001「Prologue 現代の7つの大罪と7つの社会的罪の痕」
7つの大罪・7つの罪源の7つの社会的罪は、リアルな物ですが・・・
普通に現代にある最新の物を「私なりの解釈」で混ぜてあります。
気になった方は、ググってみて下さい。
「Prologue 現代の7つの大罪と7つの社会的罪の痕」
「理念を持ち合わせない政治家」は、多額な賄賂を受け取り
「社会的不公正」の活きる場所を作り上げ
「道徳を身に付ける事のなかった商業家」は、それを喜んで利用した。
貧富の差は開き・・・
「過度な裕福さ」を持つ者と「貧困」に喘ぎ苦しむ者達の
生活水準の差は、面白いくらいに大きく開いて行く
「献身さを失くした信仰宗教家」は・・・
乞い求められる精神的な救いと、相手の弱みに付け込んで
心に隙のある者達から、無遠慮に御布施を集めては私腹を肥やし
「人格者に成りきれなかった学識者」は・・・
金持ちから差し出された、金銭の金額の多さに応じて
金持ちにとって、都合の良い事を真実の様に言うようになる。
こうして、金を持たない者達や
人心掌握合戦に負け、没落し手持ちの金を失った者達は・・・
簡単に「人間性の無い科学者」の手に落ちて
「人体実験」の餌食となり、「遺伝子改造」の材料にされて行く
「7つの大罪」は芽吹き・・・
「7つの社会的罪」を栄養にして、順調に成長して花を付ける
世界は誰がどう見ても、順調に腐敗していた。
貧富の差、関係なく「労働なき富を得る者達」は・・・
心の渇きを癒す為、薬に手を出し「麻薬中毒」になり
それを含めた総ての「良心的ではない、快楽に溺れる者達」は・・・
社会的な「環境汚染」に気付く事も無く
日々をそれなりの方法で、普通に過ごしていた。
一度壊れた秩序は、簡単に元に戻る事は無く
毎日、大なり小なり世界の何処かで…身近な場所で…
紛争や抗争が起きる状態に陥る
そんな誰でもない、誰の味方でもない
でも、人間達の手で「傷付けられ続けた世界」は
今までの傷みを人間に返還する様に
地震と、それに伴う大規模災害を人間へ向けてプレゼントした。
「傷付けられ続けた世界」から贈られたギフトは
人間が作り出したパンドラの箱を開封して、世界のルールを変更する
ルールが変更された世界で・・・
「海・川・湖・池」の周辺、雨の日・雨上がりの水溜り
そんな場所に『魔物が出た!』と、言う噂が出てきた
同じくそんな場所で
「心臓を抉られ、血を抜かれて乾燥させられた死体」が
頻繁に見付かる様になって『ヴァンパイアが出た』と言う噂も広まった
同時進行で『街の人間が消えた』と言う神隠し的な噂も出始めて
ファンタジックでホラーな噂が冗談抜きで
当然の如く、当たり前の様に普通に舞い込む様になって行く
噂が噂で無くなり、真実だと言う事に人間達が気付いた頃には
腐敗が世界中に余す事無く広がって、至る所に大罪の花が咲いていた。
大罪の花…「魔物」は、真水を吸い上げ
人間から全ての液体を吸い上げて、去って行く・・・
飲み水に適さない海の水以外、生きるモノ達が「生きる為に必要な水」を
「人間が簡単に手に入れる事」だけが、難しくなった
水を得る機会を奪われ、衛生面が保てなくなって
弱い人間達から死んで、人間の数が減り・・・逆に、森は元気に育ちゆく
人間以外の「植物達・動物達」は、魔物に護られ幸せになった。
数を減らし、魔物から隠れ住む様になった人間達の中に
「手首や足首」の「皮膚が硬く」なり、「鱗状」になる謎の病気の噂が広まる
暫くして、噂は噂でない事が政治家や学識者達から発表され
生き残っていた他の政府や、自治者、統治者、医者を通じ
全ての人間に「謎の病気対策の予防接種」が義務付けられた事を
通達したのだが、しかし・・・
予防接種を受け、予防接種で病気を発症した「子供や大人」が、現れ
証拠隠滅かの様に、政府機関に連れて行かれ…帰って来なかった為に
暴動が起き予防接種は禁止された。
こうして横の繋がりが断ち切られ、繋がっているのは
昔作られたソーラー発電や風力発電
海の波を利用した水力発電からの電気で命を繋ぐ
インターネットの情報だけとなる
予防接種のトラブル以来・・・
大人しく目立たないタイプの人間を中心とした
10歳~12歳「プレティーン」と呼ばれる、思春期な時期の子供達が
神隠しに遭う事件と、同じく物静かな大人の失踪が増えていた。
そこから数年経つと・・・
一部の神隠しと失踪が、人体実験をする者達の仕業であった事が分かり
「手首・足首」の「皮膚が硬く」なり、「鱗状」になる謎の病気の先
「患者がどうなって行くのか?」に、ついては・・・
「水の中でしか生きられなくなるだけ」だと言う事が知れ渡る
その病気は「人魚病」と名付けられ・・・
患者は生き残る為に、海の中や湖の中で生活する様になる
理解ある人間達は・・・家族を護る為、一緒に生きて行く為
徐々に「大きな湖の畔や海辺」へと、移住して行ったのだった。
何時しか人間達は魔物に慣れ、魔物との戦い方を覚え
要塞を築き、1か所だけ海水や湖水を引き込み警備し
人魚病患者と協力して生きて行く生活の場を作るようになる
そんな中でも、病気を怖がり畏れ
病気を理解できずに、患者を殺す人間達も存在したが
その者達の殆どは、人魚病患者が海から齎す幸
豊かで安全な生活に目が眩み・・・どうしても、受け入れられない少数を残して
人魚病の患者の世話になりながら要塞の中で生きて行く事を選んでいった。
有効性のある共存の御蔭で
人魚病は次第に病気として認識されなくなっていく
人間達は自分達を納得させる為、大昔の人魚伝説を思い出し
病気ではなく隔世遺伝なのだと思う様になる
人魚病患者は・・・
本物の「人魚」として「マーフォーク人種」と言う単語を手に入れ
皆で、生きる場所を得る事が出来た。
そんな認識も変化して、時と供に擦り減って行く
長い年月を越えると昔、非常識的だった事柄でも定着して
当たり前で、常識的な存在に成り代わる
人魚の存在然り、魔物の存在然り・・・
それに依存した生活も
それによって変化した生活も、総じて普通の事になった。
人間の生活は・・・
魔物に襲われる事の少ない「マーフォークの存在」無しでは
難しくなっていく
綺麗にしなければ飲めない「川の水・湖の水」は
危険を犯せば、人間にも手にする事はできたが
重宝できやしなかった
綺麗でも、魔物に狙われ易い「雪解け水・湧水」では
マーフォークでさえ、リスクの高さを考えると割に合わない
だから・・・
マーフォークが安全確実に手にして帰って来れる
海洋深層水と言う真水と、海産物は
無くてはならない「生活の基礎・糧」となったのだ。
人間達は、犯した大罪と社会的罪に対する罰を受け入れ
普通に、それなりの幸せを感じながら生きて行く事を
誰も知らない間に選んでいた。