ……君はこのメロディーに
どんな歌詞を付ける?」
リンダ「っ!!」
歌い出す
歌い終える
リンダ「凄い!おじさん!」
男「だろ?
だが、凄いのは君だ……君は此処の偶像だ」
リンダ「偶像」
男「あぁ、皆んな君に色んなエネルギーを貰ってる……偶像ってのはそう言う人を指すんだ」
リンダはニコニコっとする
とステージを降りて
壁によしかかる
リンダ「叔父さん!叔父さんって!
音楽詳しいの?」
男「……詳しいも何も……俺は
音楽家だから」
リンダ「音楽家?」
男「音楽を作る人の事……君も音楽家だよ」
リンダ「そ、そうなぁんだぁ」
男「……うん」
リンダ「私!外の世界に行きたい……」
男「いけるさ……君には罪もなにも……」
リンダは?とする
男「……」気まずい
男「……」気まずい
リンダ「……おじさん」
男「へ、あ?ん?」
リンダ「……この曲知ってる?」
と囁くような歌声で
男「……それ……子守唄かな」
リンダ「子守唄……?」
男「そう、親が子を寝かしつける時に歌うんだ」
と笑顔になる
リンダ「やっぱり……」
男「ん?」
リンダ「この曲……ずーと覚えてる!
お母さん歌ってくれてたんだ!」
男はニコッとする
男「……あぁそうだな」と目をしょぼしぼさせる
天井映す
女「……新人!リンダぁ……」
と女は二人が寝ているのを見つける
女「……はぁ」
と
セリナ「アナタの音楽は……人を優しく包み込む良い……音楽」
「……絶対!絶対!助けるからっ!」
「おじさん……おじさん
おじさん!!」
と目が覚める
おじさん「……んへ?」
リンダ「早くこっち!」
と上からゴミが落ちてくるのを確認して
急いで移動
おじさん「う!うおぉ!あ、あぶなぁ!」
リンダ「よかったぁ」
おじさん「な、なんだよコレ」
リンダ「新しいゴミだよ」ニコッとする
おじさん「……」と周りを見ると
昨日綺麗にした所がゴミの山に
おじさん「……(っ!)」
女「やっと起きたか……早く働け……
アイツらが来る時に寝てる奴は罰せられるぞ」
おじさん「おい!なんなんだよ!コレっ!
昨日っ!やっと!綺麗にしたとこが」
女「……アタシらは死ぬまで此処で働くんだ」
とおじさん
おじさん「…………」
女「……リンダ、新人と同じ区域をやり」
リンダ「はぁーい!」
と言って
リンダ「おじさん!こっちこっち!」
おじさん「あ、あぁ」
とただぴろくデカい山
おじさん「……広くね?」
リンダ「そう?」
と袋に分別する
おじさん「……(リンダは産まれてからずっと此処から出たことがない……
彼女にとってはコレが日常か……)」
リンダはキラキラ光るゴミを見つけ
リンダ「ねぇねぇ!おじさん!コレなに?」
おじさん「ん?指輪……かな」
リンダ「指輪?」
おじさん「そっ……指に付けるんだ」
と此処で思い出す
セリナ「……アナタがそんな人だなんて……」
と指輪を机に
おじさん「……」
リンダ「おぉ!オシャレだ!」と指に付ける
おじさん「そうだな……」
リンダ「でも、分別しなきゃ」
と指輪を取り外し袋に入れようとするが
おじさん「……リンダ」
リンダ「んん?」
おじさん「指輪には付ける指によって
意味が変わるんだほら左の親指に付けてご覧」
リンダ「親指に付けたらどんな意味になるの?」
おじさん「……それは」
と此処で門が開く
リンダ「っ……キタ」
おじさん「……」怒る
「働け!!働け!!寝てる奴は!!
鞭打ちだぁ!!」
リンダ「おじさん?」
と此処で看守に向かって
看守「おい!お前は!新人だな!働け!」
おじさん「っ!」
リンダ「おじさん?」
女「……」
看守「そうか!罰が欲しいみたいだ!」
おじさんは土下座をして
「リンダを!外の世界に出ていかせてください」
看守「ふん……人殺しの子の事か?」
おじさん「……リンダに罪はない」
看守「いいか?ゴミから生まれる物はゴミ
そのまた生まれる物もゴミだ!!
犯した瞬間からテメェらはゴミなんだよ
自業自得!子に罪はない?笑止千万っ!!」
リンダはその姿を見る
看守「新人よ悪く思うな憎むなら自分自身だ」
と鞭を打とうとする
リンダ「まあ!!って!!」
母「……リンダ」
リンダ「もう!やめてっ!」
看守「……おいおい……子守役は誰だ?
泣いてるぞ?」
おじさんは立ち上がり
おじさん「……」とリンダに近寄る
看守「さぁ!わかったら!!働け!!」
と二人は一緒に同じ場所で分別する
おじさん「……安心してくれリンダ」
リンダ「……」
おじさん「絶対に外の世界に行こう」
リンダは涙をチョロ流す
夜
パン持ってリンダに近寄る
リンダ「……おじさん」
おじさん「おお、今日は袋2枚で!
パンと牛乳貰ったぜリンダは?」
リンダ「シチューと牛乳……」
おじさん「おお、それはいいな!3枚でシチューか……」
と半分パン割って
リンダ「ん?」
おじさん「パンにシチュー付けると美味いぞ」
リンダ「そうなの?」
とパンちぎってシチューに入れて
口に
リンダ「お美味しい!」
おじさん「……うん……」
と親指に付けてる指輪を見る
おじさん「……」
おじさん「リンダ?俺が此処にいる理由……
知りたいか?」
リンダ「ううん全然……」
おじさんは笑う
おじさん「そうか……」
リンダ「おじさん悪い人じゃない……
皆んな……悪い人じゃないよ……
だから……」
おじさん「ううん、皆んな悪い人だ」
リンダ「でも私に優しいよ……」
おじさん「それは君が皆んなの偶像だからさ」
リンダ「……そうなの?」
おじさん「大きな声で歌って踊っても誰も怒らないだろ?」
リンダ「うん……」
おじさん「そういうこと……」
リンダ「……」シチューを見て
リンダ「……話して欲しいなおじさんのこと」
おじさんを見る
おじさん「……」
リンダ「皆んな悪い人かもしれないけど
それでもやっぱり私は知りたくなったかな」
おじさん「……そうかい、それで誰か嫌いになったりはしないかい?」
リンダ「ううん……しない……
絶対しない……」
おじさん「……そうか……
俺は、どうしようもない事をしたんだ」
リンダ「人を……殺した……?」
おじさん「……そう……
音楽を馬鹿にされた上、俺の大切な人を傷つけた」
リンダ「……そうなんだ……」
リンダ「でも!でも!おじさんは!悪くない!
音楽を馬鹿にしておじさんの大切な人を傷つけた人が悪いって!」
おじさん「……優しいなリンダは……
でも、いくら相手が悪くても暴挙で全てを解決しようとするのは間違ってる……」
リンダ「……」
おじさん「殺してしまった人にも大切な人が居て大切な考えがあって人生があった……
俺はそれを終わらせてしまったんだ……
どんなに悪くても、抑えないといけない時は
この世界には沢山あるんだ」
おじさん「……」
リンダ「やっぱ、外の世界怖い……」
おじさん「怖がらないで欲しい……
君はそんなにも優しい心を持ってるんだ
こう言う世界の常識、人の常識を知って……
君に育ってほしい」
リンダ「……でも、怖いものは怖いよ……」
おじさん「そう言う時は……心の中にずっと
残ってるものを思い出すといいさ……」
リンダ「子守唄かな……?」
おじさん「……」ニコッする
リンダ「おじさんは……怖い時何思い出してるの?」
指輪を見て
おじさん「大切な人さ……」
リンダ「大切な人?」
おじさん「あぁ
その人は君が付けてる様な…指輪をあげたんだ
心の底から大切に思ってた人だ」
リンダ「良い人なのる」
おじさん「あぁ俺の音楽を好きと言って
俺を愛してくれたんだ……優しくて誠実な人」
リンダは自分の指見て
リンダ「何指に付けたの?私と同じ親指?」
ニコニコ
おじさん「……さあ何指だろうな」ニコッとする
リンダ「……もう一回会いたい?」
おじさん「……そりゃな」
リンダ「じゃあ……一緒に外の世界に行って会いに行こっ!」
おじさん「……どうして……俺と」
リンダ「楽しそうじゃん!」ニコニコ
とあくびをする
リンダ「眠たくなっちゃった……今日、歌えないけど……皆んな許してくれるかな」
おじさん「大丈夫……誰も怒らないよ」
と母が歌っていた子守唄を歌う
リンダ「……」ウトウトする
すると
おじさん「婆さん……」
と周りが集まってくる
女「アタシラも我慢の限界だ
今朝のあの荒れ様には流石に耐えきれん」
おじさん「……」
リンダはニコニコ寝てる
女「明日、アタシらは暴挙を起こす……
その内にリンダを逃す」
おじさん「……暴挙はダメだ」
女「止めんなよ……
言ったろ人殺しは変なとこでキレるんだよ」
おじさん「……馬鹿げてる……」
女「いいさ……コレで」
おじさん「……」
おじさん「いいや、俺が許さない……絶対に」
女「ん……」
おじさん「暴挙で全て乗り越えてはダメだ
アンタらなんかは特にな……」
女「……」
おじさん「話し合いだ……
…いけるはずなんだ」
女「……どうやってだ」
おじさん「っ……」
女「何か良い手があるのか?」
「……」ウクレレを持って
「安心しろ……俺とリンダは」リンダ映す
「音楽家だ……」
朝 外 看守がやってくる
リンダ「……私……なにも出来てない
育ててもらった事も……夜、歌ったり踊ったりしても許してくれた事も……」
リンダ「私っ、私っ!何も……恩返し出来てない!昨日の夜だって!歌えなかった……」
おじさん「いつか……このゴミ箱まで届く音楽を……届けてくれ」
リンダ「え……」とステージ上で泣いて
すると温かい顔の皆んな
おじさん「それに元気に生きている事が
きっと皆んなにとって恩返しだと思う……」
リンダ「……」
おじさん「……」
ウクレレを引いて
おじさん「じゃあ……最高の歌と踊り……
皆んなに魅せてあげよう」
リンダは涙目を拭き取って
リンダ「うん!、」
と門が開く
看守「騒がしいな」
門が開く
とそこは大合唱
看守「……なんだコレは」
と歩いていく
リンダが看守を指差して
リンダ「私は!自由!産まれた時から!
皆んなそう!私っ!外の世界に行きたい!!」
看守「…………どうやら、罪の意識が全体的に薄れてる様だな」
おじさん「……いいや、コレは訴えだ
平和的に事を済ませるんだ」
看守「……ほう」
と銃火器を携えて」
おじさん「……」
おじさん「……」
看守「……」
看守「おい……知ってるか?
そこの女は人殺し!そこの男も人殺し!!
お前はっー両親揃って人殺しっ!!
此処にいる奴らは全員犯罪者だ!
人間の皮を被った!!化物だ!
誰がっ!化物を信じる?」
おじさん「……子供に罪はない……」
看守「いいや化物の血が混じってるからな」
と打つ合図を出す
おじさん「俺達がしたいのは平和的だ
実際、俺達は武器も持ってない」
と手を挙げ
おじさん「……抵抗もしていない」
看守「……」
おじさん「此処で引き金を引く事に……
何の意味があるって言うんだ」
と此処で犯罪者らが
女「リンダは罪のない子だ……
この通りだ、外の世界に出してあげて下さい」
と頭を下げると皆んな頭を下げる
看守「…………」
看守「……残念だがな罪は消えないんだ
末代の末の末までその罪は消えない……
誰もこの外に出すつもりはない」
「俺達が全部の責任を背負う」
看守「はぁ?」
「……お願いします」
「お願いします……」
「お願いします」
看守「……」
看守「……っち!」
看守「ゴミに助けられたな……来いっ!」
とリンダが呼ばれる
おじさん「……」ニコッとする
看守「……さっさと!来いっ」
リンダ「おじさん……」
とリンダは急いでおじさんの所へ
おじさん「……」
リンダ「みんなも……」
女らは笑顔で迎える「良いんだよ……」
おじさん「もし……リンダ」
リンダ「なに?」
おじさん「もし……無事に此処から出れたら
セレナと言う人を探せ」
リンダ「セレナ……さん?」
おじさん「あぁ、俺の大切な人だ……
君と同じ様な指輪……を渡した人だ」
リンダは指輪を見る
おじさん「綺麗な茶髪に……整った目鼻の大人の女性だ……」
リンダ「うん……」
おじさん「出逢えたら話かけて見て欲しい…」
リンダ「……」
おじさん「きっと……助けてくれる……
あの人は優しい人だから」
リンダ「……うん、分かった」涙を出す
おじさん「もう行かないとな…」
リンダ「嫌だよ…………おじさんと一緒に!」
おじさん「俺は人殺しだ」
リンダ「それでも……」涙を出す
リンダ「おじさんとか皆んなと別れるの……寂しい……よ」
おじさん「……」
と周りが集まって
とリンダは指輪を外して
おじさんの薬指に
おじさん「……ん」
リンダ「大切な人に……あげるんでしょ?
お返しっ!」
おじさん「……あ、あぁまあ……」
リンダ「あっ!そうだっ薬指に指輪付けると
どう言う意味になるの?」
おじさん「……あ……えと」
リンダ「あっ!やっぱ良い!私っ!外の世界に行ったら!お勉強するからっ!」
おじさんはニコッとする
と看守の元へ
リンダ「……行ってきます」
と門を潜る 皆んなは手を振る
遠ざかるリンダ
おじさん「いってらっしゃい……リンダ」
女は肩に手をやり
女「……」
おじさん「大丈夫……だよな」
女「あの子は良い子で強い子だ……
きっと元気に生きるさ……
ハッ!ゴミ箱まで聞こえる
音楽を作る音楽家になってるだろっ!」
おじさん「あぁ…」
と小指写して指輪
2日後
リンダはボロボロの服で街を歩く
力果てて路肩にもたれこむ
リンダ「……お腹空いたなぁ……」グゥ〜
リンダ「……」今にも力尽きる時
「母親の子守唄を歌う……」
リンダ「……私は音楽家……」
と次におじさんから教えてもらった曲を小声で
と此処で足を止めた
リンダ「……」
セレナ「…………だ、大丈夫!」
リンダ「……お腹……空いた」
セレナ「あぁ!わ、分かったわ!
ええとええとっ!」
セレナ「あっ!そうだっ!私の家ち、近くだからっ!そこでっ!ご飯を持てなします!」
リンダ「ホント……ですか……」
セレナ「はいっ!クリームシチューを作っていたはずですっ!」
リンダ「……それには……パン付ける?」
セレナ「……」ニコッとして
セレナ「はいっ!」
リンダ「……」ニコッとする
とセレナの指を写して小指に指輪を見せる
セレナ「あ!立てますか?
待って下さい!い、今っ!おんぶします!」
と家
シチューとパンが出され
セレナ「どうぞっ召し上がれ」笑顔
リンダ「……ありがとうございます」笑顔
とパンを千切ってシチューへ
口へ
リンダ「……」
おじさんを思い出す
リンダは涙を出す
リンダ「美味しい……美味しいです」
セレナ「色んなことがあったのね……大丈夫よ」
と背中を摩る
リンダ「ホントにありがとうございます」
セレナ「いいえ……」
リンダはシチューを食べる
リンダ「あ、あの……お名前は?」
セレナ「わたしはセレナよ……アナタは?」
リンダは笑顔になる
リンダ「私っリンダです」
セレナ「リンダちゃんね……リンダちゃんはコレからどうするの?」
リンダ「私……」
セレナ「……うん」
セレナの指輪を見る
リンダ「私帰るところ……なくて」
セレナ「……」
リンダ「セレナさん!暫く!寝泊まりさせてください!」
セレナ「……」
笑顔になる
セレナ「ええ良いわよ」
リンダ「私っ!色んなぁ!人に届く音楽を作る!!音楽家にっ!!なって!!
音楽で救われて欲しいんです……
それが私の夢です……なので……」
と指輪を見る
セレナ「うん……」
とセレナは机に転がってる指輪を見る
セレナ「……アハハ」
リンダ「……?」
セレナ「そんな大きな夢言う人をさ
一人知っててさ……その人のこと思い出した」
指輪を摩る
リンダ「……その人って」
セレナ「彼の音楽好きだったな私……
優しく包み込む様で……」
リンダ「その指輪はその人から?」
セレナ「えぇ……大切な彼から貰ったの」
セレナ「でも彼は絶対にしちゃいけない事をして……もう私の元には帰らない……」
リンダ「……」
セレナ「彼は……真っ直ぐで優しくて……
人一倍音楽が好きで……私を信じてくれて
……それを傷つけられた彼の気持ちを想像すると胸が切なくなる……」
リンダ「……」
セレナは笑顔になって
セレナ「罪は決して消えない……」
セレナ「……」
と此処で机にあった指輪
セレナ「コレは彼がくれた大切な大切な物!
絶対に他の人には渡せなくて渡せちゃダメな物
だけど!彼と同じ夢を持ったアナタがコレを持っていて欲しい……」
リンダ「……え」
セレナはニコニコとする
セレナ「あっ、嫌だったら良いからね!
私が勝手に言っただけだし!」
とリンダは
リンダ「ううん!私っ!頑張ります!」
セレナ「……あら」
と此処でセレナは親指に
セレナ「右手の親指に指輪を付けるとね」
「目標や願いを叶えるって意味になるんだ」
だから
リンダは親指に指輪
セレナ「うん……」
リンダ「ありがとうございます!
大切な物を……アタシにくれて」
セレナ「ううん……」
とセレナは
セレナ「あっ!リンダちゃん!シチューまだあるよ!食べる?」
リンダ「え?まだシチュー有るんですか?」
セレナ「ええっ」
リンダ「お願いしますっ!」
読んで下さりありがとうございました!
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