表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/29

#19 初デート(仮) 夕暮れ時に


カフェが終わったら学校に帰ることにしていたので学校に戻る。スプーンを変えてから刀華はずっと下を向いている。

俺、何かしたか?


学校につき、寮の分かれ道についた。

ついて‥‥しまった。


「じゃあな。今日はありがとう。いきなり誘っちゃってごめんな」


それだけ言うと男子寮の方へ向かう。


「待って!」


3歩進むと刀華に呼び止められた。


「蓮こそありがとう。私をデートに誘ってくれて。私の元気がなかったから励まそうと思ってしてくれたんだよね。ありがとう。私はもう大丈夫だから。心配しないで。じゃあね」


刀華は笑顔を見せると走って自分の寮を方へ向かう。


「待て」


俺は刀華の手首を掴む。そして、こっちを向かせる。


「何?」


「誤解があるから言うけど、確かに俺はお前が落ち込んでいたから、気分転換になればいいかなって思ってメールを送った」


「やっぱりそうでしょ!!!」


刀華の目に涙がでてきた。


「でもな、それ以前に俺は刀華をデートに誘いたかった。刀華と久しぶりに2人で出かけたかった」


「えっ!」


「可愛い幼馴染と久しぶりに2人きりで一緒に過ごしたかったんだよ。励ましたいという理由を建前にしてな」


「本当に私と出かけたかったの?」


「もちろん。だから、今後も時々、出かけないか。俺は今日、とても楽しかったし」


「私も今日とても楽しかった。でもいいの。私なんかで」


「もちろん。じゃあ、ペア戦が終わったらまたしような。デート。だから、ペア戦頑張れ。応援しているから」


刀華は目元を拭う。


「応援、応援か‥‥‥。うん。もちろんよ。絶対、本戦まで行ってやるから。だから、応援‥‥‥してね」


「もちろん。精一杯応援するよ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥じゃ、じゃあな」


「う、うん、またね」


2人とも自分の寮を方に歩く。


「蓮!!」


刀華が大声で俺の名前を呼ぶ。


「どうした?」


「私と、私とぺ‥‥‥‥‥‥。

ごめん。なんでもない。じゃあね」


そういうと刀華は寮のほうに走り去っていった。


「なんだよ。言いたいことがあるなら言ってくれよ」


刀華が、何を言いたかったのかわからなかったことに胸の突っかかりを覚えつつ、蓮も歩いていった。






‥‥‥さて、このからが勝負だ。


刀華が見えなくなると蓮は寮とは違う方向に進み、森の中に入った。









‥‥‥また、言えなかったな蓮に。頼みたいことも自分の気持ちにも。


多分、断られるのが怖いのだろう。昔はこんなことなかったのに。なんでも、相談できていたのに。言えなかったのは自分の気持ちだけだったのに‥‥‥。

それに、終わらせないと。蓮に心配かけないように。蓮に迷惑かけないように。蓮ともう一回、遊びに行くために。

でも、どうすればいいのかな?どうすれば終わるのかな?

刀華は蓮が見えなくなるとため息をついた。


そして、刀華の携帯が荒々しくなった。夏なのに冷たい風が刀華を襲った。


これで、デート回は終わりです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ