第6話 アスモダイ
ドゴォーン!!
その爆発音のような轟音と共に、私は生きていた。
目を開けるとそこには見知らぬ天使が悪魔の蹴りを片手で防いでいた。
見知らぬ天使「大丈夫か!!」
レイカ「は、はい!」
私の無事を確認するとその天使は悪魔の足を持ち上げ一気に叩きつけた。
レイカ「一撃...」
その天使の強さに見惚れていると、天使が私に向かい話し始めた。
見知らぬ天使「俺はアスモダイ、お前やアブディエルを援護しに来た!」
やっと援軍が来た事に安堵する。
レイカ「ありがとうございます!」
私がお礼を告げると少し笑顔になったアスモダイは真剣な眼差しで私を見た。
アスモダイ「そうか…お前は憑代に選ばれた者か、我々の都合で突然こんな場所に呼んでしまって申し訳ない」
私は驚いた、こんな事を言われると思わなかったので、目を見開いて固まってしまった。
しばらくすると、アスモダイは悪魔侯爵と闘うアブディエルを見た。
アスモダイ「悪魔侯爵か…奴ら本気で聖地を潰しに来たな」
アスモダイ「お前は私が責任を持って守ろう。
第十二天!護衛をしろ!」
その合図と共に私の周りを大量の天使が囲った。
レイカ「ええぇぇぇ!?」
突然出てくるたくさんの天使に驚いてしまう。
そして第十二天と呼ばれる天使の集団は、私の周りに居た悪魔を次々と殺していった。
特に2体の天使の強さは目を見張る。剣を持つ天使と魔法を操る天使だ。
剣の天使は凄まじいパワーで相手を叩き切っている
多分さっき私が殺されかけた悪魔よりずっと強いだろう。
魔法の天使は鏡のようなものを何個も浮遊させ、ビームを出していた。
レイカ「凄い…」
闘いを見て、私がどれだけ小さな存在か、天使がどれだけ強いのか頭に刻まれるような感覚だ
そうしていると上から轟音が響いた。
レイカ「……!?」
上を見上げると、アブディエルとアスモダイが悪魔侯爵と呼ばれる悪魔と激闘を繰り広げている。
正直目で追うことも精一杯だ。
悪魔侯爵「…様の命令……お前達……アイツ……」
何か話しているが、高すぎてほとんど聞こえない。
ただお互いに何か大事な事を話しているのは確かだ
アスモダイとアブディエルは構えると、悪魔侯爵とさらに戦闘を始めた。
悪魔侯爵とアスモダイが互角の戦いをしている。アブディエルは戦う傍、何かエネルギーを溜めているように見える。
アブディエル「アスモダイ!!」
アスモダイ「おう!」
アブディエルの合図と共にアスモダイが全身を光らせた。
レイカ「え、何!?」
突然の光るアスモダイに驚いてしまう。まるて血管が発光しているかのようだ。
悪魔侯爵「これは…マズイな!!」
咄嗟に逃げようとする悪魔侯爵
アブディエル「させるか!アスモダイ、やるよ!」
その瞬間、アブディエルとアスモダイの間にとてつもない、エネルギーが誕生した。
アブディエル・アスモダイ
「グランドネビュラ!」
そう発した瞬間、凄まじい轟音と赤青の光が舞い上がった。
目を開けるとそこには悪魔の姿がなかった。
アブディエル「……うしっ!」
アブディエルがニッコリ笑った。
それ見て、私達が勝ったんだと心の底から思えた。
レイカ「やった……!」
極度の緊張から解けた私は、倒れ込むようにして意識を無くした。