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ぼっちが学年二代美少女に憧れた結果  作者: 豚太郎
中編 俺と優し過ぎる彼女と球技大会
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幕間 決意

 次から後編始めるとか言ってすみませんでした。

「あの……ずっとあなたのことが好きでした! 僕と付き合ってください!」


 放課後の教室、夕日の差し込んだ室内は赤く照らされて。

 そう告げた少年の頬はしかし、それ以上に赤く染まっていた。

 勇気を振り絞った告白。そしてその好意を向けられた少女は、


「……ありがとう。私も、あなたにそう言ってもらえて嬉しい」


 そう言った。彼女の好意的な言葉に少年の心は沸き立つ。しかし、


「でもごめんなさい。貴方と付き合うことはできません」


 彼女はそう言って頭を下げた。少年は一瞬理解出来ずにぽかんとする。

 そんな同級生を、頭を上げた彼女、水瀬未来は申し訳なさそうな顔で見つめていた。









「……っ。……それは、どうして?」


 少年は心の内で荒れ狂う感情を必死に鎮め、尋ねた。


「……好きな人がいるんだ」


 そうはにかみながら告げた彼女の表情は、本当に幸せそうで。

 嗚呼、なんてことだ。

 そんな顔をされてしまっては、諦めるしかないじゃないか。


「…………分かった。ありがとう」


 少年はそれだけ言って、足早に教室を出て行った。

 ……そうしなければ、彼女に涙を見られてしまいそうだったから。


 未来は彼が出て行った扉を、少し寂しそうに見ていた。


「……これで、良かったんだよね」


 人の心が思い通りになることなどありえない。

 彼氏のいなくなった未来のもとには、彼女の望む望まざるにかかわらず、また告白が絶えない日々が始まるのだろう。

 だけど、と彼女はスカートの裾をきゅっと握った。

 向き合うと決めたのだ。

 強さが欲しいと思った。

 いつでも自分を貫く親友のような。

 諦めない心を持った彼のような。

 二人に並べるように、強くなると決めたから。


 しばらくして気持ちを落ち着かせてから、未来は荷物を持って部活に向かうことにした。


 しかし、体育館へと向かうその足取りは重い。

 いくら決意したところで、性分は簡単には変わらない。

 そんなやや俯きがちに体育館へ続く廊下を歩いていた彼女に、声がかかった。


「あ、未来」


 呼びかけられ、顔を上げて正面を見る。

 球技大会以来、下の名前で呼んでくれるようになった誠がそこにいた。

 水でも飲みに来たのか、練習着姿の彼はこちらを見て首を傾げた。


「なんか体調悪そうだけど……大丈夫か?」


 彼はこういうときは妙に鋭い。普段は鈍い癖に。

 未来はなんとか平気な声を出した。


「全然元気だよ! ありがとね!」


 そう言って、早く羽打ちたいなーと肩を回した未来に彼はふっと笑いかけた。


「まぁ、いいけど。なんかあったら言ってくれよ。俺で良ければ力になるから」


 誠は随分、変わったものだと思う。その手助けをした自負はあるけれど、だけど多分、こっちの方が彼のもともとの性格なのだろう。未来はおそらく過去に彼を歪めた何かがあったのだと察していたが、あえて踏み込もうとは思わなかった。


 未来が彼にありがとう、と口にしかけたとき、


「あー! 二宮さん見つけましたよー!? 早く練習に戻りましょうねー!」


 少し離れた場所から彼を呼ぶ声が聞こえた。多分、この声は灯里だろう。

 やべっと焦った表情を浮かべた誠はじゃあ、と未来に手を挙げて挨拶した後、凄い勢いで走って行った。……体育館とは逆方向に。

 やっぱり、彼は余り変わっていないのかもしれないと未来は思った。


 次から後編始めます。

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