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うまい! やっぱ貧乏舌には庶民の料理っしょっ!

城下街ツアー最終章です。


説教・・・


それは相手の時間を奪う最凶の呪文。


慣れない者ですら数十分の時間を奪い、慣れた者なら数時間も相手を縛る。


恐ろしきその力をボクたちは今、ツバキ隊長によって振るわれている。


レイナちゃんのおこした乱闘騒ぎは王城に居たツバキ隊長にまで伝わって、


レイナちゃんを止めに来たら、行動不能のゴロツキたちの周りにボクたちが居た。


レンを連れ出したことと、暴力行為に及んだことを散々叱られた。


ボクは正当防衛だったのにと言えば、レイナちゃんを止めなかったのが悪いと言われ、


ボクは2人に連れ出せれたと言えば、お前が紛らわしい格好をしているのが悪いと言われる。


はぁ、やれやれ、どうしたモノか・・・


レイナちゃんに助けを求めようと視線を向けても涙目だし、


レンは何が面白いのかニコニコ顔で説教を受けている。


これはどうしたものかな?


「まぁまぁ、その辺で良いじゃないかツバキ君。」


説教を受けていると後ろから若い男が現れてツバキ隊長の肩に手を置いてそう言った。


ボクはこの黒髪の青年を知っている。そう、第二皇子レクテス。


「・・・これはレクテス様、貴方のようなお方がこのような場所に何用ですか?」


たしかにこのような場所だ。ここは道の真ん中だ。


こんな場所で皇女様を説教するのはどうかと思うよツバキ隊長?


例の襲撃の犯人であることを知っているツバキ隊長は警戒しているようだけど。


今のボクにはこの反吐が出るような男が天使に見えた。


それはボクの胸のうちだけにしまっておこう。たぶん墓の中まで持っていく秘密になるね。


「なに、レンが困っているなら兄として助けてあげようと思ってね。」


何が兄としてだ、吐き気がする。


おっと、どうもボクはこの男が嫌いなようだ。


だまし討ちを平気な顔でする奴だからかな?


決して相容れない関係だろうね。


「おぉ、コレは素敵なレディー。謁見の間でも会ったけど素晴らしい美しさだね。


いささか幼すぎる気もするけど、それはそれで人形のような可愛らしさがある。」


なんだ?誰を口説き始めたんだ急に・・・


「名前をお聞かせて頂けるかな? 白髪のレディー。」


ボクか? ボクを口説いていたのかこの男は?


うぅ、寒気がしてきた、背筋に冷や汗を感じる。


「・・・マヤ=ウェイデッドです。」


「なるほど、美しい名だね。どうだい?15になったら僕の彼女にでもならないかな?」


いまから君の成長が待ち遠しいよと言いながらボクを見てくる第二皇子。


「ご冗談を、ボクのようなモノは貴方に相応しくないですよ。


それと勘違いしているようですが、ボクはこう見えて18ですよ。」


「「「「「じゅうはちぃ?」」」」」


おぉ、第二皇子だけでなく、


レンやツバキ隊長、レイナちゃんあと野次馬の皆さんがそう声を上げた。


いや、確かに身長低いけどさ・・・いくつに見えてたんだろう?


「見えませんか?」


「いや、驚いたよ。まぁ、18なら堂々と君に求婚できるね。」


うげ、やめてくれ・・・


「じゃあ僕はもう行くよ。じゃぁね、レンとマヤ君。」


やっと行ったか・・・ 死ね、イケメン!


「さて、ツバキ隊長、説教はコレくらいにしてご飯でも食べに行きましょうか。」


ボクは呆けてる3人に笑顔を向けてそう言った。


いい加減、空腹で倒れそうだ・・・


「あ、あぁ・・・」


ツバキ隊長はそう言いながら正気にもどる。


「待ってください、18歳って本当ですか?」


いきなりレンに手を掴まれてそう聞かれた。


「え? そうだけど?」


「見えません!12,3歳くらいだと思ってました!」


おい、大声で何を悲しいことを言ってくれるんだこの()は?


「レン、人のコンプレックスはいじらないようにしましょう。」


ツバキ隊長がレンをボクから引き離してそう言っている。


聞こえてるよ? あ、わざとかな?


ぽんっ・・・


ん? なんだいレイナちゃん?


その「わかってるから、何も言わなくても良い」って言いたげな顔は・・・


はぁ、やれやれ・・・





ツバキ隊長に連れてこられた飲食店は、地味だけど美味しかった。


ピヤングっていう料理が印象的だった。


レンとレイナちゃんは味が薄いって言ってたけど、


王城で出された料理は豪華すぎるから、


貧乏舌のボクにはコレくらいがちょうど良かった。

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