守る者
途中、館へ戻りレオンは何やら色々な道具が入った鞄を持った。館を後にすると春花達は急足で森へと行ったのだった。
「春花さん…エヴィが言っていた通りでしたらエリザはエヴィの兄を使って私達を殺しにかかるでしょう」
森の中を歩きながら話すレオンに春花は考えていた。
「エヴィのお兄様はどうするか…ね」
「………はい」
春花はレオンの返答の間に疑問を持つがすぐに怪しんだ。
「ねぇレオン…あなたは何か心当たりがあるんじゃない?」
「本当に貴女って人はこう言う事は鋭い…ですが確信はありません」
「いいわ」
レオンは考えていた事を話した。それは三つあった。一つ目はルディと戦いエリザを殺すこと。二つ目はエリザとルディをどうにかして長時間引き離すこと。そこまで話すとずっと黙っていたハクが声を上げる。
「一つ目の戦うのは誰がやるんだ?」
「それは決まっているでしょう?何のために来てるんですか?」
レオンは当たり前の様にハクに言うと春花はハクにお礼を言うのだった。
「で、三つ目は何?」
春花は三つ目をレオンに聞くがなかなかレオンは答えようとはしない。
「三つ目は無かったことにしてください」
「なんで?」
「現実的じゃ無いからです」
「ふーん…じゃあ私がエヴィのお兄様と戦うわ」
前向き歩む足を早める春花の言った事はレオンに対しての脅しだったがレオンはそうと思っていなかった。
「ダメです!!」
「なら話してよ」
少し先を歩く春花は立ち止まり振り返りレオンを見つめる。そんなレオンは見つめる春花の瞳に弱いのか話始めた。
「三つ目はエヴィの兄にエリザとは違う血を体内に入れることで能力を無効にすること…ですがここにはエリザ以外の人は…いません!なので…」
「何言っているの私は人よ?なら私の血で…」
「絶対ダメです!!!」
「なんで…よ」
この時春花はこんなにも怒り悲しむレオンを見たのだった。
それ以降無言で森を歩いているいきなり開けた場所へと着く。そこにはかつては綺麗にしていたであろう花壇があるが今では草が生い茂りレンガの足元意外歩けそうには無い。だがその先には屋敷が建っていた。
ここがエヴィの……
春花は思っていたよりも荒れ朽ち果てた屋敷にもう選択肢はないのじゃ無いかと思っていた。
それは戦うとなると少なからず建物にダメージを与えてしまうからだ。最悪崩れでもしたら皆ただでは済まない。
「レオン私の血を使って」
レオンは「まだ言うか」と言いたそうな顔をするが春花は関係なく理由を話し続けた。
「あなたもわかっているはず!もう選択肢は無いわ。派手に戦うことになったらこの屋敷が耐えられるかわからない…それにエリザは執着してる者から離れるとも思えないわ…だったら選択肢は一つよ」
それが最善な選択肢な事ぐらいわかっていたレオンはバツが悪そうに視線をそらし眉間に皺を寄せる。
「……ですが…」
口籠るレオン。そんなレオンを目の前で見つめる春花は迷いなど無かった。
「レオンあなたは何のために私のそばにいるの?」
その問いに春花とレオンの視線が交わる。
「春花さんを守るためです」
「なら私を信じて…それにレオンは医者よ大丈夫きっと上手くいくわ」
「………負けました。貴女様に従います」
レオンはフッと笑うと持っていた鞄を開け注射器を取り出した。




