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領民0人スタートの辺境領主様  作者: ふーろう/風楼
第十八章 華麗なる交易卿

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まずは鉱山へ

登場施設ざっくり解説


・鉱山


 西側関所の北部、山の中腹辺りに作られた施設、既に鉄鉱石の採掘が始まっていて、精錬、加工のための設備、働く洞人族達の家々なども設置済み。

 鉱山やそこまでの道は、バリスタなどの兵器で守られていて、トロッコなど運搬設備の開発も進んでいる。

 鉱毒などは洞人族の髭での浄化処理が行われている


 ジュウハと一緒にモンスター狩りに行くとなって、かなりの人数が同行を申し出てくれて……結構な大所帯となってしまった。


 まず私とジュウハの護衛ということで犬人族達が12人、空からの偵察役としてサーヒィ、ジュウハがどう戦うのか見学希望のエイマ、とにかく戦いたいということでイービリス、功績を上げたいということでニャーヂェン族の戦士10人。


 鎧姿の私はベイヤースに跨がり、エイマは私の肩、ジュウハはハルジャ種に跨がり、ジュウハの後ろにイービリス、犬人族とニャーヂェン族は平気な顔で走って追いかけてきて……そんな一団でまずは鉱山周辺に向かう。


 ジュウハに周辺の設備を見てもらうことが目的で……鉱山までの道の周囲に配置された対ドラゴン用の兵器、バリスタなどをジュウハは馬上からではあるけども、しっかりと確認してくれているようだ。


 鉱山に到着するとジュウハは、より強固になったというか、少し過剰にも思える設備の確認をしてくれる。


 増えたバリスタ、大きな投石機、どこでどう使うつもりなのか攻城塔までが作られていて、山から吹き下ろす風で揺れてギシギシと音を立てている。


「……なんだってこんなとこに攻城塔が? 山で使うつもりなのか?」


 その光景を見やりながら私がそんな声を上げると、すぐ隣までハルジャ種を進めて、結構な高さのハルジャ種の背からこちらを見下ろしたジュウハが言葉を返してくる。


「流石に試作だろうよ、ああいうもんはこれから攻める城壁を前にして作るもんだからな、試作と言うか、作り慣れておくことは結構大事なことなんだ。

 ……しかしまぁ、流石と言うか、どれも良い出来のものばかりだな。

 あの投石機だけは今ひとつだが……あの作りだと大した威力にならねぇだろ?」


「ああ、いや、あの投石機は―――」


 と、私がそう言いかけた所で、鉱山を任されている洞人族の若者、バーナイトがやってきて元気な声を張り上げる。


「まーっはっは! アレで石なんか投げませんぜ!

 あいつは歩く駆ける登るのを面倒がる連中のための移動手段でさぁ、あれで投げてポイポイッと移動する訳ですなぁ。

 そのうちあれを量産して、イルク村までの道に配置していけば……あっという間の行き来が出来るはずですぜ」


 ……そう、あれは洞人族を投げるためのものだった、頑丈な洞人族だから可能と言うか何と言うか……。

 

 戦闘に使うのならまだ分かるが、移動にまで使う必要はあるのか? なんてことを思ってしまって、何度かそう言ってあるのだが、それでも洞人族はアレを量産するつもりらしい。


 洞人族が作った立派な荷車に馬車、トロッコなんかもあるのだから必要ないと思うのだが、それでも作ってしまうのが洞人族なのだろうなぁ。


 そんな説明を受けてジュウハは、外向きの笑顔を作り出してはいるが、驚きやら呆れやらで顔を引きつらせていて……続くバーナイトの説明には生返事を返していた。


 他にもバーナイト達は魔石の力を使った設備というか兵器を作ろうとしているらしく……私には理解しきれない仕組みを使った物の説明をしていく。


 ジュウハはその説明を理解しているらしく、生返事がだんだんと興味深げなものへと変化していって……最終的には興味津々といった様子になるが、最終的には、


「……要するにどれもこれも、洞人族でしか作れないし、使えないって訳だ」


 と、そんな言葉を口にし、興味を失ったようだ。


「まっはっは! そうでなきゃぁここまで詳しく話しませんぜ!」


 そう返したバーナイトにジュウハはなんとも言えない顔をし、こちらへと視線を向けて口を開く。


「ここで助言することは何もねぇよ、専門外にも程がある」


 そんな言葉を受けて鉱山の見学が終了となり……そうして私達は次の目的地である北の薬草小屋へと足を向ける。


 北の薬草小屋は、エグモルトの要望を受けて作り始めた施設だ。


 イルク村の側だけでなく、北と南にも欲しいとのことで……移動や防衛などの関係で北のは鉱山近くに作られている。


 もちろんガラス張りの研究室も作る予定で……場所が鉱山に近いからか、作業は順調だとの報告を受けている。


 職人である洞人族が側に暮らしていて、様々な材料が手に入りやすいのだからそれも当然だった。


 まだまだ作りかけらしいそこに到着すると、ガラス張りの研究室の天井付近の……ガラスなどを設置するために作られたらしい木製の足場の上にいつの間にやってきたのかエグモルトの姿がある。


 アルナー達がエグモルトのために作ってくれた研究着、皮で作った前掛けのような服を着ていて……何故だかそれを風でなびかせながら両手を振り上げている。


「閃いた、閃いたんだぁぁーーー!!」


 そして大声……どうやらまた何か思いついたらしい。


「エグモルトさーん! 危ないので降りてきてくださーい!」


 エグモルトの足元と言うか、足場の根元辺りには護衛のためなのだろう、犬人族の姿もあり、懸命にそんな声を上げているが、エグモルトには聞こえていないようだ。


「風だ! 強く常に同じ方向から吹く風だ!

 これを利用しないのはおかしい! これだけの力だ! 風の力があれば馬無しで走る馬車が作れるぞ! 風の力があればなんでも動かせるようになるんだーーーー!

 その次は太陽だ! 太陽の力で走る馬車だ!!」


「風の力って風車とか船のことですよね!? 全然普通のことですから降りてきてくださーい!!」


 更に言葉を続けるエグモルトに犬人族。


「……おい、なんだあの馬鹿は。

 お前とは全く違う方向の馬鹿さだが……何もんだアレは」


 そんな惨状を見て声を上げるジュウハに……私はどうしたものかなぁと頭を悩ませながら言葉を返す。


「あれはエグモルト・ダレル、王都では有名な貴族で研究者だったらしい。

 今はメーアバダルで色々な研究をしてくれていて……今日はどうやら風の研究をしているようだ。

 ……まぁ、悪い人ではないから問題はないと……思う。

 私達の知らないことをよく知っているし、突飛なことを思いつくし……それが一応役に立ちそう? だし? うん……凄い人であることは確かだよ」


「あれがダレル卿!? な、名前は聞き及んでいるが……。

 ……ま、まぁ、天才研究者っていうのはああいうものなのかもな……普通の天才のオレ様には分からん有り様だ」


 と、そう言ってジュウハはハルジャ種から降り始める。


 降りてエグモルトの側へと近寄っていって……丁寧な挨拶をして。


 王城で働いていたこともあってか、貴族の相手もお手の物のジュウハだった……が、エグモルトはジュウハに構うことなく……気付くこともなく、奇声を上げ続けている。


 ああなったエグモルトはいっそのこと放っておいた方が良いのだが、貴族相手だからかジュウハはそうしようとはせず声をかけ続け……それからしばらくの間、なんとも不毛な時が流れることになるのだった。



お読みいただきありがとうございました。


次回はいよいよモンスター狩りへ



そしてお知らせです。


挿絵(By みてみん)


アニメ化決定いたしました!


また声優さん情報や制作スタッフさん情報も公開されています


ディアス役は 松田健一郎さん


アルナー役は 若山詩音さん


監督 今泉賢⼀さん


シリーズ構成 岡田邦彦さん


キャラクターデザイン 坪山圭⼀さん


アニメーション制作は animation studio42さん


となります


私もまた多くの部分で関わらせて頂いていて、こんなに色々して良いんだ!? と、驚くばかりの日々を送っています


皆様に楽しんでいただけるよう、連載も含めて頑張らせていただきますので、応援していただければ幸いです!!


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― 新着の感想 ―
アニメ化おめでとうございます!! 嬉しいです! お祝いが言いたくて初コメです(^^) 書籍、小説の方ばかり追いかけていましたが、復習もかねて漫画の方も読んでこようと思います!
ダレル卿そのうち、服とか脱ぎださないといいけど。 ビジネス系の専門学校に通ってた時に、担任が東京本校への出張の後に様子を教えてくれたけど。司法系の試験の近くだったためか、自習室を見学に向かったら、中か…
南斗人間砲弾を通常の移動手段にするんじゃねえw 風車動力にしてロープウェイとかケーブルカーとか作るんなら まあ結構需要が有るんじゃないかな? 動く歩道やベルトコンベアは・・・草にのまれそうや 葛に飲…
感想一覧
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