ピクニックとピピロッテ
雪の降る国ノバアルビオンの大きな港があるオルサポルタ。雪もとっくに溶けて春も麗らかポカポカ陽気。
勉強とハンカチを畳む仕事を終え、お昼ご飯もしっかり食べたピピロッテ。
そんなある日の午後、神出鬼没で大好きなアナスタシアが現れた。
明日、ピクニックをしましょう!と素敵なお誘いである。
ピピロッテはピクニックが何かわからない。
「ピクニックって何ですの?」との質問に
「お外でブランケットを敷いてご飯を食べるのよ!」とアナスタシアが元気に答える。
「明日、お昼ご飯は食べずに来てね!ピッピはブランケットを持ってお城の裏にあるロッホで待ち合わせよ!」
「ロッホってあの泉のこと?」
「ええ!そうよ!あそこロッホって言うんですって」
そんな話をしながら今日もブランコに乗り、踊り、歌い、花を摘んで遊んだ。
別れ際にもう一度アナスタシアから明日ブランケット忘れないでね!と言われ別れた。
翌日、お腹をグーグー鳴らしながらブランケットを抱えてロッホにきたピピロッテ。
お待たせー!と元気な声に振り向けばアナスタシアが四角い籠のバスケットを持って現れた。
早速、ブランケットを敷いたらピクニックの始まりです。バスケットの中からスモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチ、ブルーベリーのカスタードパイとチーズの塊が2つ、そして小さな小瓶に入った液体。
お腹が空いた2人は早速サンドイッチを頂きます。
小さな小瓶が気になるピピロッテにアナスタシアはリンゴジュースとは言わず、「飲むと幸せな気分になる魔法の飲み物よ!!」なんて言っちゃって。
ピピロッテは飲んだら甘くてとっても美味しのでこの魔法の飲み物が大好きになってしまったのでした。
「魔法の飲み物だからちょっとしかないの」なんて得意げに話すアナスタシアにまんまと騙されるピピロッテ。
だって、魔法ってあるんですもの。そう信じているピピロッテには間違いなくこの時間は幸せで。
美味しいねって言い合いながらバスケットの食べ物を全て食べきって、ちょっとおねむになったのでブランケットに2人で寝転がりながらお花を眺めたりポカポカ陽気を微睡みます。
ロッホのお水がポチャンと跳ねて、妖精かしら?いやいや、精霊かもよ!とお魚なんて考えずメルヘンな妄想を楽しむ2人なのでした。
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