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#5 逃走勝負

6月14日、今日は最後の授業は武器についてだ。

いつもはこんな授業寝てしまうのだが今日は寝る気がしない。

なぜなら、このあと生きるか死ぬかの大事な行動をしなければならないからだ。

結局、風邪をひけず学校に来ることになってしまった。学校までの足取りがとても重かった。

帰りの挨拶をしたら、速攻、寮まで帰るのだ。

明日、先生に何か言われても忘れていました、といえばなんとかなるだろう。

なので、とてつもなく集中しているため、授業の内容がどんどん聞こえてくる。こんなに授業を真面目に受けたの初めてかもしれない。

前で山中先生が話している。


「武器の種類は自分のイメージで作ることができます。だいたい何回か作りイメージが安定するとやっと使えるなります」


そんぐらい1年の時、みんな終わらせているだろう。


「なので、例えば剣と弓のイメージを安定させておけば戦い中に変えることも可能です。まぁ、だいたいの人はメインの武器だけで戦うのですが」


まぁ、そんな感じで武器の変えて戦う人もいるからな。


「また、自分で作り出す他に魔剣と呼ばれているもともと自我のある武器があります。魔剣はとても強力です。しかし、魔剣は自分の認めた相手としか契約せず、契約した人以外には使うことができません。なので、魔剣を使うことができる人は少数であり、契約するためにはかなりの実力が必要です。実際、魔剣を手にした人はだいたいその時代のエースとして活躍しています」


するとクラスでは魔剣すげ〜とか、俺は絶対魔剣を手に入れるとか言う奴がでる。


「みなさんも手に入れられるようにがんばってくださいね。でも、魔剣を手に入れたばっかりに魔剣の自我によって操られた人たり魔剣が暴走した例もあるので手に入れても気を抜かないでね」


このように毎回、授業は進んでいくらしい。

俺は寝ているのでわからないけど。



〈キーンコーンカーンコーン〉


チャイムがなったここからが勝負だ。

速攻帰ってやる。


「最近、生徒が襲われる事件が増えているのでみなさん気おつけてくださいね」



まだか。



「あと、もうそろそろペアの受け付けが終了するので、出たいと思っている人は早く登録してね」


俺には関係ない。

はやく終わって、この集中から解放されたい。


「他に連絡ある人いますか」


どうせいないだろう。


「いませんね」


ほらやっぱりいない。

たぶん、いつもの流れだと終わりだ。


「では、終わりにしましょう。(つじ)さんお願いします」


よし終わった。


ここからが勝負だ。


「気おつけ」


立つ。

緊張する。

失敗はできない。


「礼」


「ありがとうござい………」


速攻で頭を下げ、返事もそこそこに俺は速攻教室を出て、走る。


すこし立って下駄箱までついた。先生追いかけて来ない。

やったー。逃げ切れた。よし。帰ろう。よっしゃ。


俺はうれしかのあまりガッツポーズをした。

いけない、いけないまだ学校の中だ。気を抜かないでいこう。よし、走るか。でも、結構簡単に逃げ切れそうだなぁ。

走るって下駄箱の角を曲がると人とぶつかった。床に倒れる。てか、当たった人体硬くない。すごく痛かったんだけど。


「ごめんなさい。」


俺は倒れたまま謝った。


「いいえ、全然。あなたを待っていたんですから」


ホラー映画に出て来そうな恐ろしい言葉が聞こえた。やな予感がする。この声どこかで聞いたことあるぞ。認めたくないけど、刀華だろう。

はぁ、やっぱり甘くなかった。


「なんで、こんなところにいるんだ」


倒れたまま尋ねる。


「山中先生に多分、逃げるから下駄箱(げたばこ)の所にいてって言われたからに決まっているじゃない」


やっぱり。


「でも、まさか本当に逃げるとはね。覚悟はいいかしら」


刀華は鬼のような顔で倒れている俺のうえに仁王(におう)立ちになり拳を握っている。


やばいな。また、殴られるぞ。この流れ。結構、痛いんだぞあれ。しょうがない。悪化する可能性があるが言って話題をそらす。


「殴られる前に言いたいことがある」


「わかったわ。言ってみなさい」


わぁ。上から目線かよ。調子乗ってるな。

じゃ、遠慮(えんりょ)なく。


「この前も行ったがその角度だと俺にパンツ見えるぞ」


「なぁ」


刀華の顔が赤くなり後ろに下がった。俺はすぐさま立ち上がる。


動揺してる。その好機を逃さない。


「まったく、おまえは成長しないよな。昔だって何回同じこと教えたものか」


「うるさい。うるさい」


よし、効いているな。

ここで、(たたみ)み掛ける。


「武器作るときに何回同じ失敗して爆発したか。刀華あの時と変わらないな」


「変わったよ。強く〈グスン〉なったもん」


やばい、涙声だ。

それに、刀華の目にうっすら水が見えるよ。

言いすぎたか。


「悪い。すこし言いすぎた。刀華は確かに物覚えは少し悪いが成長している」


「〈グスン〉本当?」


「本当。本当。だから、今、隊長できているんだろう」


昔、やっていたように刀華の頭を優しく叩く。

高校生になってこれやると恥ずかしいな。


「じゃあさ」


彼女は俺の方を向く。


「どれだけ強くなったか、見ててくれない」


断りたい。でも、断れない。そんな顔で上目遣いしている刀華見たら断れない。上目遣いは反則だろ。クッソ、可愛いんだよ。

こんちくしょー。


「わかったよ。行くだけな。武器持って戦ったりはしないからな」


これだけは譲れない。刀華の前だけは戦わない。


「うん、別に大丈夫」


頷いてくれた。よかった。


「じゃあ。いこうか。案内するよ」


手を出してくるがこれは無視だ。それで行ったら第8隊や隠れファンに殺される気がする。

刀華かなり可愛いもん。


「了解」


俺は刀華の後ろにつく。

刀華はなぜか少し不機嫌になったが、先導してくれた。なんで不機嫌になってるんだ?もしかして、手繋げなかったからか?


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