居るよね、こういった奴らは・・・
ワンピースを着せられた。しかし実際に着てみたらなんてことない気がする。
たしかに今のボクにこのワンピースは似合っていた。悔しいことに・・・
ワンピースなんて着たことの無いボクはレイナちゃんに手伝ってもらった。
しかしその選択は間違っていたと思う。
なぜならボクがブラジャーかそれ準じる下着を身に着けていないことが発覚してしまったのだ。
文明レベルは中世くらいなんだが、様々な種族のいるこの世界では衣服の進化は早い。
様々な種族が着る服を作るんだ、着易く動きやすいをテーマに作っていった結果らしい。
そんなこんなで、ボクはブラジャーのようなモノを身に着けさせられている。
ワンピースでだ。ワンピースは百歩譲ってよしとしよう。
しかし、妙な胸の圧迫感はどうしても気になる。
まぁ、後で改造すれば何とかなるか・・・
ボクはワンピースの上からコートを羽織って、
残りの服を2人にバレないようにイマジンルームにしまった。
ワンピースを着させられた代償に、ボクは武器屋と靴屋に連れていってもらった。
武器屋には剣やハンマー,斧などRPG系のゲームだ馴染みのある武器が置いてあった。
中には見慣れない武器もあったけど、それはレイナちゃんに教えてもらった。
靴屋にはボクの理想とするブーツが見つかり、購入した。
昼食前にやることを終えたボクたちは適当に食事をとることにした。
実はレイナちゃんもレンも城下街の美味しい飲食店を知れない。
皇女様と、レイナちゃんは貴族の令嬢だったらし。
とうぜんと言えばとうぜんだ。
逆によく服屋や靴屋、武器屋を知っていたな?と聞きたい。
因みに聞いてみたら、知っていたのはレイナちゃんで、変装用に買に行くかららしい。
さすがに皇女様の近衛騎士になると庶民に変装して陰ながら護る仕事もあるらしい。
武器屋は王城御用達の店らしい。
そこまで売れているように見えなかったけどね・・・
さて、やれやれ、ご飯を食べる前に運動をしなくてはいけなくなっちゃったよ。
今、ボクたち3人はガラの悪い男達に囲まれている。
殺気は感じないからレン狙いの暗殺者ではなさそうだ。
となると街のゴロツキか・・・
どんな世界にもこんな奴らは居るんだね。
ボクはそう思いながら2人の前に庇うように出る。
レンはともかくレイナちゃんは護らなくても良いだろうけど、偽善心がボクを動かした。
「そんな、警戒しなくても良いだろ、お譲ちゃん?
なに、俺達の宿で楽しいことを教えてあげようって言ってるだけだろ。」
リーダー格の大男が卑下た笑みをボクに向けながら言ってくる。
「白髪なんて珍しいし、いっそ春でも売ったらどうだい?
お譲ちゃんみたいに可愛ければ直ぐに客が取れるぜ?」
「ちげーねーや!」
「「「ぎゃっはっはっはっはっ!」」」
そう良いながら男達は笑う。
ボクは呆れながらこの男達をどうするか考える。
こいつ等のターゲットはボクのようだし、2人をどう逃がすか・・・
「なに黙ってんだ?お兄さん達とお話しようぜ。」
そう良いながら男の1人がボクの肩に手を置いた。