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3 お年寄りの眉毛のような打球 4 手荒過ぎる祝福
俺のバットが真芯でそのボールを捕らえた!
そしてその打球はセンターバックスクリーンに向かってグングン伸びていく!
伸びる!
伸びる!
まだ伸びる!
まるでお年寄りの眉毛!
それはともかく、
俺の打った打球はそのままバックスクリーンにスタンドイン!
サヨナラ満塁ホームラン!
そしてこの瞬間、ウチのチームの甲子園出場が決まった!
4 手荒過ぎる祝福
「ワァアアアアッ!」
騒然となる客席。
その歓声の中、俺は悠然とダイヤモンドを一周した。
そしてホームベースにはチームメイト達が待っていて、
俺がホームベースを踏むと同時に、手洗い祝福をお見舞いしてきた。
バキッ!ドカ!
ボコ!グシャ!
ガスン!バキュンバキュン!
ブッシャアアッ!
グサグサグサ!バッサァッ!
ちょっと手荒すぎると思えるのは気のせいやろうか。
まあともかく俺は、何故か血だらけになった体を引きずりながら、
一塁ベンチへと向かった。
ベンチの前には伊代美が瞳を潤ませながら立っていた。