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旦那様、愛するつもりがないのはお互い様でした  作者: maruko


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9話

「先ずは顔合わせだな」


「姉様ちょっと待って!早すぎない?」


王妃の言葉に私は慌てて反論した。


「だが、王妃命で囲いこむのだ。どの道顔合わせは早いに越したことはない。それに一刻も早く現状を見極めたい」


「ホリシオン様、お願いします」


宰相まで頭を下げて来るから渋々OKしたけれど、今日聞いて明日って⋯いくら何でも早くない?

私は差し出された計画表を見て溜息を吐いた。

それを見た私が後悔したのは言うまでもない。

計画詰め過ぎでしょ!

しかも“委任”って何?

計画の横に度々出てくるこの言葉、どういう事?


「それはお前の好きにしていいって事だ」


いとも簡単に言っちゃってくれてる姉様は、涼しい顔をしているけれど「どうせ思いつかなかったんでしょ!」と問い詰めると目が泳いだ、ビンゴだ!


杜撰な計画表は誰が考えたのだろうと、思わず私はぐるりと見渡した。

何人かが目を逸らしたから、彼等を私の脳内にインプットした。

(扱き使ってやる!)


あれ?でも⋯⋯。


「姉様!前半と後半の計画の合間が半年ほど空いてますけど、何もしなくて宜しいのですか?」


「あぁそれは前半で何があるか分からないからな予備だ、だがもし順調に結婚まで行けそうなら、その間は留学しても良い、但し婚礼の日までには帰国するように」


私は俄に自分の顔が綻んだのを感じた。

この計画表は前半が結婚する前、後半が結婚後に別れている。

だからもしも嘖嘖と計画が進んで日程に空きが出来たら留学も可能ということになる。

私はニンマリと笑った。

本当は心の中でほくそ笑んだつもりだったけど、実際に顔に出していたみたい。

後日ケトナー卿に指摘されちゃった、

「怖かった」って酷いでしょ!

婚姻の日は約一年後私が学園を卒業してからに決まっている。


それ迄に少しでもミナリーとサッセルン侯爵の関係を暴かなきゃ。

だけど彼等が本気で想い合っていたら⋯

あの告発のメモが嘘だったなら⋯

彼等にとって私って⋯⋯


あぁ止めよう!

実行する前から後ろ向きなのは、成功するものもしないわ!


取り敢えず明日に備えて活力を養わなければ!


私はその場を後にした。

その横を護衛と称してケトナー卿が犬のように尻尾をふりふり付いてきた。


この方を如何しろと言うのかしら?宰相様






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