自重しよう。何事もやりすぎてはいけない・・・(汗)
久々の更新です。
詳しくは作者の活動報告を読んでください。
「マヤさんに触るな、下郎が!」
そう怒鳴ったのはボクではなく、なんとレイナちゃんだった。
使おうと準備した鋼糸をしまって、ボクは後ろに居るレイナちゃんを見る。
「おいおい、いきなりそれはないんじゃないか、獣人の譲ちゃん?」
ボクの肩に手を置いてる男がそう言う。口調は軽いが顔には青筋が浮かんでいる。
「黙れ! 聞くだけで耳が腐るような声で私に話しかけるな。」
さっきまでと完全に別人のようなレイナちゃんにボクは内心ビビッていた。
どうしちゃったんだい、レイナちゃん?
ボクは困惑した表情でレンをみる。 あ、顔をそらしやがった。
「譲ちゃん、謝ったって許さんぜ?
ただ、今謝れば半殺し程度で我慢してやる。」
リーダー格の大男がそう言いながら剣を抜く。
他の男達も各々武器を取り出してそれをボクたちに向けてきた。
やれやれ、いくらなんでも挑発しすぎでしょ・・・
ボクは怒るようにレイナちゃんを睨む。
「心配しなくて大丈夫です。マヤさんの手を煩わせるような真似はしません。」
レイナちゃん、ボクが言いたいのはそういうことじゃ・・・
はぁ~、まぁ1人でやるっていうなら好きにやらせよう。
ボクは後ろに下がってレンの腕を軽く掴み安全そうな場所まで下がらせる。
「マヤさん、レイナなら心配いりませんよ。」
ボクに止めるように言ってくるかと思ったが、レンの口からはそんな言葉が・・・
自分の近衛軍を信頼してる程度のことかと思う。
近衛騎士が街のゴロツキ程度に負けてもらっては試合が不安になるからボクは何も言わない。
「てめぇ!」
レンと話していると後ろから男達の怒声が聞こえてきた。
視線を戻すと何人もの男たちと殴りあうレイナちゃんの姿が。
殴りあうと言っても男たちは武器を持っていて、その武器はレイナちゃんにかすりもしない。
ただ一方的にレイナちゃんの拳や蹴りが男達に叩き込まれている。
ふと気が付くと、ボクは後ろから太い腕を首にまわされ、剣を突きつけられた。
「動くな小娘! お友達がどうなっても良いのか?」
いかにも三下のやられ役の台詞・・・
呆れを通り越して感動してしまう。小説ではお決まりの台詞だけど生で聞けるなんて・・・
「・・・くっ!」
レイナちゃんの悔しげな声が聞こえた。やれやれ、仕方ない・・・
ボクは、ボクの首にまわされた腕に鋼糸を巻きつけて引っ張った。
「ぎ、ギャァアアアアアアアアアアアアア!!」
男はボクを放り出すと傷口を押さえてゴロゴロと転がった。
因みに腕を切り裂いたわけじゃなく、皮膚を軽く裂いただけ・・・
数日で治るような怪我だ。それでもかなり痛いだろう。
「マヤさん!」
レイナちゃんが嬉しそうにボクのことを呼ぶ。
「ボクは大丈夫だよ、レンもね。だから集中しようね。」
ゴロツキとの喧嘩でも集中力を失ってはいけない。
ボクがそう言うとレイナちゃんはゴロツキたちに視線を戻し、
その後、十数分かけてゴロツキたちを行動不能になるまで殴り続けた。
ってか、武器いらなくない?
主人公以外では初の戦闘シーンでした。
レイナちゃん、怖っ!
いきなり叫びましたよ。
ゴロツキの皆さん、ご冥福を祈ります(笑)