#9 副隊長 辻 希美
刀華がこちらに走ってくる。
「ねぇ、蓮どうだった」
「刹刃一襲も強くなっていたし、成長したんだな」
「でしょ。よかった」
ペアの子の方が俺を睨んでくる。
「須藤君、カメラの動画見せてくれない」
先ほどカメラの機械を動かしていた子が振り向く。あいつ、須藤というのか。
「わかりました。では、あちらの画面に写しますから来てください」
「了解。じゃ、蓮、また後で」
刀華が手を振りながら離れる。
俺も手を出しこたえる。
刀華が行ってもペアの子はずっと俺を睨んでいる。俺なんか彼女にした。耐えられなかったので聞いてみる。
「俺、何かあなたにした?」
「いいえ、何も」
「じゃあなんでずっと睨んでくるの?」
「睨んでない。あなたを見ていただけ」
「なんで見ているんだよ」
「あなたが気になっているから」
「なんで気になっているんだよ」
「なんで、それはいわなくてはならないことですか?」
こいつ、ちょっと苛立つ。
「私の名前わかっていますか?」
「いや、知らない」
「同じクラスの名前くらい覚えないのですか?」
「覚えてない」
「そう、結構私クラスでもあなたを見ているのですけど」
「クラスで見ている?」
記憶を漁る。
「………あ〜〜〜〜。いつも、笑われいる時に、俺を睨んでいる女」
「睨んでないって言っていますよね。あと、女って言っているということは名前知らないですよね」
彼女が呆れたような視線で見下ろしてくる。
「もう、いいです。あなたのクラスの辻 希美と言います。よろしく」
「こちらこそ。辻さんも第8隊?」
「当然。この隊の副隊長です」
「そうなんだ」
隊長と副隊長がペアを組むのかよくあることだな。
「で、なんで俺のことを見ているんだ」
「あなたのよいところを探しいるから」
「なんでそんなこと」
「刀華から、あなたの昔の話をよく聞かされるので。神崎君がかっこいいって。私より強いって」
刀華、どんなこと話しているのだろう。多分、長話聞かされているのだろうな。
ごめんね、辻さん。
「なのに、今のあなたは客観的に言って落ちこぼれですから。だから気になっています。あなたが本当に刀華の言う通りの人かどうか。今のところはわからないですけど」
「刀華がすこしオーバーに言い過ぎなだけだよ。刀華と幼馴染なだけだから。刀華、おっちょこちょいな所あるから君のような子が副隊長で助かるよ。これからも刀華のことよろしく」
「そんなことあなたにいわれなくてもわかっています。それでは、私もビデオを見に行きます」
辻さんは刀華の後を追って走っていった。