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領民0人スタートの辺境領主様  作者: ふーろう/風楼
第十章 皆で頑張る快適な暮らし作り

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皆からの報告

登場単語解説


・ローワン


森の中にある木、及びその木になる赤い木の実のこと。

毒のある木の実だが、一度凍りつかせると毒性が消えて、その状態で絞り汁を作り、干し肉やパンに塗るなり混ぜるなりすると、それらの保存性が高まる不思議な木の実。


去年の秋、セナイとアイハンが山のように採取していた。


 二日に渡って盛大に行われた宴が終わって……翌日。


 私は広場で朝食をとりながら、不在だった間の出来事の報告を受けていた。


 一週間と少しという期間は、私達にとってはあっという間のことだったが、イルク村の皆にとってはとても長いものであったようで……その報告は簡単には終わらず、朝食を食べ終えて食器が片付けられ、私以外の席が片付けられても続くことになった。


 まずセキ、サク、アオイの三人とエリーがどうしていたかというと、ナルバント達が作っている氷の貯蔵庫作りを手伝っていたようだ。


 貯蔵庫それ自体はほぼ完成していたのだが、肝心要の氷はまだまだ集めきれておらず、夏が来るまでに集める必要があるとなって、北の山に何度も何度も何度も足を運んで、荷車いっぱいに氷と雪を積み込んで、太陽の熱で溶けないようにメーア布で覆って……そうやって出来上がった貯蔵庫全てに氷と雪を詰め込んで回ったらしい。


 水源小屋の側にある貯蔵庫と、イルク村北側にある貯蔵庫、それと迎賓館側の貯蔵庫と、関所の貯蔵庫……それらの貯蔵庫の中を氷と雪でいっぱいにして、一歩立ち入れば震え上がる程に冷やして……既にいくらかの食材の貯蔵も始まっているらしい。


 例えば春のハーブ、野菜、白ギーのチーズにバター、それと生肉。


 冬に食べ物が腐りにくいことは理解しているが、それが氷の貯蔵庫でも同じなのかはまだまだ半信半疑の者がいるとかで、実際に貯蔵してみせて、その効果というか結果を皆の目で確認して……それで問題無いとなったら本格的な貯蔵庫での貯蔵が始まるそうだ。


 氷で冷やすだけでなく、食べ物を長持ちさせる木の実……あの森で採取出来るローワンの実を使えば更に保存性が高まるはずで……追々それに関しても試していくそうだ。


 森と言えばセナイとアイハンは、森の中に畑を作っていたらしい。


 クラウス達や犬人族達に手伝ってもらって、関所の近くの一帯を伐採し、耕し……そこにセナイ達の畑で育てていた苗木を植え替えたんだそうだ。


 セナイ達が苗木畑と呼んでいたそこでは、イルク村のあちこちに植えるつもりで何本もの苗木が育てられていたのだが、森が領地となって……イルク村に植えるよりも良い場所があるとなって、急遽そちらに畑を作ることにしたらしい。


 森の土は豊かで、色々な力が埋まっているんだそうで、森の中で育てた方が木は大きく育つし……収穫物である木の実なんかも大きく、美味しく育つんだそうだ。


 ただし森の中は森の中で獣が多いとか、虫が多いとか問題もあるんだそうで……そこら辺の対処などをこれからしっかりと行っていく必要があるそうだ。


 それに関連して何本かの苗木は森に移さず、これからもイルク村で育てていくらしい。

 森で何かがあった時のためとか、イルク村でどんな木が育つのか確かめる目的とか、そういう狙いあってのことなんだとか。


 伯父さんとヒューバートは、イルク村を今後どう大きくしていくか、なんてことを話し合ったり、細かいルールを決めたりとしていたようだ。


 ジョー達という新しい領民が一気に増えて、そのユルトを建てるとなって、イルク村は今、大きくなっているというか、膨れ上がっているというか……ユルトだらけのユルトで埋め尽くされた村になりつつある。


 今はそれで良いかもしれないが、これからもそんな風にただユルトを考えなしに増やしていくのは問題なんだそうで……近い内に区画整理というか、そんな感じのことをして、今後建てていくユルトをどこにどうするとか……ユルト以外の、木造の家なんかも建てていってはどうかと、そんなことを話し合っていたらしい。


 実際問題として、ジョー達がやってきたことにより厠と井戸の増設が必要になった訳で、それらを考えなしに作るというのは様々な問題に繋がる訳で……皆が快適に、効率的に利用出来るように……無駄に作ったりしないで済むように、事前に計画を立てておくことは重要になってくるだろう。


 私はそこら辺の知識が一切無いし、どうしたら良いのか、どういう計画を立てたら良いのかもよく分からないので……まぁ、そこら辺のことは二人に任せておきたいと思う。


 ナルバント達は貯蔵庫作りの他にも、不思議な水瓶と不思議なツボ作りを頑張ってくれたようだ。


 水瓶を全てのユルトに設置し、ツボも設置し……エリー達の馬車用のまで作ってくれて。


 基本的には釉薬を塗っていない陶器でしかないので、量産はとても楽なんだそうで……そういう訳であっという間にそれだけの量を作ってくれたらしい。


 良い土がなければ良い陶器は作れないそうだが、草原や荒野のあちこちを掘り返しているらしいナルバント達にかかれば良い土を用意するなんてことは造作もないことらしく……使っていくうちに割れることも考慮していくつかの予備まで作ってくれていて……工房にいけばいつでもそれを受け取ることが出来るそうだ。


 マヤ婆さん達はいつも通りの日々を過ごしていて……サーヒィの妻であるリーエス達は見張りなどを頑張ってくれていて、メーア達も私達のことを心配してか少し食欲が落ちていたようだが、それでもいつも通りに過ごしていて……犬人族達もまた、いつも通りの日々を過ごしていたようだ。


 畑で働き、見張りをし、氷を取りに行くセキ達の護衛なんかもし……そしてシェップ氏族達は荒野に向かっての岩塩拾いをして……私達が不在の間も、ずっと拾い続けていたそうだ。


 拾ってきた岩塩はエリー達に頼んで売ってもらうつもりだったが、エリー達が行商を止めてしまったので売る事ができず……だけどもいつかは行商が再開する訳だからと毎日拾い続けて。


 そうして岩塩をしまっておく用のユルトを建てなければならない程の量の岩塩を集めて……当然のように今日も岩塩を拾いにいくつもりらしい。


 以前ゴルディアが岩塩は今王都で売れるという話をしていたから……シェップ氏族が集めた岩塩はとりあえず、王都に送ってもらうとしよう。


 その稼ぎで木材を買って、家や……伯父さんがずっと建てたがっていた神殿を建てて、ナルバント達の工房も立派なものにしてやって……それと厩舎を広くするのも良いかもしれない。

 

 馬も白ギーもかなりの数となってこれからも仔を産んでくれるだろうし……今のうちから広くしておくのも悪くないだろう。


 どんどん数を増やしているガチョウの小屋も広げてやりたいし……他にもやりたいことは山のようにあるし、ジョー達の仕事とかも考える必要があるだろうし、イルク村はまだまだこれから……しばらくの間は忙しくなりそうだ。


 そんな感じで皆からの報告を聞き終えた私は、とりあえず今出来る仕事からしていこうと立ち上がって背伸びをし……まずは私の席を片付けるところから始めるのだった。


お読み頂きありがとうございました。


次回はこの続き……行商再開に関してのあれこれです。



そして今回も7巻用キャラデザ公開です!


挿絵(By みてみん)


まずはディアス!

エルダン達が用意してくれた貴族らしい衣装! 

本人はしっくり来ない様子


挿絵(By みてみん)


そしてセナイとアイハン

隣領での耳隠しモードです。


人前では常にこうして、おしとやかなお嬢様をしています。


キャラデザラフはまだまだありまして……次回はあの三人を予定しています!

ご期待ください!!



それと別作品のお知らせです

今月15日に発売した私が手掛けた別作品『大江戸コボルト』書報の方にも記載されましたので、気になった方はそちらをチェックして頂ければ幸いです!

よろしくお願いいたします!!



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― 新着の感想 ―
[一言] 村のみんなも普段通りの生活をして 村を守ってくれていたんですねぇ でも領民も増えた事もあって色々モノが入り用に なってきましたね まぁ、何はともあれまずは一歩からですね
[気になる点] ディアスの貴族姿…似合わない(笑)。 [一言] >伯父さんとヒューバートは、イルク村を今後どう大きくしていくか、なんてことを話し合ったり 結構急スピードで発展していると思うんですけど…
[良い点] 一気に人が増えて順調に領内発展の礎が育ちつつありますねぇ。 [一言] ディアスの貴族風装束、似合っているじゃないですか。彼のことをよく知っている人は手放しで褒めてくれるでしょうが、後ろ暗い…
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