四
「そう、そりゃ良かった」
ケータイ越しに茜の声が聞こえる。どうやら元気そうだ。
「あ、うん。わかった。ありがとね」
用件が済むともう授業が始まるからと言って切られてしまった。ちょっとタイミング悪かったかなと潤子は反省した。
……あれから二週間ほど経った。あの後、部屋で寝ているのを潤子の母親が発見し、毛布を掛けてそのまま寝かせてくれたらしい。二人が起きたとき、キッチンの方から母親の声がして二人してびくびくしていたのも恥ずかしながら覚えている。
結局アイツは何だったのか。人間ではないのは確かだが、何故あのようなモノが存在するのか。何故茜を狙ったのか。そして、あの時に部屋に入られていたら、今頃二人はどうなっていたのか……。
今となってはわからない。
「さて……ゲーセンでも行こうかな」
寂し紛れに独り言を呟くと、ベンチから立ち上がり、駅前から見えるゲームセンターへ歩き出した。
「……?」
ふと、視線を後ろに戻すと、カラッと晴れているにも関わらず真っ黒い傘を差した人が電柱の下に立っていた。これだけ寒いのに薄手のワンピースを着たその人は深く傘を被っているため顔は口元までしか確認できないが、服の色と比べても不気味なほどに白いその肌には見覚えがあった。
潤子はすぐに目を逸らし、早歩きで人ごみに身を隠した。歩いている間、背中に感じる視線。その正体を見ることはできなかったが、背後、深黒の傘越しに、
――――ジュンチャン。
ソレはそう呟いた………………気がした。
どうも。紅陰ニート改め、あかにーでございます。
今回は前から煮詰めていた「ホラー」を書かせていただきました。
中身が無いですね。次も頑張ります^^
今年の冬から私が「編集」となるので、他の奴らにもビッシバッシ
鞭打っていこうと思いますフハハ。ではではノシ