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花飾りの約束  作者: ツルギ
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 日記を閉じるとエリザは交互に二人を見る。

 「1度だけ試しでもいいわ。やってくれたらこの日記はあなた達に返してあげる」

 「断ったら?」

 「ふふ…館に仕掛けた爆弾でこの館を壊すだけ…でも、もし能力を使ってくれたら日記の他にあなた達が眠っている間、何があったか教えてあげる」


 ルディは人間にはわからない超音波で周囲を確認するが誰もいる気配がない。父、ルーク。母、アリシアの慌て用を思い出すとむやみやたらと動かず、少しでも能力を試し何があったか聞く方がいいと思い前に出ようとするがエヴィが手を離さなかった。

 「エヴィ…大丈夫だよ。少し試すだけ…やって満足すればあの人も帰る…そうしたら二人でお父さんとお母さんを探そう」

 優しく頭を撫でエヴィを安心させると二人の手が離れる。

 「良かったわ。どうせなら異性が良いもの…それに…」 

 エリザはルディの顔を間近で見つめる。

 「良い顔ね」

 エリザはそのまま自分の首筋をルディに見せると本能でわかるのか首筋に噛みつく。

 「あぁ……あっ……すごい…すごいわ…」

 エヴィは目の前の二人のやり取りに一歩引く。優しいルディの瞳は赤色に変わりいつもの兄では無かった。

 「疲れ…が無くなる…気分もいいわ…」

 その時、カランカランとエリザの手から何かが落ちる。エヴィはそれを拾うと注射器だった。

 「あはは見つかっちゃったわね」

 高笑いをするエリザは先程とは違い生き生きし、その隣にはルディが立っていた。

 「……お兄ちゃん?」

 「………」

 突っ立っているだけでルディは反応しない。

 「お兄ちゃん!!」

 「無駄よ。あなたのお兄さんは私が作った薬、そして血で私の虜…マリオネットになったに過ぎないわ。残念だったわね」

 エリザは最初からこれが目的だった。ルディとエヴィが最後の話をしている間に自分の腕に薬を打ち、ルディはそれを知らずにエリザの疲労や老化そして一緒に薬と血を吸い取っていたのだった。

 

 

 「それからはあの人と兄は一度たりとも離れる事はありませんでした。ですがエリザは、父の日記とあの日に何があったのか教えてくれました。でも…父と母は私達兄妹を眠らせた後人間の手によって殺されました。兄は若返りに私は召使い…それを50年…」

 「50年!?」

 「はい…でも、もう慣れました」

 諦めた様なエヴィの表情は皆の言葉を失わせる。

 「すみません…こんな話。私そろそろ帰りますね」

 エヴィは丈の長いケープを着ると深々とフードを被った。

 部屋を出ると皆んなで玄関へと向かう。

 「話を聞いてくれてありがとうございました。久しぶりに楽しかったです」

 玄関の扉の前に立つエヴィは笑顔を向ける。

 「失礼します…」

 ドアノブに手を掛け外へ行こうと一歩踏み出す。

 「エヴィ待って!あなたは本当に帰りたいと思ってるの?」

 「…わかりません」

 エヴィは振り返る事なく扉を閉め出て行った。


 「春花さんダメですよ…」

 レオンからは春花の顔は見えないが、レオンは春花がどうしたいかわかっていた。だが、人間が絡むエヴィ達の事には首を突っ込みたくは無いレオンは先手を打つ様に言ったのだ。

 春花は少し不貞腐れた様にレオンを睨む。

 「まだ何も言ってないわ…」

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