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ファーストコンタクト

監視者の作った《ゲート》とか言う空間の歪みに入る前にボクはいくつか説明された。


一つ、ゲートを使って世界と世界を渡るとき、生物以外は消滅してしまう。


もちろん服は生物では無い、だからゲートを潜る前に服を脱ぐこと。


二つ、世界と世界の狭間を通ることにより体に変化が起こる可能性があること。


大まかに言えばその二つか。


監視者と言っても女性の前で全裸になれるほどボクの精神は強くない。


なのでボクは水着に着替えてゲートを潜った。もう学園に行かない以上は必要ないから。


ボクはゲートに入った瞬間から意識が無く、気がついたらこの草原に立っていた。


最初はただ違う世界がどんな場所なのかという好奇心が挫かれたのは言うまでもない。


なんせ最初に出たのは何も無い草原なのだから。


でもそれは感謝した方が良かった、何せ今の自分は恐らく全裸だ。


水着は監視者の言う通り消滅してしまったのか肌に当たる風が寒い。


ボクはとりあえず服を着ようと思い、手を前に突き出した。


「開け、幻想空間(イマジンルーム)


ボクがそう呟くと、目の前に真っ白い扉が現れる。


ボクは何も言わずその扉を開くと迷わず中に入った。





ソコは壁も天井も真っ白な部屋だった。


この部屋こそボクが全知全能の力で最初に作った空間だ。


違う世界に行く=拠点が必要


そういった思考が生み出したイマジンルーム


此処にはボクの服や元の世界で必要かと思った物が収納されている。


ボクはクローゼットを開くと服を何着か取り出してふと気がついた。


自分の体にどんな変化が起こったのか?


そう思うと予め作っておいた浴室の脱衣所に入り、等身大の姿見で自身の体を映した。


髪の毛が真っ白になっていた。コレは問題ない。


瞳の色が炎のような真紅に染まっていた。コレも問題ない。


胸が膨らんでいた。・・・・・大問題だぁあああああああ!!


それに気がついた瞬間、ボクは姿見を食い入るように見つめる。


ソコにはあどけない表情をした白髪紅眼の全裸の美少女が、


此方を食い入るように見つめている姿が映っていた。


街中で見かけたら思わず目で追ってしまうような、


近くに居たら声を掛けてしまいたくなるそんな美少女にボクはなってしまった。


年齢的には10代前半くらいに見える、それでも全裸の美少女だ、


ボクの鼻から一筋の赤い液体が・・


ヤバい、此れはとてつもなくヤバいぞ。


いくら初見とは言っても自分のこの世界での姿に欲情してしまった。


ボクは数分間 (うつ)になりかけていたが、ふと気づく。


ボクは本当に女になったのか?


確かに胸は膨らんでいる。だが肥満男性でも胸はある。


ボクは恐る恐る自分の男の象徴を確かめた。



数秒後、屍になったボクが転がっていた。


えぇ、完全な女になってましたよ、はい。


ボクは鼻から滝のように流れる赤い液体が止まったのを確認してから自分の体を調べ始めた。


主に身長と3サイズだ。


服は前の世界のボクの物しかない。


したがって明らかに体格の違う今のボクには着ることはできない。


髪もだいぶ伸びているようで腰まであった。


身長は142センチか、コレは思っていたより縮んでいる。


3サイズは此処では言えないが出る所は出て締まる所は締まっていた。


もしかしたらインドア派だった前のボクより健康体かもしれない。


力や体の動きも確かめたったが、その前に服が着たかったのでクローゼットまで再び戻る。


ボクは自分が着ようと思った服を取り出すと、今の自分に合うよう改造する。


勿論、全知全能の力で・・・


まずは下着。ブラジャーなんてものは持ち合わせていないので、


薄いシャツを着てボクサーパンツを穿く。


その上から僕の改造し、特殊効果を付けた黒のズボンとワイシャツを着る。


付けた特殊効果は伸縮自在に形を変えることと自動再生効果だ。


ボクは黒いロングコートを羽織った。


このコートは亡くなった父親の形見だ。


ボクが5歳の頃に大学を出るまでに必要な額のお金を残して死んだ父。


そんな父との唯一の思い出の品だ。


前のボクでも丈が長くて着れずしまわれていたモノだが、


全知全能で改造する事で着れるようになった。


ボクはどうしてもこのコートに傷つけたくなくって伸縮自在の他にもう一つ効果をつけた。


それはコレボクがを着ることによって、


どんな攻撃も霧に攻撃したかのように僕の体を通り過ぎてしまうというモノだ。


ある意味無敵の効果だ。そして改造したことによってあまった生地で作った黒いマントを羽織る。


このマントはフード突きで自動再生効果と、


着ることによって気候の変化を感じさせなくする効果を付けた。


これでどんな厚着でも熱くないし薄着でも寒くない。


コレによって全身黒尽くめ白髪紅眼の少女が出来上がった。


ボクはとりあえずイマジンルームを出て再び草原に出る。


これからこの世界に住む人たちとのファーストコンタクトに向わなくちゃいけない。


その為に公用語と一般常識を知る必要がある。


ボクは全知全能を発動して情報を集め始めた。

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