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花飾りの約束  作者: ツルギ
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エヴィ

 エヴィは瞳を閉じるとそっと息を吐いた。

 「はい。私は怪物ですが、姿だけは人間です」

 「どう言うこと」

 エヴィは立ち上がり少し距離を取る。

 「あなた達は普通の人間ではない……その事を信じて私の本当の姿を見せます」

 着ていた長いケープを脱ぎエヴィは真っ直ぐ春花達を見つめた。すると、頭には大きな黒い耳の様なものが生え始め、背中には黒い翼が生えた。

 「私の父はコウモリの怪物。母は人間です」

 「………」

 春花はじっと見つめたまま無言でいるとレオンに耳打ちする。

 

 ああ…やっぱり…この人も

 エヴィは震える手をぎゅっと握りしめた。

 「どうです?気味が悪いでしょう?」

 精一杯の笑顔を春花に向けた。


 勇気を出したのに…滑稽な姿


 エヴィは俯き頭を抑える。大きな耳を隠す様に。


 少ししたらこの耳と翼は消える…そうしたら直ぐに帰ろう……そう思ってるいると下向きの視線に誰かの足が映る。

 「とっても可愛いわ」

 エヴィは顔を上げると目の前には春花が居た。

 「気持ち悪くないの?」

 春花はレオンの方を振り向き翻訳してもらう。

 「こんなに可愛いのに気持ち悪い事ない!それにレオンを通して話すよりちゃんと自分の言葉でエヴィと話したいわ」

 エヴィもレオンを通して春花の言葉を聞く。すると、エヴィの瞳には涙が溢れていた。

 春花はティールームでの事で察すると優しくエヴィを抱きしめたのだった。


 エヴィは春花のベッドで眠り、三人はレオンの部屋で話をしていた。

 「詳しい事は明日話すことになったけど……許せないわ」

 「ティールームでの事、ですか?」

 「そう!エヴィはまだ子供なのに…あんなに良い子なんだよ?それなのに…あの女の人許せないよ」

 その様子にレオンは春花らしいと少し微笑むが、ハクは春花が言った「エヴィはまだ子供」に引っかかっていた。


 「春花、エヴィは思っているほど子供じゃないと思うが…国は違えどもエヴィから感じるあの力は…」

 「そうですね…それにあの男の子はエヴィと同じ気配でした…明日になればわかる事ですが…春花さん、私はあなたを危険な目に合わせるわけにはいきません。このことがどう言う意味かわかってますか?」

 レオンは春花に言い聞かせるように話した。

 「………わかってるわ…」

 春花は歯切れが悪いが、苦虫を噛み潰した様な表情で返事をすると、なんとも言えない空気になり夜も遅くを理由に解散になった。

 

 次の日になるとレオンとハクが春花の部屋へと集まり、エヴィは昨日の話の続きを始めた。

 「私は父の力を受け継ぎ母からは人間の姿を…それはお兄ちゃんも同じです……あっお兄ちゃんはあのお店でエリザ様…あの人の隣に座って居た者です」

 一同は昨日の事お思い出していた。それは無言で座り自我がなく微動だにしない人形の様な姿。

 

 エヴィは構わず淡々と話し始めた。

 「私が母から聞いた話ですけど…昔、父は人を喰らってました。母の両親は研究者で、母はその生贄であり実験材料に過ぎませんでした。最初は母も怖がってましたが父の本性を知ると愛するまでに変わり、私達兄妹が生まれました……ですが、奴らの狙いはそれだったんです」

 

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