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花飾りの約束  作者: ツルギ
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叶わぬ思い

 ハクの手を引っ張り走る春花は、街に入る前で止まり、手を離す。

 「勝手に引っ張ってごめんね…私どうしても、もう一度…会いたかったの…でもそれは皆んなに迷惑かける事もわかってる…」

 明確に言わない春花だが、どうしでもエヴィが心配だった。そしてそれはレオンやハクもわかっている。

 それでも春花はどうしていいかわからなくただ立ち尽くす事しか出来なかった。そんなハクは春花の肩に手を置こうとすると、ピクピクッと耳が動き音が聞こえた方を見る。


 あいつ…


 ハクが振り向いた方には木陰に隠れるレオンがいた。レオンは人差し指を立てると口元に当てるとハクは面倒くさそうに息を吐く。

 「春花、街に行くんだろ?」

 「…うん」

 「俺は…実はこの街初めてじゃ無いんだ。行くなら早く行こう」

 今度はハクが春花の手を引き、歩きながら話す。

 「う、うん…え?初めてじゃないの?」

 「ああ。光一郎の仕事で前に来たんだ」

 「お祖父様と……」

 「そうだ。だから俺ももう一度街へは行こうと思っていたんだ」

 

 お祖父様が来た街…


 春花は母が楽しそうに話していた光一郎の話を思い出していた。

 蘭子は光一郎のお土産を見ながら笑みをこぼす。春花も笑顔で話す蘭子を見ると嬉しくなり西洋の話を聞くのが好きだったが、その話しの最後には決まって「いつか私も行ってみたいわ」そう言っていた。


 ここがお祖父様の見た場所…そしてお母さんの思いの地なんだ。


 街へと入ると先程とは違い春花の鼓動は早く、足取りは軽やかだ。

 「行きたいところはあるか?」

 春花は悩むが来たことの無い地で右も左も分からない。キョロキョロと周りを見回し、目に入ったのは美しい色とりどりのキャンドルだった。

 「蝋燭のお店かしら?」

 「そうだな。だが春花の知っている蝋燭とは違うみたいだな。気になるなら行くぞ」

 「あ、待って」

 二人はキャンドルの店へと入って行ったのだった。


 

 そのころエヴィはエリザの前にいた。

 「あ………」

 「何かしら?あんたから来るの初めてね」

 「……………やる」

 ぶつぶつと話し始めるエヴィの声はエリザには聞こえるはずも無く次第に不機嫌になっていく。

 「は?聞こえない、はっきり言ってちょうだい!…ああ無理よね。この50年あんたは兄を犠牲にして来たんだから」

 エリザは高笑いをするとエヴィに近づき蹴飛ばした。

 「あはははははどうせすぐ治る身体なんだから!いくら!殴っても!蹴っても!いい!わよ!ね!」

 倒れるエヴィの髪を掴み上げる。

 「あっそうだわ!エヴィ!あんたは私の殴られ役になりなさい」

 エリザは見下し満足気な表情をしていると手首をエヴィに掴まれる。

 「ふふ。何?話して欲しい…」

 

 パンッ

 

 エヴィはエリザの手首を何の躊躇いもなく一瞬にして骨を粉砕した。

 「うぎゃぁぁぁぁぁぁああああああっ何すんのよっ!この!」

 エリザは立ち上がるとエヴィの頭を足で蹴るが垂れ下がる手首をエヴィは離さない。

 「離して!離しなさい!!離せぇぇぇぇえ!!!」

 しかし叫び荒れ狂うエリザの願いとは反対にエヴィはエリザの手首を引きちぎった。


 

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