百合
「ちょっとだけ再生回数が落ち込んできた」
自分がやっている配信活動。
その数値をアプリで振り返っていた僕は現状に不満を抱き、頬を膨らませる。
「……高校でちょっと配信をサボり気味だったのは僕だけど。僕だけどさ」
ここ最近の同接数と再生回数は当初に比べて落ち込み気味であった。
原因はまぁ、わかる。
単純に僕があまり配信できていないからだ……いや、それでも僕の視聴者には自分を見続けてほしい。
ずっと同じ自分を、僕だけを見続けてほしい。
僕の承認欲求を……僕を見てほしい。僕を感じてほしい。僕を認めてほしい……もっと、もっと、もっと。
「……何を見ているの?」
そんなことを考えていた僕の元に、桃葉が近づいてくる。
「あぁ、それを見ているのね。どんな感じ?」
「……下がり散らかしている」
僕は桃葉の言葉へと不満げに返す。
「……そんな下がっていないけどね?ふつうに国内トップクラスの成績を残しているわよ?」
「……以前までの僕はクラスじゃなくてトップだった。でも、いつの間にか一週間の再生回数がほかの人よりも劣っていた」
「いや、あの人はショートとかも活用しているし」
「……同接数もトップじゃなくなった」
「正直それはちょっと仕方ない気も……」
「足りないっ!」
僕は不満げに声を上げる。
「うーん、すっごい強欲」
そんな僕に対して、桃葉は若干呆れた様子も見せながら僕へと告げる。
「じゃあ、さ」
「んっ?」
「私と一緒に百合配信……カップルチャンネルのようなことしない?」
「えっ?なんで……?」
「……っ」
あまりにも唐突すぎる桃葉の提案。
それに僕は首をかしげる。
「え、えっとね……」
「うん」
「カップルチャンネルって今、すっごく伸びているんだよね」
「そう、なの?」
「そうだよ……普段、咲良ちゃんがいつも配信しているあのアプリ、配信以外にも様々な動画が投稿されているからね。今はちょうど、カップルチャンネルが需要としてすごい伸びているんだ」
「へぇー、そうなんだ」
僕は桃葉の言葉に頷く。
あのアプリ内でも流行り廃りってあるのだな……いや、そりゃまぁ、あるか。
「それでね?百合営業。女の子たち二人が楽し気にしているのってこれもまたかなりの需要があるのよ」
「ふんふん、なるほど?」
「互いに伸びるカップルチャンネルと百合の融合。それはまさしく最強。つまり、百合カップルは伸びるっ!これが世界の真理なんだよっ!」
「百合は、伸びるっ!?」
僕は桃葉の言葉に強い衝撃を受けると共に声を大きくするのだった。
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