政府との接触
桃葉の方へとやってきた日本政府からの要請を受け、僕は頼もしい彼女と共に首相官邸へと足を踏み入れていた。
「……お、おぉ?」
僕は自分のコミュ障具合を正しく理解している。
今回もまた、まともに会話できることなく終わると思っていたのだが……日本政府はしっかりとコミュ障対策をしてくれているようだった。
「……んんっ」
僕が通されたのは一つの小さな部屋。
そこでチャットアプリを用いて連絡を取るように言われたのだ。
確かに、これなら僕がどもって何も言えなくなるような状況にはならなくなるだろう。
「えっと……何送ればいいかな?」
部屋で独りぼっち。
政府の方から渡されたスマホを手に持つ僕はここで何をすればいいのかわからず首をかしげる……何から、送ればいいのだろうか?
これは、相手を待つべきなのか。
それともこちらからアクションを起こすべきか。
確かにチャットアプリなら対面よりはマシになるかもしれないが、陰キャの場合はインターネットのチャットで会話することも、相手もいないために何をすればいいのか普通にわからないのである。
『今日は誘ってくれて本当にうれしいナ。日本政府の皆さんもきっと忙しいよネ。あまり無理せずゆっくり、身体休めてね(笑)それで今日、僕への用事ってなんなのカナ?( ̄ー ̄?)あんまり難しくないのだと助かるカナー、ナンチャッテ』
これで完ぺきっと。
一生懸命頑張って書いた文章を僕はとりあえず向こう側に送ってみる。
やっぱり、自分から動くべきだよね。こういうのは。
そう思って僕は送信したわけであるが……。
『えっ?何そのきもい文面』
返ってきたのは結構辛辣な言葉であった。
返信相手は桃葉だろう。
桃葉は向こうの方にいるんだね。
「あっ、はい」
精一杯、丹精込めて書いた文章。
それをキモイの一言で処断された僕は……なんかきもいってなんだよぉ。
「うぅ……」
もう静かに黙っておこう。
僕は何かを送るのは諦めて静かに待つのだった。




