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火蓋を切れ!-高校防衛戦線-  作者: 電脳太郎
11/21

火薬と友情と、最後の号砲

 合宿最終日。

 その朝、防衛部の面々は一枚の作戦図を囲んでいた。


「これが今日の大演習の戦場か……」


 そこに描かれていたのは、廃村。

 木造家屋、空き地、竹藪、吊り橋。まさに“実戦さながら”のフィールドだった。


「赤チームと青チームに分かれ、村中央にある旗を制圧した方が勝ち。ただし、旗の周囲には“花火地雷”が埋まってるらしい」


「なんで最後に芸術点求めてくんのよ……」



 紫陽高校は青チーム。味方には、昨日撃たなかった晴栄館の部長・日向もいる。


「昨日のお返しだ。今日は“ちゃんと撃つ”つもりだよ」


「うん、それはそれで怖ぇわ」



 午前10時、合図の爆竹が鳴り響き、戦闘開始。


 カイは、狙撃手の福田、偵察担当のマナ、そして日向と共に西の竹藪ルートから侵入する。


「福田、距離は?」


「……50メートル先に、敵バリケード。3人、前装銃構えてる」


「よし、合図と同時に――撃つぞ!」


 パァンッ!!


 「ってお前が撃つんかい日向!!」


 「昨日のぶん、我慢してたんだ」



 一方その頃、赤チームの“演出特化”炎龍学園は――


「準備は!? よし、発射!!」


 ゴォォォォォォォオ!!


 彼らは、村の家屋を背景に、火薬と色煙で巨大な龍の幻影を作っていた。


「お前ら何しに来たんだよ」



 戦場は混沌としていた。


 各校の得意戦術がぶつかり合い、村の中央には次第に煙が立ちこめていく。


「これ、もはや火事では?」


「合法です!」



 その最中、カイは中央の旗へと迫っていた。


 だがそこには――赤チームの主力、狙岳学園の精密射撃手が待ち構えていた。


「……来る!」


 銃声が響く――


 が、フクロウくんがカイの前で爆散した。


「自己犠牲AIすぎるだろフクロウくん!!!」



 その隙に、日向が左から回り込み、狙撃手に警告射撃を浴びせた。


「その手、引けるかい?」


「……チッ、引く。だが次は当てるぞ」



 村中央。花火地雷ゾーン。


 カイが最後の一歩を踏み出す。


 旗に手が触れる――


 ドォォォォン!!!


 頭上に五色の火花と、**「祝・友情」**の文字が打ちあがった。


 紫陽高校の勝利だ。



 その夜。


 合宿最後の表彰式で、カイたちは「**最優秀連携賞(友情による不発防止)」を受け取った。


「それ、誉められてんのか?」


「たぶん“派手にやったけど死人出なかったで賞”だな」



 日向が、そっとカイに言った。


「君たちは、撃ち方も、撃たない覚悟も持ってる。……これから、もっと強くなる」


 「お前らこそ、もっと笑えよな。あと、撃つときは先に言え」


 二人は、火薬の匂いの中で、拳を軽く合わせた。

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