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花飾りの約束  作者: ツルギ
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泣き声

 取れた手首をエヴィは見つめ、その握力で握り潰し床に叩きつけた。それは中身の無い手袋のようにぺしゃんこだ。

 「私の……手…………あああああああルディ!!!あなたの妹でしょう!!早くあの忌々しい化け物を殺しなさい!」

 地鳴りのように叫び怒り狂うエリザが命令するとルディは目には見えない速度でエヴィの首を掴むが、エヴィは焦る事はなく穏やかな表情をしていた。

 

 ああ…お兄ちゃんだ

 

 エヴィとルディの目が合う。が、次の瞬間ルディは手に力を入れ首を絞める。しかしエヴィは抵抗をする事はなく、ただ涙を流していた。

 

 やっとこの悪夢が終わる…お父さん…お母さん…。お兄ちゃんを救えなかった……ごめんなさ…い


 痛みを受け入れるエヴィの首は骨がミチミチと鳴り初め、意識が朦朧としていた。

 超人の体を持つエヴィでも首が落ちれば死しかない。そんなエヴィはルディを見つめ続けていたが、骨にヒビが入る度に意識は無くなるが、最後の力を振り絞り声を出す。

 「お……にぃ…ちゃ……あ…り…が……」

 エヴィは話している途中で意識が無くなった。それはルディに首の骨を完全に折られた証拠だった。

 だらんとする力無いエヴィにエリザはまたも高笑いをする。

 「良いきみね!!あはははルディ!そのまま床に落としなさい!最後は私がやるわ」

 距離を取って見ていたエリザは一歩一歩エヴィに近づいて行くが、突然勢いよく扉が開く。

 ルディ、エリザの視線の先には春花がいた。

 

 春花は息を切らしていたが、力無く倒れるエヴィを見るなり駆け寄る。

 「エヴィ!!何で…」

 潰れた首には手の形が赤く残っていた。涙を流す春花はエヴィを助けられなかったことを悔いていたが、それよりも怒りが勝っていた。

 「なんなのよ!いきなり!!って貴女…ああ確かティールームにいた黙りさんね」

 「………」

 「あら?また黙りかしら?用がないなら早く出てってくださる?」

 「………」

 エリザは話しかけるが春花はずっとエヴィに視線を向け無言のままだ。

 「そう。貴女も死にたいみたいね。ルディ」

 エリザの一声でルディは動き出すがその瞬間火の弾が春花とルディの間をいくつも通り過ぎる。

 「何!!」

 見渡すエリザは周りを見渡すが誰もいない。それもそのはずだ春花の後ろにいるハクが見えていないのだから。しかしそれはエリザだけで、ハクとルディは目が合っていた。

 「お前の主人は俺が見えないようだ…どうする?それでも春花を狙うか?」

 ハクの問いかけにルディは無言だが、動きは止まっている。

 「何してるのよ!早くその女を殺せぇぇえ!!」

 怒り狂うエリザはルディに命令するが動こうとはしない。そんなルディに途端にエリザは慌て出す。

 「ルディ!!こっちに来なさい!!早く!ルディ!!」

 それでもルディはエリザの方には行かない。しかし、痺れを切れしたエリザは歩くたびに痛む傷口を気にすることなく真っ直ぐルディの方へと行くがハクがそれをさせない。火の弾を数発撃つとエリザは避けるがよろけて転ける。

 「ああああああ!!!」

 叫び狂うエリザは思わず無い手をついてしまったのだ。その姿は春花、ハク以外にもう一人見ていた。

 「滑稽ですね」

 レオンだ。レオンは春花とルディの間に入るとしゃがみ込み春花に話しかけた。

 「春花さん…お待たせしました」

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