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第1話:悪夢との再会

「ウザい」

「死ね」

「気持ち悪い」


それが私の事らしい。

小学校時代…5年生の頃から私がクラスメイトに何かしたという訳でもないのに…


13年経った今も世間に相次ぐ、悩み。苦痛。

自殺。


綾子は朝のニュースを重い気持ちで見ていた。軽い吐き気を催す。


横では父が

「またか…本当、最近の子供って怖いな…」

と呟きながら目玉焼きをご飯にかけている


「そうだね…」

綾子も力なく呟いた


怖いのは…今に始まった事じゃない。

私が両親に何も言わなかった。

だから両親は私が過去に同じような経験をしていたなんて知る訳がない。

なぜ言わなかったかといえば…心配をかけたくなかったし…白い目で見られるのが嫌だったから…。


「いってきまーす」


結局

綾子はそれ以上に箸をつけないまま家を出た


通勤中の電車でいつものように眠り、会社まで辿り着く。


朝のニュースに関して何も感じてない訳ではない。

とにかく今の毎日が忙しかった。


今現在24歳

来春に結婚も決まっている。仕事もようやく慣れて来て早3年。

安定しているのだ。

幸せなのだ。


なのに。


どうしようもなく不安になる時がある。


突然周囲の人間が怖くなる。


派手な人を見掛けると逃げたくなる。


基本的に男性が苦手。


何かしら後ろ向き。


綾子の過去の悪夢の日々は将来にこんな爪痕を残していた。


決して消えやしないだろう。


そんな気持ちをぼんやり抱きながら出社し、タイムカードを押す。


ぼんやり感を残しながら昼食をとりに従食へ向かう。


あれ?


営業課に男性の新入社員が入ったみたいだ。

営業課のマネージャーが熱心に新入りに話している。


綾子が横を通り過ぎようとした時。


信じられない横顔が視界に入る。


綾子はなるべく遠くの席に座り、手を握り締め俯いた。


「う…そ…!?」


見覚えのある顔。

派手ではないが、背の高く色白で目付きの少し悪い顔だち。


次々に蘇る悪夢達。


綾子はしばらく動けなかった。


彼は5年生の頃のクラスメイトで綾子をいじめていた男子のリーダーグループの1人だった。


忘れもしない


岡本敬二


帰りに別人である事を祈る気持ちでタイムカードを確かめて見ると…やはり彼の名があった。


また…あの時のような悪夢のような毎日が…!?

綾子の手は震えていた。


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