援交武将
とっくに更新したと思ってた今話が、まだ執筆中に残ってて、驚愕のあまりなんか一人でツボりながら、再度更新作業中。(笑)
今度こそ!(爆笑)
餅撒きならぬ、銭撒きの混乱に乗じて、信長を刑場から連れ出した希美は、証意に先導されて願証寺を脱出すべく、山門を目指していた。
希美の事前の指示により、刑場で盛大に銭が撒かれているという噂を伊賀忍者達が寺外にも流しているため、山門近辺も中へ入ろうと詰めかけた人々でごった返している。
山門近くまで来た時、証意は振り返って言った。
「後は、あの門を潜るだけです。門の外に寺内町に住む隠れえろ門徒を用意しています。みつけやすいよう、『女如立ち』させておりますので、すぐおわかりになるかと」
「え、お前は共に来ないのか?いや、それより、『女如立ち』が超気になる!!なんだそれ?!」
「私は残ります。私はえろであっても、願証寺の証意。願証寺の行く末を見届けねばなりませんから。それと、『女如立ち』ですが、門徒勢力に隠れて密かに集う隠れえろ門徒の仮の姿が尼なのです。それで、いつしか女らしい立ち姿に熱が入りまして。えろめく立ち姿を、女の如し立ち姿という事で『女如立ち』と呼んでおります。これを男姿でやると、違和感が半端ないので、すぐにわかりますよ」
「でしょうね!ていうか、悪目立ちするだろ!」
「なに、これだけの混乱状態です。皆、欲に目がくらんで、誰も見てませんよ」
「そんな事より、そろそろ、わしの縄を切ってくれ……」
「あ、証意、何か切るもの持ってない?私、証意の部屋に武器忘れちゃって」
「もう、何やってんですか、あなた……」
信長の縄をぶつりと断ち、三人は山門に到着する。
だが、しれっと通り抜けようとした希美達に、一人の男が飛び込む。そして希美の後ろを歩いていた信長を掴むと羽交い締めにし、少し距離を取りながら信長の首元に脇差しの刃を当てた。
油断を突かれた希美は身を強張らせたが、いつでも飛びかかれるように構えた。
「殿を離せ!」
「尼様よ、やはりあなたは織田の手の者だったか。この男、織田弾正忠だろう?以前門を通ったのを覚えていたんだ」
「やはり?以前会った事が……ああ、そういえばお前、あの時私を案内した門番か!」
希美が己れを思い出したのを見、その男、門番の銀次は頷いた。
「そうよ。わしはよく覚えておる。その完璧な胸をな!」
「胸を!?」
この緊迫場面での思わぬセクハラ発言に、希美は思わず両手で胸を隠した。
セクハラ門番銀次は語り始めた。
「以前あなたが山門を通った時、怪しいと思っていたのだ。証意様の秘密の恋人だと言っていたが、あなたほどの理想的な胸を持つ門徒なぞ、わしの記憶の中にはいなかったからな」
希美は、いろんな意味で困惑している。
「お前、まさか、ここらの門徒全ての胸を把握しているのか……?いやいい、知りたくない。百歩譲ってそれはスルーするとして、何故怪しんだ時点で私の事を上に報告しなかったんだ?」
銀次は自嘲するように、ふっと笑った。
「あなたの胸を惜しんだ。あなたが捕らえられ処刑されて、その至高の胸が失われるのが怖かった……」
「ええ……」
「「……」」
希美と信長、証意の困惑は極まった。
希美は銀次のセクハラ心に助けられていたようだ。
証意が銀次に問いかける。
「な、なら、何故今になって我々の邪魔をするのだ!もしここでこの人が捕まれば、やはりこの胸は失われてしまうだろう?!」
信長も同調した。
「そうじゃ!お前にいくらでもこやつの胸を揉ませてやるから、さっさとわしを離せ」
「ちょ、殿の裏切り者!門番さん、私これでも、四十越えてんの。私より、そっちの殿の方が若くてはりのある雄っぱいしてますよ!」
「権六、お前、主を売るか!」
「男の乳触らせるだけでしょ!減らんでしょ!」
「それはお前も同じじゃろうが!?」
「ああっ、そうでした!!?」
ショックを受けている希美に、銀次は告げる。
「わしは、こんな片乳首の伸びた雄胸に興味はない」
「何故、知っておるんじゃ!?」
「なんで、知ってんの!?」
「織田様、片乳首伸びてんの!?」
証意だけ驚きが新鮮だ。銀次は事も無げに言った。
「さっき胸に触れたからな。わしは服の上からでも、触ればどんな胸をしているか完璧に把握できる能力を持っておるのよ」
「すげーどうでもいい能力ですね」
希美は心の底からそう思った。
そんな希美の胸を、銀次は真っ直ぐに見つめる。
「この男の胸などどうでもいい。それより、あなたの胸だ」
「私の、胸?」
希美は、不穏な気配を敏感に感じとりながら、聞き返した。
そしてその勘は、外れてはいなかった。
「何故わしがここで織田弾正忠を人質にしてあなたを止めたのか。それは、あなたに取引をもちかけるためだ」
「取引だと?何が目的だ?」
信長が目を細めて銀次を窺う。
銀次は、信長の問いに対する答えを希美に全力直球した。
「揉ませてくれ」
「………はい?」
希美は聞き返した。幻聴かもしれない。
しかし返ってきたのは、ド直球のセクハラ発言だった。
「あなたの奇跡の神雄胸を揉ませて欲しい。わしが長年追い求めた万年に一人の理想の胸を、堪能させて欲しい。それが叶うなら、その後殺されても構わない」
希美の雄っぱいはハシカンを凌駕したようだ。
希美は、菩薩のような笑顔を浮かべて即答した。
「いっそ、今死ね」
「え?男の乳触らせるだけであろー?減らんであろー??」
信長が銀次の援護射撃を始めた。
敵に寝返ったようだ。凄くイラつく寝返りっぷりである。
証意も信長に同調した。
「ここで時を過ごすわけには……揉ませるだけで通してもらえるなら、さっさと揉ませてしまいましょう」
希美は、呻いた。
「ぐぬぬ……。くそっ、三揉みだけだぞ!」
「二十揉み!」
「ふざけんなっ。急いでんだよっ」
「なら、十五揉みで!」
「ああもうっ!揉んでけドロボー、十揉みだ!所詮はただの皮膚。握手みたいなもんだ。おら、さっさとしろっ」
希美は、男らしく胸を貸すことにした。
「ひーい、ふーう…………」
希美は死んだ目をしている。
「いーつ、むーう…………」
信長と証意は、揉み待ちしている!
通りすがりの門徒の視線が希美のsan値をガリガリ削っていく。
「ここのつー、とーおーーーーーーーーーー!」
「最後の十がロング!!さっさと離せっ」
地獄の雄っぱいタイムはようやく終わった。
希美は、援交武将としての実績を積んでしまった!
全てが終わった後、銀次は合掌して希美の前に首を差し出した。
「これでもう、思い残す事はない。心置きなく御仏の御元に参れます」
「いや、御仏もお前みたいなのに御元に来られたくないんじゃね?」
希美は疲れた眼差しを銀次に向けた。
銀次はその視線に己れの視線を絡ませる。
「わしを、生かしておかれるのですか?」
「いや、ここを通してくれるなら殺す必要ないだろ。大体、男の乳を揉まれたくらいでそこまで怒り狂わんから」
希美はそう言って、銀次の背に回る。信長は、逃げぬよう、銀次の背にくくりつけられていたのだ。希美は信長を下ろしてから山門を潜り抜けようと歩き始める。
その背に、銀次は問いかけた。
「あなたは、あなたは一体どこのどなたで……!?」
希美は振り向き、答えた。
「今の私は、筑前尼と名乗っている。まあ、皆からは『えろ大明神』と呼ばれているけどな!」
銀次は目を見開いた。
「あ、あなたが……、柴田権六、えろ大明神様!?」
銀次は瞠目して、歩き去る希美の広い背を見つめた。
ぽわんぽわん……と、その背に、先ほどの神雄胸が重なる。
その神雄胸が歩き去っていく。
銀次の腹の奥底から、熱い何かがこみ上げてきた。
それは、銀次の口から祈りの文句となって、溢れ出る。
「……ろ、えろ、えろえろ、えろえろえろえろ」
証意がそんな銀次の肩に、優しく手を置いた。
「えろに発心したな、同志よ」
「えろ……。わ、わしは……!」
「えろの赴くままに。えろえろ……」
銀次は駆け出した。
銀次の信仰の元へ。希美の前に回り込み、土下座する。
「どうか、わしをお連れ下され!長島はわしの地元。必ず、お役に立てます!」
「え?いや、いらね。協力者の隠れえろ門徒なら間に合ってるし」
「お願いします!只働きでもいいです!その神雄胸にお仕えしたいのですっ!」
「胸に?胸だけに??おい、すがりつくな!急いでんの!」
「どうか、神雄胸様!!」
「ああっ、わかったから、離せ!でも、もう絶対胸は触らせないからな!」
「えろ!!」
希美の陣営に、また変態おじさん(揉み手の銀次)が加わってしまった。
とある部分が体験談。(爆笑)