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花飾りの約束  作者: ツルギ
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人形職人、ロニー

 自室に戻ったレオンは考え事をしていた。

 コウモリの怪物のことを。


 レオンは光一郎に出会うかなり前、人形の時に聞いたことがあったのだ。動かない身体はいつも同じで、前に座っている人形を見ていたが、人形同士で話す事はできた。

 退屈な空間には外からやってくる人間の話が唯一の楽しみでそれは他に居る沢山の人形達もそうだった。

 人形を売るこの店は、たまにしか客は来ないがそれでも店主のロニーは毎日作り続ける。

 そんな変わりない日々は久しぶりに店のドアが勢いよく開く。

 「うわっ暗っ」

 文句を言いつつも近くのランプをつけ、ズカズカと奥の工房にいるロニーのところまで来たのは、ロニーの幼馴染のアイザックだった。

 「よう!相変わらず気味の悪い店だな」

 「何の用だアイク…邪魔するなら出て行ってくれ」

 話しかけるアイザックを見る事なく話すロニー。二人は会うといつも同じ冗談をし、次には決まってアイザックが話を逸らして本題を話しになる。

 「なぁコウモリの怪人の話、知ってるか?」

 「それなりには。夜な夜な人を食べてはその亡骸には必ず花が添えられてたやつだろ。それがどうしたんだ?」

 「聞いて驚くなよ?…そのコウモリの怪人…一昨日に殺されたらしいぞ!」

 「え…」

 アイザックの話ではロニーの手を止めた事が無かったが珍しく人形を作る手を止めアイザックと目が合う。

 「やっぱりな…いつも工房に篭りっきりのお前は知らないと思ったんだ。でも残念だよな…怪人は人って言っても罪人を食ってたし、怪人がいなくなった今。市民は安心できねぇよな」

 「なぁアイク、それはどこで殺されたんだ?」

 「え?あー確か……怪人が住む誰も近寄らない北の森…でも何で?」

 「…いや」

 ロニーはそれだけ言うと無言で人形を作る手を動かし始めた。口を聞いた後こうなるロニーは、自分の世界に入りしばらくは客がいても接客をしなくなるほど没頭してしまう。

 そのことを知っているアイザックは差し入れに持ってきたバケットを置き店を出て行った。

 

 コウモリがシんだらしいゾ!

 ロニーかわいそウ

 ザイニンをコロス コウモリ スキだったのにネ〜

 ナイテル

 ほんとうダ!ナイテル。

 ロニーナイテル!

 ホントはコワガリナ ロニー

 ココロのえいユうがシだ

 カわいソウ カワイそう カワイソウだね


 店に居る様々な人形達は瞬く間にその話しで盛り上がっていた。 

 

 「可哀想」


 レオンは懐かしい思い出にボーッとするが、春花には今は言わないでおこうと思ったのだった。

 

 

 「こっちに来なさい」

 エリザの声にルディはひざまづくと、わかっていたかの様に部屋の扉がゆっくり開く。

 「エリザ様。ただいま帰りました」

 「あら!帰ってきたのエヴィ?ふふまぁいいわ」

 エリザは持っていた注射器を当たり前の様に自分に刺す。空になった注射器はその辺にすっぽり、直ぐ様ルディがエリザに覆い被さる。

 エヴィはそれを嫌悪の目で睨むと部屋から出ていったのだった。

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