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何事も準備ができてこそ成功に繋がる。

ボクは今イマジンルームに居る。何でかって?


それは例の試合まで後一月しかないので王都に向って明日この城を出るからだ。


イマジンルームがあるから準備は不要じゃないかって?


ボクが準備しているのは武器だ。本番では木製の武器ではなく真剣でやり合うそうだ。


死者を出さない事が試合のルールにはある。それなのに真剣を使うという事は、


真の強者なら真剣を使っても相手を殺さずに無力化できる筈だという考え方らしい。


真剣ありの試合なので鋼糸の使用は可だと言いたい所だが、


ボクは曲絃師の技は相手を殺す為の技という先入観を持っている。


正直に言えばまだ全能の力を使いこなせていないボクが,


対戦相手に使うと間違いなく殺してしまう。


それを考えると使用を禁止しなければならない。


もっとも相手に巻きつけなければ良いので鋼糸はサポート用に手袋に仕込むことにした。


ボクが鋼糸を仕込む為に用意した手袋は真っ黒な手袋だ。


コレはロングコートに合わせて町で買ったモノだ。


全能の力で防刃と耐電性能をプラスしてある。


防刃は鋼糸で手袋を駄目にしない事と、相手の刃物を掴むかもしれないのでその対策だ。


耐電は昔読んだ小説の曲絃師は糸に電気を流されて技が使えなくなっていたのでその対策だ。


それとボクは鋼糸の変わりにメインで使う武器を考えている。


ナイフや短刀は使いやすい。いっそのこと大剣なんて使ってみたら面白いかもしれない。


まぁ此処は銃も悪くは無い。余談だがこの世界には銃は無い。


魔法という遠距離攻撃のできるすべがあるこの世界には不要なのかもしれない。


だからこその銃だ。よし、銃にしよう。


ボクはイメージする。頭の中にある銃の形を・・・


掌が重みを感じて目を開くと、ボクの手の上に大型の片手用の白い銃が現れる。


この銃はボクの中の魔力を圧縮して打ち出せるようになっている。


つまりボクの魔力が無くならない限りは弾切れは無い。


名前はそうだな、白いから白夜(びゃくや)で良いだろう。


弾が魔力の塊なので魔法との相性も良い筈だ、炎の弾とかカッコいい。


因みに接近戦対策で、白夜は信じられない位に硬い。


こいつならよっぽどの武器が相手でないと傷一つ無いだろう。


銃身で相手の剣を受け止められるのは素晴らしい。


まぁ一応は接近戦用に短剣を2本作ってベルトに刺しておいた。


この短剣は投擲(とうてき)もできる形状で鋼糸と併用すれば相手を驚かせる位はできる筈・・・


これで準備は万端か。


ボクはイマジンルームから出て城の中にあてがわれた自室のベットに倒れこんだ


いきなりの魔物との実戦だけでもやれやらなのに対人戦までか。


実際に戦ってみてボクは如何に自分が反則的なのか理解した。


正直まだ戦い慣れをしていないボクが正規の軍人、


それもエリートに当たる人たち4人相手に良い戦いができたと思う。


それは恐ろしい事なのかもしれない。


ボクが彼らなら実戦経験は皆無に等しいボクのような奴に負けたらどう思うだろうか?


決まっている恐怖だ。強すぎる力は畏怖を抱かせ敵を作る。


だから極力使わないでおこう。


今のボクなら彼ら近衛軍に合わせて適当に戦えば何とかなるだろう。


この試合は5人一組で行われる。


5チームでサバイバルを行ってから生き残った2チームでの決勝。


決勝は勝ち残り戦で試合後にチームリーダーが立っていた方が優勝らしい。


因みに何故かボクはこのチームのチームリーダーを勤めることになった。


理由はボクが1番強いかららしい。まったくいくらなんでも過大評価だ。


ボクが勝てたのは勝利条件の甘さと、この反則能力のお蔭だ。


それを大部分は使わずにこの試合に挑むんだ、強さはツバキ隊長より弱い筈だ。


まぁそんな状況でも全力は尽くすつもりだよ。それだけは保障しておく。


さて、寝るとするか。休息も大事な準備の一つだ。


王都まで5日掛かるんだから今の内に体を休めないとね。

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