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ピピロッテ、りんご狩りに行く

 雪の降る国ノバアルビオンにある大きな大きな港があるオルサポルタにも森の木々が赤や黄色とカラフルになり、紅葉した木々から葉がヒラヒラと舞い散る秋の季節がやってきた。


澄み切った青空の下、広がるリンゴ園には甘い香りが満ちている。

そこには、太陽の光を浴びて輝くような、赤い髪の三つ編みが元気にピーンと伸びたピピロッテとアナスタシアの二人がいた。



「わぁ、りんごがいっぱい!」


ピピロッテは、大きな目を輝かせながら、色とりどりのリンゴを見上げる。赤いリンゴ、黄色のリンゴ、緑のリンゴ。まるで宝石箱のようにキラキラと輝いている。


「どれにしよっかな?」


アナスタシアも、たくさんのリンゴの中から、自分の好きなリンゴを探している。


「この赤いリンゴ、美味しそう!」


ピピロッテが手にしたのは、真っ赤なシュガークリスプ。太陽の光を浴びて、蜜がたくさん入ってっている。

「私はこっちのリンゴがいい!ピッピのリンゴとは違う種類なの?」

大人達にリンゴについて質問をしているアナスタシアを他所にピピロッテは早くリンゴを噛りたくて仕方がない。




アナスタシアが選んだのは、マットンキュシュというらしい。



どちらも子供の手に収まる可愛いサイズのりんごでピピロッテ達にも扱いやすい。



アナスタシアに「服で擦るとピカピカになるって聞いたわ!やってみましょ!」と教えてもらいエプロンで磨いてみると艶々になった。




「このリンゴ、甘くて美味しいわ!」


ピピロッテは、を一口食べると、目を丸くして言った。


「うん、私のも!シャキシャキして美味しい!」


アナスタシアも、マットンキュシュを頬張って、笑顔を見せる。


 二人は、夢中になってリンゴを摘み取り、かごがいっぱいになった。


「たくさん摘んだね!」


「この後、リンゴのお菓子を作ってくれるそうよ!」


アナスタシアは、おやつが楽しみで仕方がないらしい。


「ええ!楽しみです!またリンゴ狩りにも、連れてきてくれるんですって!」


アナスタシアも、笑顔で答えた。


まだ日が高い空の下、二人は手をつないで、リンゴ園を後にした。







「これでおやつを作りましょうね。」と


大人たちは、摘み取ったリンゴを使って、いろいろな種類のリンゴのおやつを作るところを仲良く大人しく見学する約束で厨房に椅子を用意して見せてくれる事になった。


リンゴのパイ、リンゴのタルト、リンゴのジャム。


ピピロッテとアナスタシアは、大人たちの作業を大人しく見学しながら、わくわくした気持ちで出来上がりを待つ。


「わぁ、美味しそう!」


オーブンから出てきたリンゴのパイは、こんがりと焼きあがっていて、部屋中に甘い香りが広がる。


「いただきまーす!」


二人は、熱々のリンゴのパイを一口食べると、幸せそうに目を閉じた。


「美味しい!」


ピピロッテとアナスタシアは、夢中でリンゴのパイを食べる。


「リンゴのジャムも美味しいね!」


アナスタシアは、バゲットにたっぷりのリンゴのジャムを塗って、幸せそうに頬張る。


「ええ、全部美味しいですわ!」


ピピロッテも、リンゴのタルトを一口食べると、満足そうに頷いた。


二人は、お腹いっぱいリンゴのおやつを食べ、楽しい時間を過ごした。



アナスタシアがリンゴバターを作って欲しいと料理長に相談していて、それも美味しそうだな。と思うピピロッテ。



今日はりんごには種類があること、それぞれ特徴や味や食感が違うこと、お料理やお菓子に使うときにも味などに違いがあることを教えて貰ってりんご博士になった気分である。




こっそり、秘密のポケットに入れたりんごはお母様に渡しましょ!とムフムフしていると

「他にも色々と狩りに行こうね!」とアナスタシアに言われて今から楽しみで仕方がない。


最後にお土産のパイとジャムを貰って帰るのでした。



秋の恵みがたくさん溢れるオルサポルタのある日の出来事。






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