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#1 騎士学校の落ちこぼれ

シュルツ第1騎士(きし)学校。将来、魔物と戦う優秀(ゆうしゅう)な人材を育成する学校である、10の学校の中でもトップ3には入る名門校だ。実技だけでなく、心構(こころかま)えや魔物の種類や教養(きょうよう)など魔物の討伐に関係ないことまで幅広く教えている。

今日は、6月12日。授業も最終の6時間目、担任の山中(やまなか)が前で授業をしている。科目は魔物1。

教室の後ろの席で(れん)頬杖(ほおづえ)をつきながら大きな欠伸(あくび)をする。

去年も同じようなのあったけどやっぱり眠いな〜。てかこれが最後の時間って地獄(じごく)かよ。起きているようにするけど多分寝るな。

10分後、神崎(かんざき)蓮の意識は完全に落ちた。


「神崎君、神崎君、起きてください」


身体を揺さぶられて、蓮はゆっくり机から顔を上げた。


「はい、なんですか?」


「なんですか?ではありません。毎回、毎回、この授業寝て。神崎君には去年から言ってるけれど全く直りませんよね。そんなに先生の授業がつまらないんですか」


担任の山中が少し()ねた顔をしながら腰に手を当て、俺にいう。



山中先生〈本名、山中 彩香(あやか)〉は去年から俺のクラスを担当している。歳は24歳。シュルツ第1騎士学校を数年前に卒業した、いわゆるOBだ。卒業後は少し魔物討伐に参加した後、夢だった先生になるためこの学校に来たそうだ。その後5年の研修を()て、去年ようやく先生になったのだと、先生になった時に言っていた。ちなみにシュルツ第1騎士学校は1回なったクラスが変わることはほぼない。そのため俺は3年間彼女が担任である。



でも、そんな若い先生の()ねた顔が近くにあったのだ、少しドキッとしたがだいたい2週間に1回この手の顔見ているので冷静に答えることができる。


「先生の授業がつまらないわけではありません。この単元そのものがつまらないです」


「今年に入って、何回も言っていますがこの魔物という授業は騎士になった時に生き残るためにとっても大切なものなんですよ。魔物の攻撃パターンなどを知っておけばいざという時にちゃんと対処することができるんですよ。それに、1年前に第13代魔王が即位して、魔物の動きが活発になっているんです」


先生は真剣な目で言いいながら俺に顔を近づけた。

その直後、クラスの中心人物達がふざけるような口調で言った。


「先生、それなら神崎には必要ありません」


「神崎は騎士にはならないし、なれません」


「実技もずっと休んでるし、それに何もできないし。放課後、練習している姿見たことないしねぇ」


「でも騎士団に雇われるかもしれないね。コックや清掃員として」


クラス中が爆笑する。毎日、毎日聞いているのでいい加減この流れも飽きた。

あと、こう言うこと言われている時、窓際の1番前の子が俺のこと睨んでくるんだよな。なんで。授業妨害(ぼうがい)してるからか?


「みなさん、静かにしてください」


先生がみんなを注意する。笑い声は小さくなったがまだ少し聞こえてくる。


「とにかく、ちゃんと起きて聞いておくこと。分かった」


先生が尋ねる。


「はい、わかりました」


俺は返事をしながら、また寝ると面倒くさそうなので寝ないために気合を入れるためほおつねった。そんなに痛くなかった。



〈キーンコーンカーンコーン〉


「今日はここまでにします。このままホームルームをはじめます」


はぁー やっと授業終わりか眠むかった〜。

そう思いながら俺は大きく欠伸をする。

前で先生が何か話しているが俺の耳には入ってこない。


今日は、歩、用事で6時まで来れないんだよな〜。じゃとっととお気に入りの場所に行って時間潰しますか。


「みんな、放課後も修練などに励むようにね、辻さん、号令お願いします」


辻が号令をかける。


「起立」


みんな立つ。


「礼」


「ありがとうございました」


「お疲れさまでした」


終わりの挨拶が終わると仲のいいグループ通しがつるんで「今日どこ行く?」「今日一緒に練習しようぜ」という声が教室から(あふ)れる。

俺には関係ないことだ。すぐに俺は教室からでて、お気に入りの場所に向かった。


毎度の事、教室からは笑い声が聞こえた。


ノベルバの方に先に投稿しています。

続きが気になる方はそちらをご覧ください。

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