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追放少女と成長

ワイトを斬った後、部屋には静寂が訪れた。

凪咲は息をつきながら、目の前の光景を見つめていた。

ミナの身体から漂っていた黒い霧は、すでに霧散している。

しかし、彼女の体は完全に元に戻ったわけではない。

肌の色が変色化してしまっていた。


「……ミナ」


凪咲は少し戸惑いながらも、ミナの状態を確認した。

彼女の肌は肌が日に焼けたかのような褐色となっているが、それ以上の異常は感じられない。

ミナはそっと目を開け、こう呟いた。


「おいしかったー」


ミナはふわりと微笑む。

その笑顔に、凪咲は心から安堵した。

どうやら、斬られた悪霊の残骸は全てミナに捕食されたたようだ。

しかし悪霊を捕食して大丈夫なのだろうか。


「君の身体、少し黒くなってるみたいだけど」


凪咲は少し心配そうに言う。

ミナの体が変色したのは恐らく悪霊の影響だろう。

だが、それでもミナが元気そうで、凪咲はひとまず安堵することにした。


「美味しかったから、大丈夫だよ」


それからミナは申し訳なさそうにこう言った。


「本当はお姉ちゃんを寝かせておいてあげたかったんだけども、ごめんね」


ミナの言葉に、凪咲は少し驚き、そして心が温かくなるのを感じた。

ミナは本当に、凪咲を思って行動していたのだろう。

その結果、一人でワイトに立ち向かったのだ。


「ありがとう、でも、次はちゃんと一緒に戦おうね」


凪咲は優しく言った。

すると、ミナはうれしそうに顔をほころばせ、言った。


「うん、お姉ちゃん!」


その後、二人は少しの間静かに座っていたが、ふとミナが立ち上がった。


「あれ、お姉ちゃん、見て!」


立ち上がった拍子に何故かミナの体が浮き上がる。

目を見張る凪咲の前で、ミナはふわりと手を広げ、まるで空気を切り裂くように宙に浮かび上がった。


「わ、ミナ……?」


凪咲は驚き、立ち上がって彼女を見つめた。

ミナはくるくると空中で回りながら、嬉しそうに言う。


「見て、お姉ちゃん!わたし、浮いてる!壁もすり抜けられるよ!」


その言葉に、凪咲はしばらく言葉を失った。

ミナが浮いているのを見て、凪咲は驚きと興奮が交じり合った。


「それ……まさか」


ミナが悪霊を捕食したことで、霊体化の能力を手に入れたようだ。

今までのスライムでは考えられなかったことだが、どうやらそれがミナに与えられた新たな力だった。


「すごい……でも、無理しないでね」


凪咲は少し心配そうに言ったが、ミナは元気よく応えた。


「うん、でもお姉ちゃんと一緒なら何でもできる気がする!」


その言葉に、凪咲は微笑んだ。

ダンジョンに入って予想外の事ばかりだ。

私の剣も万能ではない。

だが、それでも。

二人でならそれらを乗り越えていけるだろう。

ミナの無邪気な笑いを見ていると、そう思う。


「よし、行こう、これからも、ずっと一緒だ」


ミナはうれしそうに頷き、凪咲とともに前を向いた。

新たな力を得た彼女と、強くなる決意を持った凪咲。

二人の冒険は、まだ始まったばかりだった。


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