プロローグ
前に書いた作品が完結前なのに書き始めてしまった(笑)
気がつくとソコは草原。あたりを見渡してみても何も無い。
木の一本すら見当たらない。そんな場所にボクは居た。
ふと思い返してみる。昨日の夜の事を・・・・
ボクはいつもの様に学校の課題を終わらせて、眠ろうとしていた。
今日は課題をやっている気分じゃなかったけど、
学園では優等生で通っているボクにはやら無いわけにはいかなかった。
いままで課題を一度も忘れた事のないボクが、
もし提出しなかったらきっと先生が理由を聞いてくる。
今日の事は誰にも言うつもりは無いけど、彼女に知られたらきっと責任を感じさせてしまう。
そうならないようにボクは課題を終わらせた。
布団に包まってふと思い出す。
「ふられちゃったな~・・・」
ボクは思わず呟いてしまった。
ボクは今日、2年間片思いを続けていた相手に告白し、玉砕した。
(ごめんなさい、君の事を友達以上に見る事はできない・・・)
今日の彼女の言葉が脳裏を過ぎる。
明日からどのツラ下げて会えばいいんだよ。
「この世界から消えてしまいたい。」
ボクはそう呟いた。
だってもう彼女の顔を学園で見ることがボクには苦痛にかわってしまったから・・・
『ちょうど良かった!そういう人を探してたんだよね!』
急に幼い少女の声が響いた、耳ではなく頭の中に・・・
「失恋のショックで幻聴まで聞こえてきたよ。」
ボクは苦笑を浮かべて枕に顔をうずめる。
『幻聴なんかじゃないよ!こっちを向いて。』
グイッ!
再び幻聴か?と思った瞬間、首がいきなり自分の意思に反して横を向いた。
「・・・・えっ?」
言葉も出なかった。ソコには小学生くらいの少女が頬を膨らませて怒った表情で立っていた。
少女が何でボクの自室に居るのか?
それより少女の体が金色に光って見えるのは気のせいだろうか?
様々の考えがボクの頭を駆け巡る。
『困惑しているね、しちゃってるね。始めまして私は《監視者》です。』
監視者? 何だよそれ、そんなんが何の用だよ?
『ひどいな、君の言葉に答えて現れてあげたのに。』
少女はいつの間にか笑顔になってそう言う。しかしボクは背筋が寒くなるように感じた。
思考を読んだの?それにボクの言葉に答えた?
『世界から消えてしまいたい。君はそう言った。
ちょうど私もそういう人を探してたの。
だけどそれが勢いでの考えなら諦めるけど、どうする?消えてみる?』
少女は満面の笑みを浮かべて聞いてくる。消えたい人を探してた?
そこでボクの思考は一つの考えを導き出した。
《この世界で消える=違う世界に行く》
監視者がなんなのか知らないけど自殺希望者をさとしに来たようには見えない。
ボクは彼女が普通の人間には見えなかった。だから神だと言われても信じられる。
だからボクはあることさえ大丈夫なら消えてもいいと答えた。
『あること? あぁ、そういうことなら大丈夫だよ。』
少女がそう答えるとボクは消える決意をした。
『君が賢い人間で助かったよ、説明が省けて助かった。
ご褒美に準備期間と力をあげるよ。』
少女はそう言うと掌から光りをボクに向けて放った。
痛みは無い、ただ力が溢れてくるのを感じた。
『君が行くのは君が考えた通り異世界。文明レベルはこの世界の中世位だね。
魔物とか魔法がある世界だよ。楽しんでおいで。
あと、君にあげた力は全知全能の力だよ。本来なら神しか持てない力だけどあげるよ。
わかりやすく言えば何でもできるよ。例えば漫画の技が使えたりとか・・・』
うわっかなり反則的能力・・・
『もう使えるから準備しながら練習しなよ。じょあ明日のこの時間に迎えに来るね。』
そう言うと少女は去っていった。
ボクは自分の手を見る。少女が大丈夫だといってくれた事・・・
ボクが消えたらボクという存在の記録と記憶が一緒に消えてくれるかどうか。
もしボクの記憶が残れば彼女が心を痛めてしまうかもしれない。
だから消えるなら記憶や記録ごと消えたかった。
どうせボクは孤児だ、消えて心残りになるような肉親は居ない。
さて、準備しようかな・・・
あれから24時間経った今、ボクは少女に異世界に連れて来られた。
問題はソコじゃない、一つはボクはこの世界に来て何をするのか、それをまだ聞いてなかった。
そしてもう一つ、ボクは女になるなんて聞いてないぞ!




