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勝ち残り戦②-目当てのものは最後にいただく。


相手は、第二皇子の近衛軍の2番手、日本風に言えば次鋒(じほう)だ。


1人目を倒して満身創痍だったツバキ隊長を一撃で倒した相手。


その時に見えたが、武器は十字架のような形の剣のようだ。


その相手が今、仮面とマントを脱ぎ去ってボクの前に立っている。


見た目は10代後半の優男だ。


ただ、(まと)っている空気が違うというやつだろうか?


あきらかにレンの近衛騎士たちとは雰囲気が違う。


殺人鬼。そう、彼に似たモノをボクは感じていた。


「君がチームリーダーですか? 見るからに人数あわせで連れてこられたようですね。」


男はボクを観察するように見ながらそう聞いてくる。


「何故そう思ったんだい?」


ボクは笑みを浮べながらそう聞いた。


「ん? そうですね。君が戦士の目をしていないから、ですか・・・


どちらかと言えば民の目、戦う者では(まと)わない平和ボケした空気をしているからですね。


いまから棄権するなら見逃しますよ?そんな空気で対峙されていると殺したくなるのでね。」


なるほど、ここまでの力量を持つと物事の本質が見えてくるわけか。


まぁ、ボクを殺せるかと言われたら、NOと答えてあげよう。


「そうかい? だったらボクの答えは否だよ。」


「そう・・・ですか!」


答えながら男はボク目掛けて十字架形の剣を振り下ろした。


振り上げる動作も見えなかった。


そのままボクの体を剣が切り・・・裂かなかった。


「なっ!? ・・・手ごたえが、無い?」


男は驚くような顔でボクを見る。


ボクのロングコートは、どんな攻撃も霧に攻撃したかのようにボクの体ごと通り過ぎてしまう。


だからボクへの攻撃は無意味。


「もう終わりかな? だったら今度はボクから行くよ。」


パチンッ・・・


指を鳴らした瞬間、男は吹き飛ぶ。


「ぐぅっ・・・な、何なんですか、ソレは!?」


上手く体勢を立て直した男はボクを、


いや、ボクの体を(おお)うソレを指差してそう聞いてきた。


ソレは漆黒の魔力で形成されたボクの3倍の大きさの半透明な鎧武者の上半身。


右手には身の丈を超える大きさの刀を持ち、無手の左手が男を殴り飛ばしたのだ。


コレが古代無属性魔法『魔神の鎧』


最上級までの無属性魔法とはまったくことなる古代無属性魔法の力。


最初に知った時に思ったのは「ナ○トのス○ノオみたいだな・・・」だった。


「どうする?棄権するなら見逃すけど・・・」


ボクは男に言われた言葉をそのまま返す。極上の笑みをプレゼントしながら・・・


「・・・前言を撤回させてもらいますよ。君は私達以上に危険な目をしている。


私では相手になりませんね。いえ、君の相手をできる存在は居ないのかも知れません。


ここはお言葉に甘えて棄権させてもらいます。」


「懸命なご判断だことで・・・」


「勝者、マヤ=ウェイデッド!」


男の降参宣言によってボクの勝利が審判によって高々と告げられる。


残りはあと2人か、先が長いね。


まぁ、最後の相手はあの男だから、楽しみだよ。

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