体育
キツイ、キツイ、着替えの時間であった。
あれは本当に多くの負荷を僕へと与えたと言えるだろう。
「……ふうー」
だが、何とか僕は着替えを終えることができた。
「体育かぁ」
今日の授業でやるのはバスケ。
ルールがてんでわからないこと以外は特に問題ないだろう。
早速と言わんばかりに試合に参加させられている僕は辺りを見渡しながらとりあえずコートの中を走る……とりあえず、バンバンやってあのゴールに決めればいいのかな?
「はい、咲良ちゃん!」
「……っ!?」
そんなことを考えながら、特に何かするわけでもなく走っていた僕へと環奈さんの方からボールが飛んでくる。
「え、えっと……ゴール」
僕は周りの人がしていたようにボールに地面をたたきつけながら行動を開始。
「いかせないわよっ!」
進みだした僕の前に一人の女子生徒が立ちふさがってくる。
「しちゅっ!?」
……噛んだ。失礼しますって言いたかったのに。
「うそっ!?」
噛んでしまった僕は頬を赤らめながらも自分の前に立ちふさがった人を軽く抜き去ってどんどん先へ先へと進んでいく。
「よっ!」
投げるのは怖かったので確実に。
ゴール前に立った僕はその場でジャンプ。
確実に入るよう、ゴールへとボールをたたきつける。
「よし……っ、入った」
ゴールのふちを掴んでいた僕は満足げに頷きながら手を放して地面へと足をつける。
これで点数が入ったはず……あ、足を引っ張るような真似だけはぁ。
「「「おぉぉ!!!」」」
足だけは引っ張りたくない。
その一心だった僕は、急に他方から上がってきた歓声に本気でビビる。
「すっご……!そんなに華麗な感じで動けるんだっ!」
「動きがすっごいはやい!全然ついていけなかったよ!」
「かっこよ!」
「あわわっ!?」
「ば、バスケ部なのに簡単に抜かれた……!」
そんな僕の元にクラスメートたちがどんどんと寄ってくる。
「まぁ、私たち冒険者は他人と比べて圧倒的に身体能力が高いからね。そのうえ咲良ちゃんのコントロールは飛びぬけていているから……私だったらゴールの方を壊しちゃいそう」
それを前にあわあわしている僕を前にして桃葉が近寄ってきてくれる。
「おぉー!そうなんだ!」
「すっごいのだねぇー」
「すごぉー」
最初は慌てて、でも今は桃葉のおかげで落ち着いた。
ゆえにわかる。
僕が褒められている。
「え、えへへ……それほどでもぉ」
その事実を受け入れた僕はだらしなく表情を崩しながら笑みを浮かべる。
「でも、とりあえず君はもう参加しちゃだめだよ?無双しちゃうから」
「……はい」
そして、有頂天になった僕は桃葉にたしなめられるのだった。
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