#7 模擬戦 前半
説明が多いかもしれません。
学園内での模擬戦で怪我をすることはほとんどない。試合になるとフィールドの地下からカプセルのなかをエレベーターのようなもので上がってくる。そして、カプセルの中で特殊な光線を浴びる。
普通に試合中に攻撃が当たったら、痛みはあるが、かなり軽減されている。そして、致命傷を負ったり、普通では死んだと判断すると自動で効果が切れ、試合で受けた傷もなくなるって‥‥‥なんて便利な光線だよ。
そして、その状態になると、身体が赤くなる。試合ではこの状況になると敗北とされる。それにより、相手の誰が倒されたのかをいち早くわかることができる。ただ、赤い状態だと光線の効果が切れ、普通に攻撃を受けるので注意しなければならない。
もちろん、切れた人を故意に狙ったり、赤くなっているのに試合の邪魔をするのは反則となり負けとなる。この機械と光線作った人、天才だろ。
その機械のおかげで優秀な人材が増えたらしい。
当然の結果だ。
それでも騎士団に入りたい人が減らないのはガチの命のやり取りをしたいからだろう。
今回、模擬戦は2対2での戦いをするって言っていた。
卒業後を占う大事なペア戦もあるんだし、当然といえば当然かな。
刀華がフィールドに入ってきた。
ペアは女の子だ。まぁ、ペアは同性同士が多いんだよね。カップルとか以外は。
それにしても、どこかで見たことあるんだよな?刀華はその子とペアを組むのかな?まぁ、刀華が認めて組むのなら彼女も相当の実力者なんだろう。
なぜか、刀華とペアの子が話して、刀華が赤くなってる。何話しているんだ?一体。
この時間にだいたい皆、武器を出す。
「きて、千鳥。」
刀華が叫ぶ。
別に名前を叫ぶ必要はないのだが、その方がイメージが安定する人もいる。なので昔、俺が叫ぶように言った。ペアの子は静かに武器を作った。
武器は刀華が刀、もう片方は細剣だ。剣や刀は人気のある武器だ。使いやすいし、攻撃の幅も大きい。魔力も剣に付与したり、自分の身体能力あげるだけなのであんまり使わなくて済むし。魔力がすこし少ない刀華にはあっている武器だと思う。俺が勧めたが後悔はしていない。
しかし、二人とも接近型か。別に悪くはないが1人前衛、1人後衛の方が安定するんじゃない。
対戦相手の男2人組みは片方が斧、片方が杖なので魔法特化だ。やっぱりそうじゃん。
「模擬戦、スタート。」
と審判の子が手を振り下ろす。
と同時に魔法の男が詠唱を始める。普通は魔法の発動に詠唱なんかいらないんだか強い魔法だと必要になる。でも、開幕詠唱はまずい。ペア、斧だから確実に突破されるぞ。
予想通り、細剣の子が攻めてくる。どうやら刀華達は斧を刀華、魔法を細剣と分担したらしい。
魔法の男は詠唱は無理と判断し、簡易の魔法を打って細剣の子を止めようとするが細剣の子は次々とかわす。細剣は軽いぶんかなり素早く動ける。すぐ間合いまで詰めた。
こうなると魔法の男に勝ち目はない。魔法特化などの遠距離は近距離に間合いを許すと勝てる可能性は皆無に近い。
魔法の男は防御の魔法で乗り切りつもりらしいが細剣の子がそれより早く魔法の頭、心臓を高速で16回打ち抜く。
技名、〈ピア・スプラッシュ16〉
細剣でかなり初期に学園から教えられる技だが彼女は速さが少し異常だ。普通の子だったらたぶん8回ぐらいで防御の魔法でガードされるはずなのにしっかり16回決めたぞ。しかも、いっぺんの狂いなく心臓と頭だけ狙って。もちろん、心臓と頭を16回も突き刺されたので魔法担当の彼は赤くなっている。
これで彼は退場だ。
やっぱり、刀華の目に狂いはないな。確かに彼女は強い。
やばい、刀華の方見てなかった。
俺は慌てて刀華の方を見ると、まだ斧の男と戦っていた。よかった〜。
さて、じっくり見ますか。
今の刀華の実力を‥‥‥‥