特殊相対性理論で超光速が禁止されてないとは本当か?
SF、タイムマシンやら宇宙の話やら、そういうもので必要になってくる超光速。
タイムマシンの話を作るとき、時間の逆行など過去へ行くには基本不可能であることから何かでっち上げなくてはいけない。
宇宙の話だと恒星間や銀河間などの距離が開き過ぎていて話の展開に超光速などを持ち込みたがる。
そこでよくSFで聞く話に、相対性理論(※以後「相対論」と略す)で超光速は禁止されていない、と。
しかし違う。
これは特殊相対論では光速未満と光速は計算されうる。そして超光速粒子は存在を否定できない、というのが本当のところ。
しかもこれは時間一次元、空間一次元、の二次元時空での話。
確かにこの場合、一切否定する要素がありません。
だが現実は空間一次元ではありません。
空間の次元を一つ上げただけでこの話が簡単に破綻してしまいます。
空間二次元時間一次元の、三次元時空で考えてみましょう。
超光速粒子があって観測出来ているとして、超光速があると仮定します。
この言い方で否定されるんだろうということが分かりますね。
二次元の位相空間、速度空間を考えます。
分かりやすく東西南北を使用。
とりあえず北向きに超光速が示されているとしましょう。
ここで西向きにある程度の速さから見た場合に座標変換します。
超光速粒子は北北東とかにズレて観測されていることでしょう。
超光速粒子の向きに合わせて再度座標変換すれば初期の速さと一致させることも可能。
つまりは座標を回転させただけと見ることが出来る。
ならば繰り返せば、北北東から北東へ、更には東向きに。なんなら南向きでも可能。
南向き。
しかしそれは一度の座標変換で不可能ではないのか?
つまり矛盾ではないのか?
だが、特殊相対論では座標変換で、過去へと向かう北向きの超光速粒子ならば南向きと観測もされるだろうからこれでは矛盾をつけない。
実は東向き。
これは一度の座標変換では考え難い。
つまりは矛盾。
そして超光速は否定されうる。
超光速を否定させないのなら、座標変換などに問題を見出さなければいけない。
そんなことが可能だろうか?
また三次元空間へ次元を上げても、上記の議論は消えない。
つまり現実でも通用する。
このように簡単に超光速は否定される。
常識的にハードSFを考慮すると超光速なんてとても書けない。
書ける人が少し羨ましい。
船の描写で帆に風がはらんでいるのに帆とは逆向きに旗が翻っている描写とか。多分最近の乗り物から後ろにはためくのだと考え。
弓矢で矢が風に吹かれて矢羽が風下へ流れず、鏃が風下を向いたり。
物理的にあり得ない描写は面白くても、ちょっと萎えてしまう。