幼き日のピピロッテ
ピピロッテは、とある雪国の中にある大きな港町の近くに住んでいる。
くるくるとカールした赤毛に、ちょこんと乗ったそばかすとはにかんだ笑顔がキュートな4歳の女の子。
お気に入りで毎日着ているお母様とお揃いのワンピースエプロンは、大きなポケットがいくつもついていて、宝物がいっぱい。
そして、トレードマークのぴんとした三つ編みが特長。
少し大人しめだかしっかりものの女の子で、いつもニコニコしている。
ピピロッテの毎日を彩るのは、親友のアナスタシア。アナスタシアは突拍子もないアイデアに、いつも驚かせられている。でも、それが凄くすごーく楽しい。
そして、皆のお姫さまのアナスタシアのキラキラの髪が羨ましくていつもブラッシングをしてあげるのが日課となっている。
いつかはお母様のようにアナスタシアのお母様のドレスを選んだり、髪の毛をセットしたりするお仕事をアナスタシアにもしてあげたいと密かに思っていたりしている。
ある日の午後、二人はいつものように裏庭で遊んでいた。「ねぇ、見て見て!この石、宝石みたい!」
二人は、その石を使って、魔法の物語を作り始めた。アナスタシアは、魔法の杖に見立てて、空想の世界を創造していく。「この石で、お花を咲かせよう!」そう言うと、彼女は石を地面に突き刺し、くるくると回った。すると、あたり一面にカラフルな花が咲き乱れたように見えた。「わあ、すごい!」ピピロッテは目を輝かせる。
二人は、一日中、その石を使って様々な遊びをした。石は、宝箱になったり、魔法の鏡になったり、時には、魔法の武器になったり。二人の想像力には、終わりがない。
日が暮れ始めると、二人はブランコに揺られながら、今日の出来事を話した。「ピピロッテ、私、大きくなったら世界中を旅したいな!」アナスタシアは、キラキラした目でそう言った。「うん、あなたと一緒なら、どこへだってついて行くわ!」そう答えて笑顔を向けた。
二人は、これからもずっと一緒に、たくさんの楽しい思い出を作っていくことだろう。赤毛のピピロッテと、アナスタシアの2人で夕暮れの中そんな話をしていた。
まさか、まさか、本当に大人になったら旅に付いて行ってこんなに大変な思いをするなんて思いもしない幼き日のピピロッテ。
とっても夢溢れ希望に満ちたある日の出来事。