表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/249

DV、ダメ、絶対

(やばい、夢から覚めない……)


現在希美は、謎のちょんまげ兄さん≪信長≫にぼっこぼこに足蹴にされていた。

しかし全く痛みを感じない。希美は判断した。このちょんまげ兄さんは、非力である、と。


なにやらむちゃくちゃ怒っているちょんまげ兄さんであるが、一体自分が何をしたというのか。痛くはないが、このようにか弱きおばちゃんを平気で足蹴にするなど、人としていかがなものか。希美は段々と腹が立ってきた。


(夢とはいえ、ほんと腹立つわ、こいつ。さっきから他のちょんまげ達も、ごんろくあやまれ、だの、めちゃごんろく呼ばわりしてくるし。ごんろくって誰やねん。お百姓さんかよ)


希美はこのままでは埒が明かないと、激おこちょんまげ兄さんに話しかけることにした。


「あ、あの!≪男声≫」


(ん?)


「んんっ、あの!≪男声≫……うぇ?!≪男声≫」


「おかしい……声が低い。のどやられたのかな?……あー、ええと、すみません。なぜ、私は蹴られているのでしょうか?」


ちょんまげ兄さんが何故かいきり立った。

「そのような事もわからぬかぁっ!このうつけめが!」


(わからねえから聞いてるんだろ、このハゲ!)

「そもそも、あなた誰なんですか?これは完全に暴行ですよね。警察呼びますよ」


「「「「「「え?」」」」」」


ちょんまげ兄さん含め、周囲が固まった。


「お、おい、何言っておるんだ権六よ、このような時にそのような冗談なぞ、いくら何でも無謀すぎるぞ」≪ちょんまげ髭おっさんA≫

「まさか頭打っておかしくなったんじゃ?」≪ちょんまげ髭おっさんB≫

「おいっ、医者はまだか!」≪ちょんまげ髭おっさんC≫


希美は慌てふためく周囲を見回した。

(ちょんまげしかいない……そして髭率高っ)

そしてふと気づく。

(あれ?板張りの和室?なんか時代劇で見たことあるかも。あー、そういうことか。時代劇ファンだからこそのこういう設定の夢か。でも、ちょんまげに蹴られる夢とか、そんな高度なプレイ求めてないんだけど)

どうせなら、暴れる将軍に優しく口説かれる夢だったらよかった……そんなことを考えていると、ちょんまげ兄さんが訝し気に話しかけてきた。


「権六、わしの事がわからぬのか?」


「いや、そもそもごんろくって誰?」


希美の言葉に、皆絶句する。

カタン。手が当たったのだろう。誰かが倒した提子の音がやけに響いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ